(T)4章 第二次大戦を軸として今後の展望
4-1戦前戦後の経過
明治維新により欧米文明を取り入れ亡国を防ぎ急成長し欧米に並んだ様でも内面構造は昔のままで、敗戦によりメッキがとれ戦中を通し弱点を痛感することがあった。合理性のなさ・社会的非人間性・科学技術力の弱さなどである。
以上の反省に立って海外技術を取り入れ製造技術の合理化に努め、原料を輸入し品質を向上させて製品を輸出外貨を得、資源国土の弱小を克服し経済大国に一度は上り詰めた。しかし合理性の追求が製品製造に限っていたので広く科学創造力を生む事なく、農業・金融・ビジネスの合理化につても問題を残した。人間性の追求につてもいまひとつ物足りなかった。
1990年以後壁にぶつかり暗い時をすごしている。昭和30年(1955年)代高度経済成長の設計図を書いた
4-2 解決には長時間かかる
明治維新後欧化政策を取りある程度成功するも壁につきあたり第二次世界大戦で負け、合理性・人間性の追求を行い目覚まし成果をあげた。しかしこれ又壁にぶつかり低迷中のことは前に述べた通りである。
しかし考えてみると維新後未だ133年より経過してない。短期に骨のずいから一流に成れるわけはなく、少なくとも後200〜300年は必要である。
イングランドが建国後デーン人・ノルマン人に統治されたりして弱小国の悲哀をなめながら、スペイン無敵艦隊を破り国として成り立つまで500年、ローマがエトルリアの支配を脱し共和政治を始めてからポエニ戦争に勝ち地中海の覇権を握るまで360年を要している。
戦後政治経済の体制が占領軍による合理化を受け益する所多かった。更に自ら製造業の合理化で成果をあげ資源・国土の弱小を克服して経済大国になることが出来た。しかし科学創造力については今ひとつであり農業・ビジネス・金融・政治については合理化が行われなかった。合理化の行われた分野は意外に少なかった。このままで合理化の進んだ製造業に他が寄りかかっていれば、製造業もろとも国全体が沈没しかねない。
4-3 農業
最も危機感のないのが農業で耕地面積が少なく対外競争は論外として始めから保護政策をとっている。これには農村を選挙地盤にした政権政党の責任が大きい。耕地が少ないと言いながら休耕田が多いのは矛盾している。耕地が少ないから自給率が低くて当然であるが面積当たりの収益が少なくて当然とゆうのはおかしい。作るものは国際競争力のあるものにしたい。保護によって体力がつくことは絶対ないから、専業農家を中心にして自立安定をもとめたほうがよい。自給の困難なことは初めから分っていることで、輸入を安定的にするには長期相互に信頼できる国交をつくらなくてはならない。現状の保護政策が非常事態の発生時に役に立つとは思えない。
4-4 政治
戦後わずかの時期を自民党一党支配が続き腐敗の原因となっている。最大の原因は国民に自立の傾向が少なく、有力者になびき縁故にとらわれ且つ個人の日常の利害によって議員が選ばれる。議員もまたよらば大樹で自らの利益と権力が第一の傾向が強い。
これらは国を形成するには大変まずいことで、国民の自覚にまつほかないが、出来ない様なら日本は所詮二三流の国となる外ない。
しかし幕末と明治初期の日本や敗戦前後の日本の行動を見る時この国にはかならず以上の欠点を克服する時が来ると思う。
4-5 世界にたいする我が国の貢献
我が国の基本方針は戦後定められた憲法によっているが、ひとつ問題がある。当時敗戦後立直ることが先決で、これだけの経済力を持つとは予想もしなかった。そこでこの憲法には世界に対する貢献と責務についての考えが欠け落ちている。経済的貢献は充分であると思うが、ほかの分野でも世界に責務を果たす考えがぬけている。憲法を一部改正して一人前の責任を果たすことが必要である。
4-6 成長の限界
以上4-2, 4-3, 4-4, 4-5はいずれも現在直面している問題であるけれども、更に無視できない長期的圧力が存在する。人類が成長の限界にさしかかりつつあることからくる問題であり人口・エネルギー・環境問題であり互いに関係しあっており各国の利害も絡んでくる。
人口 食糧と水供給に限界があり人口を決めて行く要素になる。人類が選ぶ豊かさの水準とも逆比例するし、環境とも逆比例する。つまり両立しない。更に諸国のエゴイズムが平和な着地を妨げるであろう。最悪の場合対立抗争が続き文明の衰退の筋書きもありうる。過去地上で起こった事例がイースター島で確かめられており(島の人口が増えすぎ殺戮抗争の末あの巨石文化は忘られてしまった)、外にインダス古代文明・マヤ文明・アンコールワットなど似た状況があったかもしれない。
以上人類中心に考えているが人類は地上の生命の一部にすぎず自己拡大の結果他生命を滅ぼし結果として環境劣化を招き自らも滅ぶ事があり得る事を考えておかなくてはならない。
エネルギー源の枯渇 近代文明のきそになっている化石エネルギーは間もなく枯渇する。豊かさを実現したエネルギーの枯渇は恐るべき問題である。数字はかなり変動するが現在の使用状況で石油40〜50年,天然ガス・原子力原料のウランがそれぞれ70年,石炭で200〜300年といわれている。使用ウランを再処理して高速増殖炉に使用すれば60〜70倍使用できると言われているから4000〜5000年は使えるであろう。しかし冷却にナトリウム液を使用するなど技術的に困難であり各国手を引き、最も進んでいたフランスが原型炉で成功し実証炉までいったが中止を決め、日本では原型炉もんじゅのナトリウム事故で中断している。核融合炉が成功すれば半永久的に使えるけれども技術的には更に難しい。
原子力につては必ず高放射性廃棄物を生じ4000〜5000年運転すれば青森県六ヶ所村に建設する地下数百mの処理場を日本だけで数百ヶ所作らねばならないが、それができるだろうか。
更に放射能の危険を冒して300万年の人類の歴史をたった4000〜5000年の豊かさと引き換えにしてよいのだろうか。
この問題は豊かさの価値を問うものである。物質的豊かさだけが価値なのかとゆう事である。
パックスアメリカーナの終焉 成長の限界の到来を早めているのは米国流の消費と豊かさを追求することであり、それが世界を支配しているからである。
過去数十年一部に問題があったものの世界平和に寄与した事は確かであり今後もしばらく続くと思われる。過去の大戦での我が国の言い分も認められるべきであるが、戦後の日米関係から大きな利益を得た。現在世界中あらゆる所でアメリカ流の正義とグローバル基準をふりまき世界平和に寄与する反面多くの反論を生じている。
アメリカは200年前自由と正義の国として建国、先住民を追い払いながら拡大してきた。この段階ではまさしく正義として通用し世界的に評価できる。(先住民にとっては評価できないが) 次いでアメリカ大陸のモンロー主義をとり正義とアメリカの利益を追求し成功して来た国が、今後他国の立場を考慮に入れ共存共栄をする方向に変化するはずがない。成功してきた者はそのスタイルを変える事が出来ない。最近の,バルカン半島,アフガニスタン,アフリカこれらの地域でのアメリカの関与は必ずしも公平でなく自国の利益を中心に展開して、それをグローバルな正義とみなしている。
このスタイルは長期的に世界の賛同を得られず、次第に衰退に向かう恐れがある。アメリカが世界にたいする寄与は大きく覇権を握る時は未だ暫く続くであろうけれども、その目的を達し効果の限界が過ぎると共に世界の状況は変化し、もっと異なったものを求め始めるのは当然である。先住民を滅ぼした面や人種差別の激しかったことなど負の面が次第に思い出されてくるであろう。
成功した支配者は自らのスタイルを変えることは出来ない。つまり時代の変化について行けなくなり衰退の方向に向かうのが歴史の法則である。之は又将来の我が国にとってもあてはまることである。
4-7 限界での成長と衰退
豊かさとは何か 豊かさの最低限は飢えぬこと・雨露を防ぐ住居・日常生活に差し支えない事であり、それ以上はより良い方が好ましいけれども他の要素との関係で決まってくる。豊かさで最も忘れられている重要なことは社会人類に対する正しい考え方の追求である。美味でより充分な食事・快適な生活空間・便利な日常生活は目先の充実であり幸福であるけれども物質的豊かさのみが今後も続くであろう数十億年の生命本来の安全を保障するものではない。この保証を追求するのが真の豊かさである。
平和にたいする貢献 パックスアメリカーナは終焉すると考えられるが今次大戦で加害者でもあり被害者でもありすべてを一度は失った痛恨な敗戦と復興を経験した日本は平和を世界に実現すべく尽力する責務がある。他国の利益が日本にとっても利益になることの多いのでやり易い立場にある。
成長の限界問題の処理 産業革命に始まり石炭・電気・石油・原子力とエネルギーをより多く使いながら技術を作り上げ新しい世界を開き豊かになるパターンは終焉を迎えている。
敗戦後1960年より1990年の日本は高度成長をとげた。しかしこれで達成したのは自分の窮乏を脱したのであり、人類に対する責務を何一つ達成してない。エネルギーの枯渇・人口過多・食糧不足・水資源不足と直面してこのフロンテイアを切り開くための研究開発・社会制度の改善等人類を救う努力が後進国への援助と併せて巡りめぐって我が国の利益となる。
又他に宇宙・物質・生命の知識を追求し哲学を作り上げる事が必要で、これらの事業に成功する事が先大戦に敗れた日本の果たすべき使命であり自国の将来を保証する事でもある。
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5章我国民を律する倫理の発見へ
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