Spanish Treasure Crosshatch Grid

 
     
 

 
     
 
  デザインは、垂直と水平に彫られた線でできている。それはすべて等しい四角いパターンとなっている。四角い格子を引き立たせるため、彫られた溝を黒く塗ってある。
 
 
     
 

 

Parkerで初めての限定品

1965年11月発売

4,821 本の万年筆と数不明なボールペン

 
     
       
「Gift BoxとFP」 「Boxの内側」 「セットの内容」

 今回紹介する万年筆は、Parker社が世界で始めて万年筆の限定品を販売したものである。この取組は初めての試みであるため、シリアルナンバーもまだ導入されてない。また、万年筆は限定生産数が「4821
」本と分かっている。しかし、同時に販売されたボールペンの方は、何本作られたのか定かではない。
 FP、BPのデザインは「Parker 75」の
Crosshatch grid(1964 - 1993)」の1960年代初期に製造された型と似ている。本体に使用された銀が、1715年に沈没したスペイン船から引き上げられた銀貨であったことから「Parker 75 Spanish Treasure」と呼ばれている。他の「Parker 75」より幅の広いキャップバンドには「STERLING  SILVER - SPANISH  TREASURE  FLEET-1715」と彫り込まれている。
 
       
「セットの説明書」 「FPのインプリント」 「上 Spanish」
「下 初期仕様」

 1715と言う数字については、1715
729日に金貨などの財宝を積んだスペインのフリーゲート艦隊が、フロリダ沖でハリケーンに遭遇した。11隻すべてが座礁したり、沈没したりしてしまった。この年代のスペインの銀を使用してことが明記されているのである。
 セットの中には、上の写真に示したとおりである。他のSterling Silverと異なる点はTassies(天冠)である。下の右端に示したように、キャップトップには
「Mint mark()」バレルエンドには「King Philip V insignia(キングフィリップの印)」のtassie(多分14Kで作られている)が取り付けられている。

「FPのインプリント」 「初期仕様と同じNib」 Left「Mint mark tassie」       
Right「King Philip V insignia」

 1956年から4年の歳月をかけて、沈没船の宝物の引き上げを計画し、1960年
1月にはテスト潜水を開始した。1961年に引き上げられて宝物は、残念なことに銀貨としての価値少なく、銀として活用できるだけのものであった。この引き上げに多額の投資していたParker社は、限定品の万年筆を売り出すことで破産を免れたとも言われている。
 通常の
「Parker 75」が25$であったが、限定品としてプレミアを付け3倍の75$で販売したのである。下の中央の写真のように、木製のギフトボックスに引き上げられた銀貨を付けたり、銀貨のレプリカを付けたりの付加価値を付けて販売されたようである。

Parker 75 Spanish Treasur 「ボールペン」 「BPのインプリント」


 Parker 75 Spanish Treasure」の仕様は、ほとんど一般販売の銀製の物と同じである。重量が1グラムほど重い程度のちがいである。サイズなどは全くおなじである。まだ、BPを入手していないので、こちらについては全く不明であり、 Lih-TahWong さんの「 Parker 75」のページ を参考にしてほしい。
 

「引き上げられた銀貨」 「当時の広告」 「銀貨のレプリカ」