Imperial ( 1973-1978) 

真鍮」の上に22金の電気メッキをした高級製品
 
 

 

 
       
「格納ケースのPerker75」 「Gold Type」 「Gift BoxのImperial」

 販売期間の長かった「パーカー75」には、新開発の材質の導入や、ボディーデザインの開発により多くの種類が製品化された。小生のGift Boxのない「Parker 75」は上の右の写真にあるようにに、22種類の60本程を保管している。今回紹介する「Parker 75 Imperial」は、その中でも平行なラインだけの比較的地味なパターンの万年筆である。
 
Imperial」のキャップには「made in U.S.A」とインプリントされているが、このバレルパターンと同じパターンの製品はフランス工場でも作られており、「Parker 75 Milleraies」という名前で(1984年〜1992年まで)販売されていた。このことから「Imperial」がアメリカ工場での製造品の中でも最後の方のものであったようである。
 
       
「Vermeil Type」 「Gold Type」 「5本の平行ライン」
 
 1970年代には、フランスのメルー工場での生産が順調になるにつれて、「Paeker 75」の製造の殆どを引き受けることとなった。これまでの製造ノウハウに、洗練されたフランスの芸術センスが加わった商品が開発されたのである。
 先きに述べた
「Parker 75 Milleraies」は、未だ手元には無くLih-Tah Wong氏のHP
掲載されているのを参考にさせていただいたが、平行なラインは間隔の空いた5線でなく、全体に入っている。このことから受けるイメージは、U.S.Aのプロトタイプに比べると、貴賓のある華やかさが醸し出されてくる感じがする。実際、手に取って筆記した感覚を試してみることが、万年筆選びでは一番大切である。しかし、バレル、キャップ、クリップの形状や色やデザイン、触覚の感じから受けるものも無視できない条件であると思う。また、万年筆を選択者する人の年齢も関係してくるであろう。こうしたことから、今回紹介している「75 Imperial」は、オーソドックスなデザインの導入し、一般的な高級品志向の層をターゲットとした万年筆であると言えよう。(超高級品としては、
14K  GOLD  CAP & BARRELの「Presidential」や、Parker-75 TIFFANY」など高級ブランドメーカーとのコラボ商品が用意されていた。)
 
 
             
「キャップのインプリント」 「ラインデザイン」 「Parker 75 Milleraies
(Phot by Lih-Tah Wong)
 
 
「75 Imperial」のラインデザインは、「Parker 51」などのGold Fillの製品にも使われてきたものであり、珍しいものではない。古くからあるものを大切にする欧米では、結構、人気のあるデザインであった。1970年代後半の「75 Imperial」の販売価格は、FP(万年筆)$40、BP(ボールペン)$20であった。日本円では、FPが1万5千円で、BPが7千5百円と言ったところで、当時としては高額商品であったと言える。
 
 
             
「細身のエアロインクフィラー」 「洗練されたバレルデザイン」 「高貴さを醸し出す」