以下は2000年7〜8月の作品です。

頑張ろう   自分の胸に輝くものが 一つあれば それでいい   だれでも 一つはあるよ 必ずある 探してごらん   一つあれば それで充分 生きていける   さあ頑張ろう    
       思いで時計   「主人は7月に亡くなりました。」 「そんな、まだ若いのに。」 「はい、51歳です。」 「息子さんは?。」 「長男は主人の後を次いでます。 本人も好きでしたから。」   話しをしながら 私の記憶はご主人の面影をたどる ダンディーなお父さんでした   時は流れているのに あなたは止められてしまった   時を止められた むなしさよ 愛する人と共に歩めなくなった 悲しさよ   時の流れの中を生きている私たち 思い出を胸に歩んで行く その思い出は止まった時計 でも  思い出の中では動いてる時計 いつでも動く思いで時計   彼女の思いで時計には ありし日のご主人がそこにいる    
        散歩     太郎の散歩が 楽しくなったとき 私の散歩に変わった      
      ジョニー   俺様の近くに来るんじゃねえ! 殺し屋の俺様に殺されたいのか!   俺様の体温を感じて 近つ゛いて来る 蝿ども 行くところ 行くところ ついて来る   俺様は蝿殺しのジョニーと言われている男 狙った獲物は必ず仕留める 早わざのジョニー   濡れたタオルを片手にぶらさげ すばやく打ち出す   「バシュツ」   獲物の近く3〜5Bあたりを狙う 三回に一回は仕留める プロフェショナル   俺様は蝿殺しのジョニー    
        楽しんでるよ   ダックルの力車(りきしゃ)のおじさんは 北極が5000万年ぶりに溶け出したことを 知っているだろうか? シドニーオリンピックが始まることを 知っているだろうか?   きっと そんなこと知らないよ でも 僕も似たり寄ったりさ   蝶が風にゆられて花から花へ こっちで ちょこっと あっちで ちょこっと   蝶は何処から来て この先何処へ 人は何処から来て この先何処へ 私は何処から来て この先何処へ   分からないことだらけ  でもね それが 楽しんだよ わくわく どきどき 分からないことがあるから 楽しんだよ   ダックルの力車のおじさんも ハウオー ハウオー と言いながら 毎日力車をこいでいるよ 北極もシドニーも知らないけれど 家族のため 汗ながし わくわく どきどき 人生楽しんでるよ 生きてるよ   
        挑戦   賛太が自転車に乗れるようになった 人の倍時間がかかったけれど 乗れるようになった 泳ぎもかなり出来るようになった オセロも強くなり 私も勝てなくなった この夏 彼は大いに成長した 階段歩行ロボットも いま自力で挑戦中    可能性に挑戦して 悪戦苦闘する その葛藤の先に 創造があり 何かが新しく生まれ出る   彼は挑戦している   私も挑戦しょう 可能性に  
       いつもの朝   白い朝顔 ぽつり さびしそう 雑草の中からちょこっと 顔を出し あたりを見まわしてます   「あなたのお友達はまだ寝てますね。」   私なんか朝食前にメール確認 朝一番のお楽しみ まろみさん ロルクさんからお便り来てました ルン ルン   ロルクさんからのメールは demonに化けてます? ガク ガク どうしたの?   息子が起き出して プァー プァア おお あくび   朝日も強くなり 他の朝顔さんたちも ちらほら起き出した   蝶チョさん飛んできて 朝顔さんにごあいさつ 「今日もいい日でありますように。」 白い顔がぽつり笑ってる みんなに囲まれ元気出す   私もみんなに囲まれ元気出す   さあさあ いつもの朝の 始まりです   
          シャイなカレー屋   歩くたびに『パク パカ、パク パカ、』 音がする 長グツはいてるの? 普通のクツさ わざと大きめの靴をはいて パク パカ音を立てるのさ   これで歩くとほらね 『パクッパ パカッパ、 パクッパ パカッパ、』 ハモるんだよ すてきだろ   このカレー屋のマスターは 楽しくリズムを取りながら 歩きます 気分がいい時はくるっと ターンをして 踊りだす   でもね   人がいるとしないんだよ あんがいシャイなんだ 人がいないとき 一人タップを踏みながら 踊ってる インド音楽に合わせてね    
            ヤンキーなカマキリ   朝一番 プランターの花たちに水をプレゼント   「タッタラ、タッタラッター、あれ?。」   手と手がふれて びっくり ドッキリ カマキリさんが手をすべらせ 地面にバッタリ   夏のカマキリは青緑色 ういういしい美しさ   「大丈夫?。つい葉っぱと思ったの。」   「なんのなんの これしき、 わしゃあ ヤンキーなカマキリさ。」   凛々しく立ち上がり きりっとこちらを にらみます   「あんさんも、気付けなあかんで!。」   「はい、すみません。」   ヤンキーなカマキリに説教された私です。  
   夏花火   空中高く 夜空 いっぱい 咲く花火 にぎにぎしく 美しい 天空の花火   遠くの方で小さく 建物と車のライトで見ずらい 地上の花火   ありふれた日常生活を 一瞬 止めてしまう 花火   夏の盛りを感じさせ 夏の終わりへ向かう セレモニー 夏花火  
        パソコン使いの魔男   ペンギンさんからメールが着きました 何を運んできてくれたの? ? ? ? せっかくのメールが文字化け?しています それともこれは ペンギンさんの言葉なの? 私にも読める言葉に変えて下さいよ おまじない おまじない 困った時はこのボタン お助けスイッチ ON あれ? 直りません どうしましょう そうだ 魔法使いのゾウさんに 聞きましょう   「ゾウさん ゾウさん どうして そんなにお鼻が長いの?」 あれ?私は何を聞きに来たのでしょう そうそう 「ゾウさん ペンギンさんのメールが読めません  読んで下さいよ」 「ほう そうですか よし よし わたしが一つ どっこいしょ どっこいしょ」 「これはね プラウザを開いて それから編集をクリックして それから こうして ああして どっこいしょ ほらね 読めるでしょ」   なになに「夏は暑いので 冬また合いましょう それまで お元気で ペンギンより」   やはりゾウさんはすごい魔法使い パソコン使いの魔女 いえいえ男ですから魔男です  
      バニヤンのように     現実の嵐に揺られ揺られ 楽しんでいる私   そんな私に時々 遥か荒野 渦巻く嵐と闇の中 天空から一筋の光りのように 力強い声がする 心に響く声   「聖書を読みなさい、 バニヤンのように、 聖書を読みなさい。」   私の内なる声が共鳴する        注:バニヤンについて知りたい人は 表紙の「思い」の2000.8.14 を見てください。
        賛太の夏   「下を見ちゃだめ、前を見なさい 手を離すよ。」   そっと横にまわり 顔を見る 真剣なまなざし 緊張した首筋   真夏の太陽は容赦なく 照りつける 汗が水玉になり 額から頬 首筋へ落ちていく   黄色いマウンテンバイクが 大きく輝いて見える   練習する賛太の額に 水玉の汗 一つ 冷や汗 一つ   賛太の夏 一つ  
   わが家の一員たち   うちのクロとプチは一歳半 それでも立派な大人です   クロ 体重6.0kg 手の先から足先まで 伸ばして測ると98B とてもデカイです 子供のころから顔デカ オッサン顔 いまも変わらず オッサン顔 とても頭のいい子です   プチ 体重 その他普通 たぶん美人だと思います とてもやんちゃで 家出が特技の こまったさん   うちの太郎は15歳 それでも立派なお年寄り 散歩もヘトヘト歩きになりました ゴロゴロ寝て一日過ごす ご隠居さん   わが家は  みんな仲良く 真ん丸家族です    
   夜泣き蝉   月光の下 蝉のお宿では 今日生まれた 赤ちゃんが ミャーミャーと 泣き出した   昼間  鳴き忘れた 赤ちゃん蝉は 夜泣きする 「くらいよ、こわいよ。」と 夜泣きする    
   常連さん   今も現役のお百姓さん ジャガイモ ナス スイカ  キュウリ トマト  なんでもござれ   畑耕し 腰曲がる 曲がった腰で 乳母車 おばあちゃんに 乳母車  乳母車の てくてく歩きも かわいいね   世間話しが大好きで 畑の仕事が終わる頃 コーヒー飲みに やってくる 耳が少し遠いけど 頭スッキリ ハッキリ 元気です   日焼けしたチョコレート笑顔が ステキだね   祖父江のおばあちゃん 85歳 うちの常連さん  
   花瓶がぽつり   鉄砲ユリが生けられた 花瓶がぽつり 夜道の街灯に照らされ さびしそう 犬がそのわきを急いで歩く だれも振り向かない こんなところに 季節が変わり 咲く花も変わり 時は流れて行くけれど 花を生ける人にとって この場所は忘れられない 忘れたくない 場所なのだろう 私は知る由もない   毎晩ここを犬と散歩して この花瓶を見て 思う   そろそろ 8ヶ月 生ける人の思いが通じますように    
   乞食(こじき)の子   人の粗(あら)を探して自慢する、 いやみな天狗(てんぐ)の子がいました。 ある日、 詩集の本を拾いました。 村の子が落とした、金子みすずの詩集です。 天狗の子はさっそく本を開いて読みました。   すると、とても心が豊かになり 草木、動物、人間などにやさしく 親切な天狗に成りました。   (よし、よし)   詩の本をさらに読んでいたら、 「石と種」という詩に出会いました。 その詩の終わりに、 乞食の子を馬鹿にした様な箇所があり、 「よっしゃ!、僕も乞食の子を馬鹿にしてやろう。」と 天狗の子は思い、乞食の子供を探して、 村々を見て回りました。 でも、どこにも乞食の子供はいません。 しだいに腹だたしくなり、 怒りながら街道を歩いていたら、 石につまずいて、ころんでしまいました。 天狗の子はもう、ぷん、ぷんです。 その石を拾い上げ、竹やぶへ投げ捨てようとしたら、 その石さんが「乞食の子」と言いました。   天狗の子は愕然としました。 あの「乞食の子」とは自分のことだったのか、 自分のような傲慢な者をさして言っていたのかと気付き、 目が覚めました。   やっと、みすずの詩の意味が分かりました。 それからというもの、この天狗の子は とても謙虚になり、 心やさしい、立派な天狗になったとさ。   (よし、よし)    
   赤い唇の自画像   マジックで あわてて書いた そのわりに よく似て 素直に描けてる   一発勝負のマジックは 消せない 消せない 線だらけ すべての線が生きてくる 赤い赤い唇も その色しかなかったの   いつもの私と違うけど なにかリアルに似合ってる もう一人の私かな?       以上は8月1日からの作品です。 
      蜜集め   昨日の花さん探してる 「あれ あれ いないよ? あの子は何処いった。」 見た目は同じでも 蜜の味 「違う 違う 彼女じゃないよ!」   ポ-チュラカ 朝一番に生まれ 一日かわいく咲いた後 夕方 花をクルクル丸めて 「これで、さようなら、お元気で。」   蜂さん探しても 昨日の彼女はもういない 迷って迷っているけれど そこに丸くなったまま 咲かない花さん それですよ   蜂さんが 風の便りに聞いたなら さぞかし さびしかろう さびしかろう    蜂さん 探し探し  蜜集め 「彼女を知りませんか?」 寂しさ隠して 蜜集め    
   今日のお友だち   今日の朝 ききょうの花がリンと紫色に咲きました 花を そ-と ゆすると リンリンと澄みきった音が鳴りそうな ベルのような花が咲きました   ひまわりは元気よく東を向いて咲いてます こちらの気持ちも知らずに 東の方ばかり向いてます 東にゃあ かわいい子でもいるのかな? それであんなに黄色い顔しているの?   少しは西の柿の木さんにも 元気のいい顔を見せて下さいよ あなたの顔を見ていると夏の暑さも なんのその こちらも元気になりますよ 秋になればおいしい実を 差し上げましょう   ポ-チュラカ やたら めったら かわいい子 子育て上手なポ-チュラカ プランタ-いっぱい花だらけ どれが どの子かわからない 薄黄色 赤色に白色 みんなまとめてポ-チュラカ   お日様が一日の仕事を終わる頃   ポ-チュラカ お顔を器用にクルクル丸めて お休みなさい    
   雨の日が好き   晴れの日は不安 両親は一日中 仕事 兄は外へ 私だけ  おもちゃと一人遊び 「この子は手がかからない いい子だよ」 と母は自慢した   昼過ぎると そわそわ そわそわ 外で遊ぶ声に 耳をそばだてる 遊びに誘われないかと あてもなく 待つ 塀ごしに通る人を ちらり ちらり 見てすごす 誰も来ないのを知っていながら ちらり ちらり 見てすごす   雨の日は 外の出来事を気にすることなく 一日中遊べます 自分で作ったプラモデル 横一列に並べて 空想の世界に浸れます 雨の日は  プラモデルの王様   大人になった  今も雨の日が好き   もう王様になれないけれど 静かに想いを深め 言葉を探し 詩の世界の主人公に成れる日 そんな雨の日が好き   
   天のしずく(なくしたもの)   バケツをひっくり返した お.お.雨 天の大洪水   一瞬にして 大気の暑さも一休み ひまわりさんたちも ゆっくり一休み 大地のすべての熱気も みんな一休み   天の大洪水の後の し.ず.く.   木々の葉に伝わって落ちてくる しずく 涼しい風に乗ってくる しずく   天の国からの贈り物 静かに耳をすましてごらん 何か聞えるよ 心をすましてごらん ほら 聞えてくる   「暑かったね お疲れさま 今晩はぐっすり寝なさい」   忘れていた父の面影が頭の中をよぎる   なくした大切なもの   しずくは語りかけてきます   「大切なものを見失わないように」  
   うんこ雲(入道雲)   お-い うんこ雲 そんなに大きくなると こっちに落ちてきそうじゃないか   うんこ雲   落ちるときは きれいな水になって 町々の汚れをおとしておくれ   わたしの汚れもね!   うんこ雲   夏一番の元気もの!   あっ! うんこ雲から虹が出た   やった! あっ!しょんべん   蝉が顔にしょんべんした   夏!真っ最中    
   おまじない   ちちん、ぷい、ぷい あついの あついの とんでいけ   きょうは おまじないで あつさを たいじしました   さあ  あすはどんな おまじない?    
   おしゃべりな椅子   椅子のボンちゃん いつも同じ場所で飽きません? 私なんか子供が来るたびに 呼ばれて 汚れますが いろんなテ-ブルに行けて 楽しいですよ 同じ場所にず-といるのはつらいですね   なんの なんの 僕はここがお気に入りさ 窓辺で日当りも良く 花壇の花さんたちとも話しができ そうそう昨日はスズメのヤンちゃん とも話しをしましたよ ヤンちゃんはとても物知りでね 山のカラスさん 海のカモメさんなどとも 話しをされて  世界中の情報を集めてますよ 今 うちのボスがはまってる インタ-ネットですか それと同じような バ-ドネットってやつですよ 分からない事があったら 聞いてあげますよ   それにね 毎週日曜の昼 ここに座る女性がとてもステキなんです 名前はえ-と「マミエさん」って言ってました マミエさんが入り口に立つと もう胸が ドギマギ ドギマギ です やわらかく ほどよい重さのオシリ 髪の毛のなんとも言えない香り 体を動かすたびに僕の体を その香りが包みます もうたまりません これっていやらしいですか? ねえ 子供椅子のノンちゃん寝てるんですか? 僕の話し聞いて下さいよ   はい はい  わたしが変わりにお聞きしますよ おしゃべりなボンちゃん どうぞ      
    目が覚めるとき 涙が自然と にじんできた   なんだろう   こんな朝はしあわせです   ありがとう    
 遊びましょう   「どこ どこにいるの?」   声は遥か彼方から   「ここよ ここよ」 と風に乗ってやってくる   竹やぶは生き物のように うね うね 波打っています   「ここの中ですか?」   「いえいえ そこではありません」   池の波紋がいいます 「この中だよ この中だよ」   「いえいえ そこではありません」   空に流れる細長い糸雲がいいます 「北の山頂にいたよ」   「いえいえ そこではありません」   大地の中から響きます 「ここだよ ここだよ」   日も沈み 星空になりました   お月さまが静かに語りかけます 「お疲れさま また遊びましょう」  
   わたしのお客さん   今日のわたしのお友だち パンジ-さん ブル-スタ-さん コスモスさん マリ-ゴ-ルドさん こちらは道ばたで拾ったお花さん そちらのテ-ブルには シンビジュウムにランさん たのしくお部屋を飾ります あなたもわたしも みんな 同じ空気を吸って 同じ時間を刻んでます   水はもうあげましたよ   さあさあ お客さんを迎えましょう あなたのお客さんはハチさんですか そちらのあなたはお日様ですか いいですね 元気になります そちらのあなたは 嫌なお客さんのクモさんですか そんなことは言わないで まあまあ仲良くしてくださいよ みんな友だちなんですから   わたしのお客さんはどちらかな そちらのあなたかな いえいえ申し訳ありません わたしのお客さんはこれらの言葉たち さあさあいらっしゃい いっしょになって わたしと詩をつくりましょう  
    めしあがれ   今日のカレ-はおいしね どうして? オイルさんちょっとおしえてよ それは ひ.み.つ なんてね 僕と野菜さんが仲良く フラダンスしたからさ 玉ネギさんは朝8時から 僕とフラダンス もうこんがり日焼けして おいしそう ニンジンさん ジャガイモさんも後から仲間入り さあさあ みんな輪になって ナスさん ブロッコリさんに ピ-マンさん 手を取り合ってフラダンス 私はオタマ片手に アロハ- オイルさん みんなの中央に 踊り出て ダンスが盛り上がる みんなじっくり日焼けして 健康美 今日のカレ-は みんな仲良くフラダンス こんがり日焼けして おいしそう さあ さあ お早く めしあがれ  
     テルちゃん (詩人金子みすず)   テルちゃんの言葉は どこからくるの? それはね- あちらの国からやってくるの テルちゃんの心のトンネルを 通ってやってくるの あちらの国? それはどこにあるの? テルちゃんの心の中にある ふしぎの国かな? う.ふ.ふ テルちゃんの詩の世界とおなじかな? う.ふ.ふ. ねえ テルちゃん おしえて う.ふ.ふ   あなたの中にあるの   あなたの心の 秘密のドアを  そ-と 開けてごらん その中に眠ってるの   わたしの言葉が    
   反撃   私という一個人の人格を 無視したかのように 一方的に照り付ける太陽光線 この暑さは私を全く無視している 無防備な箱の中の私 破壊光線と熱線の暴力に 打ちひしがれる私 ただ じっと待つしかないのか? 耐え切るのだ いつか反撃の時が来る その時を夢見て 体力の消耗は気力の消耗につながる ク-ラ-のない部屋での一日 ただ 耐えるのだ 水風呂だけが救いだ   そう 水風呂だ!   忘れていた救いの手 やはり人生馬鹿にしたものではない 何処かに救いがあるものだ 他人には たわいの無いことかもしれないが 打ちのめされても生き抜く道を 探し出す したたかさ そんな自分が嬉しくなる 先程までの悲愴感は消え 希望が見えてきた この暑さが楽しく成ってきた 反撃準備OK  水風呂へ ラジャ-.ゴ-  
      タ-ザン   僕が幼稚園児のころ お兄ちゃんたちは 墓場の裏の斜面で 大きな木の 大きな枝に ツタを結んで タ-ザンごっこをして遊んでいた 僕は 斜面の上の山道から お兄ちゃんたちの 遊びを見ていた 翌日も その翌日も ただ見ていた いつの日か自分の番が来ることを信じて 待っていた そのうち一人のお兄ちゃんが 手をすべらせ骨折してしまい その遊びは大人によって中止させられた 僕はついにタ-ザンに成れなかった ツタを斜面の上まで持って行き いっきに下に向かってジャンプする お兄ちゃんたちの歓声 次は僕だ 俺だと 言う大きな声 墓場は僕達の遊び場だった あれからいく年 斜面の上の山道は人も通らない ケモノ道になってしまった 大きな木と墓場は 時を失ったかのように昔のままの姿である ただ あの子供達の喜びの歓声は もう何処にも聞えない  
      野に咲く花   野に咲く花は 風に 雨に 太陽に 打ち付けられ いじめられても 自分らしさを忘れず やさしさを保っている 私は野の花のようにはなれない 風吹けば心乱れ 雨降れば文句を言い 太陽に照らされれば 怒りを表わす 野に咲く花のように あるがままにすべてを 受け入れ しかも本来のやさしさを忘れない そんな勇気を持ちたい  
    そんな人   あなたが居るから私が居る 私が居るからあなたが居る 私も あなたも 同じ場に居て お互い影響し合う そんな関係で居たい  
      ヒマワリの 花咲き乱れ 夏来る  
    プラッチック   「プラッチック」と言うと すぐに 子供と妻は笑う 「またお父さんの プラッチックが始まった。」 プラスチックを プラッチックと言う癖 「別府方言」と言い放つも すでに効果なし  
  夢   一人は私、一人は友人 同じアパ-ト、同じ予備校 申し込みの手違いで、私だけ受験出来ない、 予備校の受け付け女の間違いなのか?、 謎一つ 私には故郷に妻子がいる。 この受験に家族の未来がかかっていた。 一人落ち込む、 街で友人が受け付け女とデ-トをしていた。 謎がまた一つ、 「友人と受け付け女、二人ぐるになって 私に罠を掛けたのでは?」 しだいに謎が膨らむ、大きく大きく膨らむ、 ついに爆発、 予備校の六階か七階にある。 校長室の金庫を狙う。 昼間、人の出入が激しい時間滞、 守衛服を身に付けた私、 守衛に成りすまし、 校長室の金庫から少しの金と、 受験票を盗み出す。 予備校前のバス停から 妻子のいる故郷へ。 故郷に着くと、村は年一度の収穫祭の真っ最中、 大広場に村人が集まって、歌って踊っている。 守衛服の私は妻子を探しています。 そこに、あの受け付け女と友人がいます。 話しかけようと二人に近ずくと、 吹き消すように、消えてなくなります。 村人に妻子の事を尋ねていると、 私の回りを数人の警官が囲みます。 村人の単車を盗み、逃走します。 その時、一人の警官が銃を発砲、 「バキュ-ン」 私はその場に倒れます。 知らない人達が私の回りを囲みます。 死んで行く私を多くの人が見下ろしています。 妻と息子が私を抱き起こし、 大きな声で泣いています。 よく見るとその後ろに、 私によく似た娘が青白い顔をして立ってます。 母親に「空腹で、水ばかり飲んでいたので、 胃に穴が開いたよ、胃が痛いよ、そんな男、 どうでもいいから、私を病院に連れて行ってよ。」 汚れた物を見るような目で私を見下ろしている。 意識が薄れて行く中、 遠い昔のワンシ-ンが映画のように甦ってくる。 父親に自分の描いた絵を見せている。 何かの建物 「ここの所はこうして、もっと立体的にしなくては。」 と言われている。 母とおじさんもいる。 「この子はりっぱな絵描きになるよ、 わしの跡取りだ。」と父は自慢している。 ここで夢は終わった。 目が覚めると忘れそうです。夢の覚めないうちに、 メモを取る。 七月四日の朝、六時、もう暑い日差しが 部屋に差し込んでいます。 隣りで息子が腹を出し、幸せそうに寝ている。 妻もその横で、息子を見つめるように寝ている。 今日も35℃になるのでしょうか?。   
     さわさわと   七月二日の風に さわさわと ささやくように さわさわと   35℃の風 なまあつく さわさわと ささやくように さわさわと   カキの木が さわさわと ささやくように さわさわと   「あついですね」と かたりかける  
    ネパ-ルを夢見た男(坂野公康君へ)   7月31日になると ある男を思い出す サングラスを掛け ニッと笑った人なつこい笑顔 あれから4年 ネパ-ルやタイの街角で 突然 鉢合せしそうな感じが いまでも残っている 26歳という年で ネパ-ルの国で息を引き取った 男 ネパ-ル語が堪能で観光ビザで入国して 1年間不法滞在した 男 その間 日本語学校の講師を勤め 日本語弁論大会で学校代表として 大臣にあいさつをした 男 外国人でありながらカトマンズの 市民権を偽造してしまう 男 出国する時 袖の下を使い あたり前の様に帰国してしまう 男 ちゃめっけがあり 遊び人風でいて几帳面な 男 ネパ-ル語教室では 厳しく 分かりやすく  丁寧に指導した 男 ネパ-ル雑貨を売って 将来に希望を抱き ネパ-ルを夢見た 男 幾つもの可能性を秘めた 男 そんな男が.... 青空に雲  流れて行くはネパ-ルか 7月31日になると 思い出す男がいる 青空に雲 流れて行くはネパ-ルか         以上七月一日から出来た作品 
     

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