数多くの万年筆が製造販売されてきた中で、全てを収集するのは中々困難な事である。今回追加で紹介するのは、「Parker 21」のフライターである。「Parker 21」を最初に紹介したのは昨年の1月で、その時、フライター、金ばりのカスタム、クリップのみ金張りのデラックスの存在を説明したが、手元には実物が無く紹介ができなかったのである。今回、稀少性の高いフライターを大阪の加藤さんから譲り受けることができた。 キャップ、バレル(胴軸)ともステンレスで作られており、規格はプラスチックで作られた「21 Super」と全く同じである。ただし、tassies(天冠)が円錐形のものから、「Parker 45」に付けられている(中央の凹んだ皿)形の物となっている。また、バレル・エンドもプラスチック製の物とは異なった形となっている。 NIb(ペン先)は、オクタニウム合金が使われており、「パーカー 51」の廉価版として製造販売されたものである。この商品の販売ターゲットが学生であったと、Nibに使われた材料からも判断することができる。 書き味は、Hooded Nib(覆われたペン先)であり、Nibがフードから僅かしか出ていないために弾力のある動きを持たせることができない。従って漢字などを書くときの、止め、跳ね、はらいなどには不向きであると言える。英文字の筆記体などには都合のよい万年筆であると言えよう。