「切り取る」
切り取った茎から新しい命の花が咲きました。 切り取らないとこの新しい命は生まれなかったのです。 切り取ることの大切さ、切り捨てる難しさ。 花の命は茎にあるのではありません。 土の下の根っ子に命の源があります。 人目につかないところに、大切なことが隠されているのです。 人も同じです。 見かけの花で判断することの愚かしさ。 人目につかないところに、その人の本質が隠されているのです。 土の下の根っ子にその本質があります。 切り取ることの大切さ、切り捨てる難しさ。 見かけの花は切り捨てることも必要です。 そのことでその人の本質が見えてきます。 その本質が間違いないものなら、必ず新しい花を咲かせるでしょう。 以前より奇麗な花を咲かせることでしょう。 切り取ることの大切さ、切り捨てる難しさ。
かぼちゃ かぼちゃが降る かぼちゃが降る かぼちゃが降〜る 朝 散歩で目が覚める あっちに一つ こっちに一つ あれあれ畑はかぼちゃだらけ かぼちゃが落ちてる かぼちゃが落ちてる かぼちゃが落ちて〜る わたしの庭にも降ってこい かぼちゃよ降〜ってこい 空を見上げれば雨が一つ 降〜ってきた かぼちゃは いつかな? かぼちゃは いつかな? わたしの庭に落ちてこい! ら〜あーらあ ら〜あーらあ ら・ら・ら・ら・ら 楽しいな楽しいな かぼちゃ乞いの踊り ら〜あーらあ ら〜あらあ ら・ら・ら・ら・ら
共演 遅い歩み と〜ぼ、と〜ぼ その姿に哀愁が漂う 後ろ姿で演技する老犬は 名優顔負け タロウ 十六歳 あと幾年月共演できるやら
灰色太陽 曇り空 天空に灰色太陽の大きな円 窓ガラスに映るは車のライトのような 無機質な光り 灰色太陽 私の目に寂しく映る 灰色太陽 宇宙の太陽は眠ることのない 真っ赤な太陽 太陽の働き地球の役割 私の存在 窓ガラスに映る灰色太陽 私の瞳 何を見つめているのか? 窓ガラスの瞳は私に問いかける 答は何処?
見舞い 鍵をかけられた病棟から出てきた彼 まだそんなに老ける歳ではないのに 車椅子のその姿には以前の面影がない じっと見つめるまなざしにも輝きが消え ただ遠くを見ているような虚ろな瞳 5分も話していると 「疲れた」とテーブルに両手、額をつける 薬づけの彼、別人を見ているようです 治療という名の監獄? 「早く出てらっしゃい、しゃ場はいいよ。 こんなとこにいるから病気になるのさ」 と心の中でつぶやくが 口には出せない 他人事? 「元気になって下さい」 と相手と自分を納得させる言葉でその場をしのぐ 所詮他人事そんな思いが自分をむなしくさせる あたりさわりのない言葉のむこうに彼は居る
われ五月(さつき) 五月の風 心地よく ボ〜ボ〜と遠く鳴り響く 生命の息吹 草木の精子の香り 精の香り われ五月 精子を出して 死を食らう 五月の風は死を食らう 生の香り あの時の香り ボ〜ボ〜と鳴り響く 生命の息吹 われ五月 我を包みて 精を生む
われ五月(さつき) 息吹を出して 人を食う
息子に頼まれ 野球のバッティングの指導をする 青春時代の経験を生かし 親の威厳を示す 「足を肩幅より少し広げ 手は右肩の高さに構え 振り降ろすように腰の回転で球を打つんだよ」 私は父にこんなに手取り教えてもらった思い出が無い ただただ 一年中働く父の後ろ姿しか知らない 病気にかかり 一年近く寝たきりになり 冬の寒い真夜中 誰からも看取られることなくトイレで倒れ それっきり 父の思い出はそこで終わる 息子にバッティングを教えながら 少し寂しさを覚える 父は私に何を教えてくれたんだろう? 働く後ろ姿と仕事が楽しそうな笑顔 今生きていたら 何を語らい 何をしているだろう 息子のバッティングを見ながら また父のことが思い出される 親戚の家によく連れていかれ 話し好きの父の話を いまかいまかと退屈して聞いていた あの時が懐かしい 「何処にいるの?お父さん」 涙があふれそうになる 息子に見られないように 天を見上げる 五月の晴天 何処までも青く あの時の思い出が鯉のぼりのように いつまでも天を泳いでいます
黄昏時の店内 セピア色の光りの中 黒く浮き上がるように 右角に集まる椅子達 丸いテーブルを囲んで 語らいが始まる いつもの時間 いつものように 何やら ひそひそと 黒い椅子がセピア色の中でキッラと光る 客の来る前の語らいのひととき 椅子達の語らいは密かに続く 客の来るまで セピア色から夕陽の紅 さらに夜の暗闇 客が来るまで語らいは続く 何やら ひそひそと
いやによそよそしい目をする 何か悪いことをした時 いつもその目をする 「なにしたの?」 聞いても返事はない きょとんとした目でこちらを見つめる 「わかってくれよ」とでも言いたそうな目 「なにしたの!」 きょとんとした目 じっとこちらを見つめる こっちが勝手に思い込んでいるだけなのか? それから先へすすまない会話 いつもの会話 お互いすれ違いの思い込み 「勝手にやってくれよ」と言われそう わが家の猫はもの静か
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