Bicentennial Fountain Pen

−−アメリカ独立200周年記念−−  

1976年限定販売10,000本

 

 
       
  「紙の外箱」   「布袋に包まれたGift-box」   「ローズウッドで施錠もできる」  
「ピュータ万年筆」 「説明の小冊子」 「小冊子の中」


 この限定版の万年筆は、アメリカ独立の宣言がされて
200年目を迎えた記念として製作されたものである。これまでの「Parker 75」とはやや形態、材質にも違いがあり、記念すべき意味合いが、そのところにもあると認められる。
 その一つに、ピューター・ペンはスズ(錫)を本体に用いたのである。これは植民地時代や開拓時代に一般の家庭で使用されていた食器がスズであったのである。
 
ピューターペンの本体(キャップとバレル)がスズ であることで、スズ自体が結構柔らかい金属であることから、わずか30年しか経過していないが、綺麗な万年筆を入手することは困難となっている。アメリカで 通信販売やオークションでも1400ドル前後の値段が付けられているが、美品は大変少ない。
 

  「セット全体」   「セット内容物」   「小冊子とペン」  


 この限定品には二つのセット販売がされた。1つは今回紹介する「Box set」であり、もう一つは「Desk set」 である。
 「Box set」に用意されているものは、本体の万年筆、フェルト製のペン嚢、小冊子、カートリッジインク、エアロインクフィラー、Nib回し、金属銘板、キーである。
 付属の小冊子には
、限定品のペンと独立宣言の事についてが説明されている。それに、独立宣言記念館を解体した材木を使って作られた木製チップがキャップトップの天冠(tassie)に埋め込まれていることをパーカーが証明している。表紙 の写真を含めて12ページに渡って記載されている。興味をそそったのは、販売店の記事に「あなたは万年筆か、ソフトペン、またはボールペンの 中から選らんで購入できます。」とあり、どれを選んでも値段は同じで100ドルであったようである。
 

  「Box-setの広告」   「バレルの彫刻」   「限定数の彫刻」  
「限定数の彫刻」 「歴史を感じさせる」 「独特のTassie」
 
 
「ピューター・ペン」は「Parker 75」の系統であるが、クリップの形状は全く異なっており、初期の Duofold に用いられたクリップエンドはボールが付いた変形なものである。また、天冠(tassie)の形状とtassieに埋め込まれている物に、最大の特徴、価値がある万年筆なのである。
 ピューター・ペンのバレルには、「Wood in this limited edition pen is a relic of Independence Hall Phladelphia - 1776」とあり、この下に限定番号が刻まれてある。ちなみに小生が入手できたのは、「7,727/10,000」の万年筆である。
 
「ライラックの天冠」 「バレルエンド」 「Nib」

 バレルに彫り込まれた文章は「この限定ペンの木は、1776年にフィラデルフィアの独立宣言記念ホールの遺物のライラックである」とあり、この天冠 (tassie)に最も歴史的な価値があるのである。バレルエンドの方には何も埋め込まれていない。
 セクション(首軸)およびペン芯等は殆ど通常に販売されていた物と同じであるが、NIbにはPARKER とあり、細く薄く「14K  PO」「USA」とあって他のNibと少し異なっている。
 その他は全て「Parker 75」との共用であり、インクフィラーも同じ物が添付されている。
 
       
  「デスクセットの広告」   「デスクセット」   「価格表」  

 もう1つのセットは卓上セットで、ピューター・ボックスにペン立てが取り付けられたものである。スズ製の箱の中のパッケージは
2本のピューター ・ペンが入っている。ペン立てにソフトペンとボールペンのセットで350ドルであった。
 当時の価格表を見るとBox setでは、万年筆、ソフトペン、ボールペンの全てが選択でき、どれも1本100ドルであった。