Godron  (1968 - ? )

 
       
 

 「Parker 75」の

    
Place Vendomeの仲間

(銀・金メッキ、
Sterling silver, Solid 18K goldの製品などがある。 )
 
       
       
  「FP、BPのセット」   Silverplate over brass   「Vカット」  


 今回紹介する「Parker 75」は、フランスで製造された「Godron」という名づけられて万年筆である。この「Godron」 の意味は、楽器の銀製のフルートなどの装飾のために溝彫りのことである。英語では「Gadroon」と言う語があてはめられている。
 この万年筆のパターンは、
23本の平行な溝が彫られている。その溝の堀方にに工夫(Vカット溝)がなされているために、黒のエナメルで溝を塗装しなくても黒く見えるようになっている。上の右端の写真を見れば理解できよう。
 

  「30µのメッキ」   「セクションは共通」   皿上のtassies」  


 「Godron」には様々な材質を使った製品が用意された。真鍮に20
µ30µメッキした一般用から、高価なSterling silver製や、18KのSolid Gold製などが用意された。これらの万年筆の中でもtassies(天冠)がフラットなタイプに人気があり、今日でも海外ではコレクターの注目の的になっているそうである。
 「Parker 75」のコレクターとして有名な
Lih-Tah氏によると、天冠にラピスラズリが取り付けられた物があるそうで、また、イタリアでは特別なギフトボックスに納められて販売されていたことが述べられている。
 実際にインクを入れて使ってみたところ、Place Vendomeの仲間 であるという感覚で手にはしっとりと馴染んでくれる丁度いい重さである。書き味は、特段に変わったことはなく、多くの「Parker 75」と同じである。デザイン的にフランス仕込みの華やかさが漂う感じである。
 

  「平らなtassies」   ラピスラズリのtassies」
(Phot by Lih-Tah)
  「2001イタリアで販売」
(Phot by Lih-Tah)
 

追 加 Gold メッキのGodron (09’10 26)
 

「Goldメッキの前期セット」 「同 後期セット」 「V字カットのライン」


 今回紹介するのは、「Godron」の金メッキ万年筆である。手元にある2本は、初期仕様と後期仕様である。この初期仕様では20
µ(ミクロン)と30µの厚みの金メッキのものが用意された。この「Godron」先にも紹介したが
本体のデザインは平行に掘られたライン模様である。このラインは本体の周りを23本で掘ってある。この堀方はV字形である。写真でも分かるように、このラインの谷の部分は光線の加減で黒く見える。そのため、谷に塗装をしなくても黒いライン塗装がされているように見える。
 

「20µの金メッキ」 「23ラインのデザイン」 「上 Godron」「下 Milleraies」

 
 この「Godron」は、ラインが強調されていて、男性的な力強いイメージである。「Parker 75」の後期(1984)に製造された「Parker 75 Milleraies」は、ラインも細く仕上げられている。そのために、華奢で女性的な感じに仕上がっている。
 「Godron」の初期仕様では、Tassie が平らなものが取り付けられている。後期仕様では皿状のTassie が取り付けられている。Nib(ペン先)は下の写真のように、初期仕様のものは、Made in USAである。後期のものにはフランスの工場で作られたNib が取り付けられている。
 「Godron」の当時の販売価格は、ゴールドプレートで、75ドル、ソリッド・ゴールの万年筆は、1,000ドルほどで合った。スターリング シルバーの万年筆が125ドルであったことからすると、結構値打ちな商品であったといえる。
 

「Left 後期type , Right 前期type」 「Left 前期type , Right 後期type」 「Left 前期type , Right 後期type」