Parker 21

            前期(1948年〜1957年)

      後期(1957年〜1965年)
       (Parker 21スーパー)
 
 

 

 
 

 

 
       
  「パーカー 21」   「谷・山・矢羽根クリップ」   「キャップリング」  
 
 パーカー51の好調な売れ行きに、普及版のスクールペンとして開発されたのが、パーカー21である。廉価で、丈夫でもあり、販売は大成功を収めた。デザインは、パーカー51を踏襲しているが、初期のもののクリップの形状は、パーカー51の矢羽根とは異なったもので、ステンレスの山状のクリップであった。
 1948年から1951年までの初期型 ペン先(nib  ニブ)の形状はパーカー51が管状であったが、通常の形で、幅のやや細いニブであった。
 
 
  「デッドストックのシール」   「パーカー51に似たNib」   「初期・後期のNib」  
 
 1951年以降のモデルは、パーカー41(1950年から2年ほどの間、パーカー21と51の中間機種として発売されていた。)の 良いところを受け継ぎ改良され、1956年にはパーカー21 Super と命名された。この頃からクリップも矢羽根のデザインとなった。
 一般的なモデルは、ニブはオクタニウム合金製、キャップはラスタロイ製のものであるが、金張りのカスタムやクリップのみ金張りのデラックス、ステンレス製のフライターもある。インクフィラーは、エアロマチック式である。
 
 
  「上 スーパー」
「下 初期type」
  「エアロマッチクの説明」   「上 スーパー」
「下 初期type」
 
追  加  「Parker 21 Flighter」
「後期のNib」 「上 21Super 」
「下 21Flighter」
「21のインプリント」


 数多くの万年筆が製造販売されてきた中で、全てを収集するのは中々困難な事である。今回追加で紹介するのは、「Parker 21」のフライターである。「Parker 21」を最初に紹介したのは昨年の1月で、その時、フライター、金ばりのカスタム、クリップのみ金張りのデラックスの存在を説明したが、手元には実物が無く紹介ができなかったのである。今回、稀少性の高いフライターを大阪の加藤さんから譲り受けることができた。
 キャップ、バレル(胴軸)ともステンレスで作られており、規格はプラスチックで作られた「21 Super」と全く同じである。ただし、
tassies(天冠)が円錐形のものから、「Parker 45」に付けられている(中央の凹んだ皿)形の物となっている。また、バレル・エンドもプラスチック製の物とは異なった形となっている。
 NIb(ペン先)は、オクタニウム合金が使われており、「パーカー 51」の廉価版として製造販売されたものである。この商品の販売ターゲットが学生であったと、Nibに使われた材料からも判断することができる。
 書き味は、Hooded Nib(覆われたペン先)であり、Nibがフードから僅かしか出ていないために弾力のある動きを持たせることができない。従って漢字などを書くときの、止め、跳ね、はらいなどには不向きであると言える。英文字の筆記体などには都合のよい万年筆であると言えよう。
 

「左21Super」「右21 Flighter」の天冠

「左21Flighter」「右21 Super」のバレルエンド