Premier  series   (1983 - 1991)
 
              
(「パーカー 75 」の最高級モデル として、メルー工場で生産された)
                 
 
 

 

「スターリング・シルバー」  

       Parker Premier

 
           (当時は、6種類 を販売)     

「ゴールド・ストライプ・アテネス」


 
「Parker Premier」は、万年筆のサイズや、天冠(tassies)の形状が「Parker 75」と異なっている。そのために「Parker 75」の純粋な系統からは 、はずれていると思われる。しかし、部品や部材などは共通したものが使われている。このことから、この万年筆は「グレードアップ製品」であると考えられる。
 異なる点は、バレルとキャップの形状である。類似点は2つある。セクション(首軸)やペン先(Nib)、ペン芯が「Parker 75」と共通である こと。バレル表面のデザインが似ていること。
 
       
  「右の9本がPremier」   「豪華なキャップリング」   「キャップとセクション」  
 

 このシリーズは、7種類が製造された。上の写真で紹介する。
   右から2本が、「スターリング・シルバー」
   右から3本目、
「シルバー・グレンドルジュ」
   右から4本目、
「ゴールド・グレンドルジュ   FP」
   右から5本目、
「ゴールド・グレンドルジュ   BP」
   右から6本目、「ゴールド・ストライプ・アテネス」
   右から7本目、
「うるし・ビゾンフォンセ」
   
右から8本目、「トラディショナル(ブラック)FP」
   
右から9本目、「トラディショナル(ブラック)BP」
 この「Premier」の小売価格は税込みで「トラディショナル(ブラック)」が25,000円 である。最も高価であったのが「うるし・ビゾンフォンセ」で、80,000円で、大変高価な値段であった。「Parker 75」の同じような仕上げのものと比較しても、かなり高い販売価格の設定であったと言える。
 
「ポスター1」 「ポスター2」 「ゴールド・ストライプ」

 このシリーズは
1983年9月に、モンテカルロで行われた商品説明会でヨーロッパの市場に紹介されたそうである。 パーカーのメルー工場で作られたもので、「Parker 75」の高級バージョンであるということであった。 10年近く製造されたようであるが、高価であったために市場に出回った数はさほど多くなかったようである。
 「Premier」は、上位の高価なモデルとして、豪華な設計であった。上の右の写真でおわかりのように、「Parker 75」より直径で1o太く、長さで10o長く造られ、重さでは10グラムほど重くなっている。
 
       
  「平らな天冠(tassies)」   「オニキスのtassies」   「年代ごとのセクション」  

 
「Premier」の天冠(tassies)は上の写真にあるように、オニキスから作られた黒い平坦な宝石が導入されており、エンドバレルにも飾られている。この天冠(tassies)や、キャップリングに装飾がされていて、光できらめくfacetedリングと言われる上品でありながら、 煌びやかで、豪華さをアピールしている。
 
  「black epoxy 仕上げ」   「SP Grain d'Orge」   「22K GP Grain d'Orge」  


 キャップとバレルを豪華にアップグレードして、より高級な万年筆として誕生させたのである。しかし、「
Premier」のペン先(Nib)は、
「Parker 75」と全く同じくものを使用した。セクションに金を使ったアクセントによって、引き締まった感じで仕上げられた。ペン芯も「Parker 75」のものを使用していたので、「Premier」と「Parker 75」のセクションが交換は可能なのである。
 小生が所有しているのは、写真にある5種類である。この他に、「
Chinese lacquer」、「Solid 18K gold Presidential」 、「Solid 9K Gold」、「Stripe Lacque and 22K GP」などがある。これらの製造ノウハウは、後継機種の「Sonnet」に引き継がれており、初期の「Sonnet」によく似たものが製品化されている。中でも、フランス工場では、ラッカー仕上げの技術は素晴らしい進歩があ った。下の参考写真にあるようにラッカーの「Stripe」仕上げは、30年近く経った今でも美しく輝き素晴らしいものであり、コレクターの注目している1品である。
 

「Sterling Silver」 「Sonnet Stripe」 「Premier Strioe」


 インクを入れて使用してみた感想は「素晴らしい」の一言に尽きる。
「Premier」と「Parker 75」のSterling Silverで比較してみた。Premier」はしっくりと手に馴染む感じで、適度な重さであった。「Parker 75」からは、何か物足りなさを感じた。これは万年筆の重量バランスの違いからかも知れない。筆記の滑らかさなどは両者の違いはほとんど感じられなかった。
 

「Grain d'Orge FP・BP」 「black epoxy FP BP」 「Gift Boxの外箱」


 実際にどの程度高価な万年筆であった。1988年 当時のアメリカでの販売価格をみてみると以下の通りであった。大層な高額であり、高級品であった推測することができる。

種  類          品       名   FP(万年筆)   BP(ボールペン)
「Premier」     18K Presidential          2,750            2,000
      Chinese Laque            215              145
      Sterling Silver            215              145
      22K Gold Plate            250              175
「Parker75」     Sterling Silver            125                85
      Black  Laque              85                50
23k Gold Plated Laque Athenes 「FP,BP,SPのセット」 「豪華なセット」