(V)6章 化石燃料枯渇後展開する太陽エネルギ−による文明

6-1 産業革命後発達した現代文明は消失する

産業革命後発達した文明の柱は科学で得られた知識と少量の労力で掘られ汲みあげられ、無尽蔵と考えていた化石燃料を使用する技術を結びつけたもので、より人力を省き,性能向上,快適,便利,速さと人類の領域拡大を追求し、果ては宇宙への進出まで手を広げてきた。

これらはすべて不可能となり、今後作る文明は太陽エネルギ−を広い平面で受け取り込む作業から生ずる。9000年前人類は太陽エネルギ−を農耕により穀物等として採ることに成功した。これが文明の始まりであったが、今度は加えて直接太陽エネルギ−を耕作の様な形で獲得し、生活を長期に豊かにする第二の文明を開くことが出来る。

太陽光のエネルギ−で水素等を作り現在の文明を続けることは可能であるが貴重な太陽光をどこに配分するかが問題になる。化石燃料は濡れ手に粟を掴むように簡単に得られたので使い放題であった。太陽光は量があっても手にするまで労力がかかるので、生活の快楽に使用することは少なくなり生存の為優先度が重要視され倫理上の検討も必要となろう。創るべき豊かさとは何かが問われるだろう。従って今まで得られた科学はそのまま存続し知の追求は何処までも行われるが、これまで作られた物質文明は自然崩壊する。

6-2 現代の軍事力が消滅する

利害の対立と争いは今後も消滅しないが、第一次,第二次大戦やボスニア,ユ−ゴ-スラビア,アフガニスタン,イラクで行われた様な大規模な軍事行動は不可能になる。銃,,火薬の発明は産業革命後規模が大きくなりヨ−ロッパは疲れ果て、相争うのを忌むようになった。

アメリカは今唯一つの超大国として思いのままやれるようでも、そう事が運ばない。一つの方法,一つの勢力で世界を占めるのはかえって不安定で、世界は常に多様性を要求し其の中から安定した形が選ばれる。

現在の軍事力の基礎になる兵器はすべて化石燃料により鉱石採取,精錬,加工の工程が行われ、使用もまた化石燃料で運用される。関連して使用される車両その他兵器関連ばかりでなく、軍事力行使の大きなシステムなどに全て化石燃料が必要でありその量の差で勝敗が決まる。化石燃料が枯渇したら現代の軍事力は消滅する。

中でも最大の消滅は核兵器である。化石燃料なくして核は製造維持出来ないし、やっと作ってもミサイルを作るのにも発射するにもまた化石燃料が要る。勿論太陽エネルギ−をもとに核, ミサイルを作り発射可能であるが、核で守るべき社会の変質が大きく、化石燃料で行うより遥かに高いコストの核など意味がなくなる。航空機,ミサイル,戦車,火砲など戦争兵器に太陽エネルギ−をつぎ込んで作ることも、核と同じく中止するであろう。日常の市民生活を維持するのに手いっぱいでそこまで手を回せない。

6-3  新しい文明が要求される

社会生活 太陽光をエネルギ−として取り出すには石油,天然ガスを地下から取り出すより手数のかかる仕事が必要である。太陽光を先ず電力に変換し、場合により液体燃料,固形燃料にするには同じエネルギ−を石油,天然ガスで得るより遥かにコストがかかる。プラスチックに至っては恐ろしく高いものになるだろう。交通機関の高速,快適にも疑問が向けられ、生活の利便さに大変な労苦を投じて得たヱネルギ−をどこまで投入するか検討し、新しい合理的な豊かさを追求する事になろう。想定はし難いが高速移動,自家用車などは激減しネット社会はより充実し交流は緊密になるであろう。冷暖房は衰えることなく、農耕機械,肥料にも惜しみなくエネルギ−が使用される。

人が生存する為より直接影響する方面に充分使われ、便利とかただ快適だけでは使われないと思う。

国家間の関係変化 太陽光は両極に近づくほど弱く、赤道に近いほど強い。砂漠地域は太陽光採取に最適である。

以上の事実は太陽光を地球上でエネルギ−化しようとすれば、従来の国際関係では困難で新しい取り組みを必要とする。

 

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