Sonnet Gift Collection

 

  販売時期は1990年代

販売数は不明

  (販売価格20,000円税なし)

 
     
       
  「Gift Box」   「ペンマンインクがセット」   「ボックスの説明」  

 「SONNET」が製品化されて世に出たのが、1994年である。この万年筆の前身は、大好評で30年間の販売実績をあげた「PARKER 75」であった。その30年間に、Parker社は万年筆のいろいろなバレル素材の開発をした。また、万年筆のデザイン改良も実施された。
 このギフトセットが販売されたのが何時であったのか、特定できないのが残念で仕方がない。箱の内側の説明にあるパーカーの商標が古いものである。ことから「SONNET」の 初期に販売された商品であるように思える。セットに収まっている万年筆は「Sonnet Laque Moonbeam」である。この万年筆が販売されたのは、1993-97 であった。したがって、このギフトセットの販売はこの間であったことは間違いないであろう。
  Parker社は、このギフトセットの装丁に似た「Duofold」 のGift Setを1998年に販売している。このことから、
 
  「'06-3の出品物」   「Sonnet Moonbeam」   「18金のペン先」  

 
「PARKER 75」の販売が1964年始まった頃は、それらの多くはアメリカ工場で作られていた。しかし、ヨーロッパ市場をターゲットに1980年代以降はフランス工場で生産されるようになった。芸術の都パリを要するだけに、「PARKER 75」は様々なデザインのものが生産された。これらのノウハウが全て、新たな後継の万年筆である「SONNET」に注ぎ込まれ た。初めて「Sonnet」が販売された時点で、9種類もあった。Parker社が、この万年筆にいかに力を注ぎ込んだかが理解できる。それだけに「Sonnet」は素晴らしい万年筆で登場したのである。
ラッカー塗装、彫銀などの技術や、デザインは現代感覚を身にまとって誕生したのである。
 
      75前期のペン芯
「腹面」75後期のペン芯
        Sonnetのペン芯
      75前期のペン芯
「表面」75後期のペン芯
        Sonnetのペン芯
  「箱に書かれてるペン先」  
 
 「PARKER 75」から「SONNET」へバトンが移った。しかし、Parker PenのDNAは新しい「Sonnet」にたくさん受け継がれている。材質、矢羽根のクリップデザイン等 である。その中でも特に強い遺伝子は、「ペン芯」であると思う。(上の写真を参照してください。)「PARKER 75」の初期から後期に掛けて、30年という長い年月を経過している。この間に、ペン芯は大きく進化している。そして、それは「SONNET」というペンに 注ぎ込まれている。本体の姿は全く変わっているが、万年筆の心臓とも言うべき「ペン芯」はほとんど変わっていない。着実に遺伝子に組み込まれた ように、心臓部は受け継がれている。誰でも上の写真を見ればよく似たものが導入されていることが分かるでしょう。Parker社においては、創設者の精神が、こんなところにも脈々と息続いている ことを実感させられた。