これまで、パーカー社は、数字による命名が多かった。ところが「パーカー
VP」では、新たな機能を持たせ、その機能の頭文字を商品名とした。「VP」は、Very
Personal
の略で、ペン先の筆記角度が自由に調節できるようになっており、個々の書き癖に合わせられるになった。この機能は大層重宝された。また、クリーン・フィラーと呼ばれるインク吸引方式の導入である。インクフィラーの工夫改良がなされたのである。このクリーン・フィラーは、コンバータとカートリッジの中間のような機構を持たせたのである。フィラーを外してインクを吸引し、カートリッジのようにペンに取りつけるという方式である。ペン先やペン芯、ひいては手を汚さずに済むという便利なきのうである。しかしながら、このフィラーの先端部分は細くなっており、折れやすくて壊れることが多く、改良された「パーカー
75」に引き継がれ、結局2年で生産が打ち切られた。生産期間が短かいために種類も少ない。作られた色は、黒、青、赤、灰の4色のペン軸で、キャップも金張り及びラスタロイ製の2種類だけであった。