2000年五月から六月いっぱいに
出来た作品です。
テレビをつけない朝
テレビをつけない朝は
いろんな音が聞えてくる
「ピィ-ヒュ-ピィ-」
「良い朝だね!、鳥のさえずりが聞えるわ、
良い朝だね!」
遠くで「グ- ブ- グウア-」
「車の音も聞えるよ。」と子供
「---。」
今日の朝はいつもと少し違う
私は朝食を食べながら
さっそくパソコンをいじり始める
子供は机に向い勉強をし出す
「この子は良い子だね!。
さすが私の子。」と妻は声を上げながら
食事のかたずけを始めた
すると
プチとクロもつられて勉強?を始めた
さあ大変
机の上 テ-ブルの上 寝室から
キッチン テレビの部屋
と朝のランニング
走れるだけ走り回る
テレビをつけない朝は
いつもの朝と少し違う
タイカレ-
「来月からタイカレ-がメニュ-に入ります。」
「魚のカレ-?」
「いいえ 魚は鮮度が難しいので
チキンかエビになります。」
「?」
「タイはスパイスが違うので、
ココナッツの入った甘辛いカレ-です。」
「タイ(鯛)のカレ-でしょう?」
「はい、タイカレ-です。」
タイランドストア-
レットカレ-の元は何処にありますか?
微笑みが 右 左に揺れる
ケエ-ン.ペッは何処に有りますか?
「ハア、ハア」微笑みが
大きな笑顔になる
棚の一番下を指差す
手に取りラベルの
「red curry paste」を示す
yes yes
ナンプラ-は何処に有りますか?
手で隣りの棚を指差す
いろんな種類がある
どれも同じですか?
大きな目を開いて
「ハア、ハア」微笑みが上下に揺れる
一つ手に取り「これ高い400円」
「みな200円」
ココナッツミルクは何処ですか?
「ハア、ハア」微笑みは上を向く
curryを作るのに後何かいりますか?
「ハア、ハア」微笑みは店の奥へ急ぎ足
カレ-作りのレシピ-を持て来る
レモングラスは有りますか?
少し寂しそうに微笑んで
「今日、ない」
yes yes
一歩外に出ると
車が忙しく往来する
商店街
夕刊のお兄ちゃんが
「すみません」と言いながら
狭い路地を忙しく
走り抜けて行く
むし暑い梅雨の夕ぐれ時
さわやかな微笑みの国
タイランド
一瞬 ワ-プした気分になりました
銀の糸
月夜に輝く
カタツムリ
銀の糸
雨上がりの夜道は
銀の涙 銀の糸
カタツムリ
時間をかけて
紡ぎます
雨上がりの夜道は
銀の涙 銀の糸
月の光りに照らされて
地上の天の川
銀の船乗って
散歩する
各駅停車
人生の特急列車に乗り遅れたら
鈍行で行きましょう
各駅停車で
ノンビリと旅を楽しみましょう
味のある人生に成りそうです
親
黄色い口が白くなり
胸も大きく白く輝いて見えます
見かけは親と同じです
一羽だけ先に飛び立ちました
二晩戻りません
良い人でも見つけたのでしょうか?
残り四羽
巣の中に入り切れないので
縁に並んで立ってます
時々 翼を広げて飛ぶ真似をします
見かけは親と同じです
それでも親はせっせ せっせと
エサを運びます
見かけは親と同じです
それでも親はせっせ せっせと
エサを運びます
子供の為にせっせ せっせと
歌うカレ-屋
飾りを付けたインドの馬さん
パカポコ パカポコ 歩いてる
二人そろって本の上
こちらを チラリ チラリと
気にしながら
二人仲良く歩いてる
梅雨の晴れ間のガンガ-で
二人仲良く歩いてる
棚の上ではタイの鳥さん
キユ-ウ キユ-ウ 鳴いてます
隣のネパ-ルの猫さんも負けじと
ミャア- ミャア- 鳴き出した
バリのキリンさん
こっちを向いて ニッ! と
歯ぐきを出します
みんな仲良く合唱です
パカポコ キュ-ウキュ-ウ ミャア-ミャア- ミャア- ニッ!
梅雨の晴れ間のガンガ-で
朝一番の合唱です
私もつられて
アッチャアッチャ アッチャチャ-
みんなまとめて大合唱
梅雨の晴れ間のガンガ-で
みんな楽しく歌います
長い長い雨
長い長い雨が降り続いています
雨の始まりは どこ?
雨の終わりは いつ?
長い長い雨が降り続いています
途切れることなく
降り続いています
天の国から私のところへ
途切れることなく
降り続いています
あらかねのおとずれ
(桝本楳子先生の遺作展会場にて)
家族三人 電車を乗り継ぎ
駅に着くと
横なぐりの雨
こんな日にと思いながら
画廊を探し 三人黙って歩きます
歩く靴先 雨がしみ
こんな日にとまた思い
知らない土地で
知らない画廊
探します
靴下が濡れ ズボンが濡れて
着きました
奇麗な書と陶器
音を立てない様に歩きます
靴下がピチャピチャいってます
作品の中に
「あらかねの音..」で始まる書を見つけ
子供が笑い 妻がつられて笑い 私も笑う
雨の事はもう忘れ
作者の世界に浸ります
心地良くなり
芳名録に「あらかねのおとずれ」と書く
妻がその横に荒金と書く
六月のいたずら雨です
徳林寺のブラックジャック
今日 一番テ-ブルに来ていた人が
あの蝉丸さんだよ
え!あの家族連れの人
うそ!
忘れられないわ
数年前 徳林寺の境内で
外国製のカセットテ-プを売っていた姿
異様な雰囲気
口に大きなマスク
深くかぶった帽子
忘れられない あの姿
ブラックジャックが手術着で
お寺の境内に立った様な
何かあるとメスが飛んで来そうな
身の危険を感じながら
彼の売っていた格安の外国製カセットテ-プを
一つ買ったわ
あれは忘れられない
あの人があの蝉丸さん
普通のお父さんじゃないの
テ-ブルで話しをしていると
時々
ふと遠くを見ている様な目になる
その時
あの徳林寺のブラックジャック
を思い出す
今もあの面影を残してる
やさしいお父さん
頑張れ、頑張れ
燕の赤ちゃん
顔を出し
静かに待ちます。じっとして。
静かに待ちます。じっとして。
父さん、母さん、飛んで来る。
ギチャ グチャ ベチャ ギチャ
大変です。
ギチャ グチャ ベチャ ギチャ
大変です。
顔全体が口になる。
「ここに入れてよ。一番に。」
ギチャ グチャ ベチャ ギチャ
大変です。
顔全体が口になる。
大きな大きな口になる。
父さん、母さん、どれにする。
一番大きな口にする。
もらえない赤ちゃん、元気ない。
頑張れ、頑張れ。
今度は体全体口になれ、
もっと、もっと、大きな口になれ。
出会い
「今の仕事に学業はいかされていません。」
「高専に来た意味がないね。」
「先生と出会うため、高専に来たのかもしれません。
それで十分です。」
彼は黙って私を見つめた。
私は涙目になり、笑顔で返した。
この一言を言うために、
この一言のために、
二十年の歳月があったのだと、
私はこの時確信した。
そう、あなたと出会うため、
私は二十年前、ここに来たのだと。
彼を通して、あなたを知り。
彼無くして、あなたは無かった。
九重山の夏期集会
彼の話に涙し、
二人になり自分の重荷をさらけ出し、
意味もなく涙した。
あの夜、
私はあなたを知りました。
はじらい
はにかみて
言うに言えない
はじらいは
愛することの
初心な出会いの
初恋か
何
身に付いたいらない物を
脱ぎ捨てる
勇気があれば
さようなら
あたふたとあたふたと歩む人生
さようなら
さらりさらりと
さようなら
何を持ち
何を持たされ
何がある
私の生きる道の先き
何を持ち
何を持たされ
何がある
ウサギさん
ツマヨウジを背負ったウサギさん
そっちを向いてたら顔が見えませんよ
背中のツマヨウジはもういりません
そのかわいらしい顔をこっちに向けて下さい
「そんなに背を向けていると
ツマヨウジさんと呼びますよ!
ウサギさん。」
そこの鼻の大きなブタさん
鼻の穴をそんなに広げなくてもいいですよ
もう十分ですから
それより
ウサギさんに言って下さい
「ツマヨウジはもういりません。」と
鼻の大きなブタさんが
ウサギさんに
こっちに向くように耳打ちしてくれました
ウサギさんは
「仕事ですから。」と言ってこっちを向きません
分かりました
ウサギさんもういいですよ
あなたの仕事のじゃまをしてすみません
「ツマヨウジありがとう。」
かわいいね
「髪切ったの。?」
「よく気が付いたわね、かわいいでしょう。」
昔から素直に言えない私
「かわいいね。」とは言えなかった。
もし声に出したら
「どうしたの。?」 と言われそう
夫婦
妻に「あなたの人生の目標は何ですか?。」と聞かれ
何も考えていないとは言えず
その場しのぎに
「恥ずかしくて言えない。」と返事した
「夫婦の仲なのに、何恥ずかしがるの。」と言われ
「夫婦の仲」
そうか夫婦の仲なのか
改めて言われると
こそばゆい感じのする言葉だ
忘れていた感覚を取り戻した様な
理由もなく心地良く
うれしくなり
返事の出来なかった事よりも
「夫婦の仲」と言われた事に
喜びを感じた私です
待つ
鳥のさえずり
CDから流れる
インド音楽
マナ板の音
赤ん坊の声
29℃の風
五月というのに
私は静かに客を待つ
スズメ
雨の中
スズメがツン、ツン
カサもささずに
ツン、ツン
アッチに
ツン、ツン、
コッチに
ツン、ツン
カサもささずに
何さがす
「忘れ物」
忘れ物がある。
誰の物か分からない
忘れ物がある。
人伝に
友が廃人の様な生活をしていると聞いた。
幾日かすると、
この忘れ物は彼の物ではないかと
思うようになった。
大切な物を忘れてしまった、彼。
忘れ物を返しそこねた、私。
あれから幾日
それは、今も私の机の中に眠っている。
赤いバラ
あなたに頂いた
小さな小さな
赤いバラの鉢植え
赤い花一つ
あなたへの思いも込めて
広い大地に植えました
今年は
かわいらしい赤い花が
一つ又一つ
幾つも咲きました
今度あなたが来られたら
お見せしましょう
この赤いバラの花と
私の思いを
失ったもの
雨あがる朝
部屋の窓を開け
五月の風を胸いっぱいサワヤカ気分
目の前を
蚊が一匹
追っぱらってたたいて
部屋の中
ウロウロ
窓を閉め
ク-ラONでリラックス気分
(人が生きる為に何かを得ると
何かを失う様に出来ている
その何かはあんがい得たものより
大切なもので目に見えないものだったりする)
なかなかだあ-
「いっぱい皿もてるんだ。
なかなかだあ-、 なかなかだあ-。」
と幼児にほめられる
そうだろ
そうなんだ
なかなかなんだと
胸を張る
笑顔になる
ありがとう坊や
巣作り
チュ-リップ咲く晴れた日に
つばめが巣作りを始めた
つばめさん私も巣作りを始めよう
カラスにヒナを食べられる
悲しい思いはもうしたくない
つばめさん私も巣作りを始めよう
南風吹く雨上がり
ゴミ袋を使ってみた
黒い袋が風に
パタパタ
パタパタ
つばめが怖がり
巣に近ずけない
こいのぼり泳ぐ日に
つばめの巣作りは終わった
悲しい思いはもうしたくない
私の巣作りはまだ終わらない