Parker Arrow 1982〜1988まで販売 (最初の2年間はParker Arrowと言う名称であったが、その後「Parker 95」として販売が続けられた。)
Parker Penは1982 年に、新しい矢型のクリップの万年筆を製作した。それが、今回紹介する「Parker Arrow」である。上の写真にあるように、これまでのクリップを単純化した 新しいスタイルの万年筆である。矢羽根クリップを新たにしたことから、その名も「Parker Arrow」となった。Parker社は、学生を対象として企画したので、安価なものとした。しかし、12Kメッキ仕様もあり、売値は、10ドル〜100ドルの範囲 であった。12Kメッキのものは、贈り物市場をターゲット に制作された。実際にインクを入れて使用してみると、意外に書きやすい万年筆であると感じた。この万年筆は、初心者用には十分すぎるすばらしいペンである。 Nib(ペン先)は、新らたに開発された管状のものである。これはこの後に製造された「Parker 95」や「リアルト」に導入されている。
「Parker Arrow」は、学生を販売ターゲットにおいた。そのために、本体は管状の単純化されたデザインである。また、装飾は最小限に抑えられている。tassies(天冠)のデザインにおいてもParker Penの販売戦略が見て取れる。 現在、手元には3種類の「Parker Arrow」がある。クリップ、キャップ、バレルの全てが真鍮で12K(Gold Filled)メッキ仕上げのものと、クリップとtassies(天冠)だけ12Kメッキ仕上げのものと、全部ステンレス仕上 げのものがある。1982年にブラックMatte仕上げも販売されたようである。1983年には。Stainless Steel のクロムプレートモデルが作られたようである。
1984年には「Parker 95」という名称となり販売が継続された。全てのモデルは、ステンレス以外は、真鍮が主体でGoldメッキ仕上げであった。 「Parker Arrow」と比較をすると、細かい違いが見つかる。その違いは、以下の5つである。 @ クリップでは、羽根状の彫り込みが「Parker 95」に付いている。 A tassies(天冠)では、下の写真にあるように「Parker 95」の方が豪華である。 B Nibでは、「Parker 95」は14K仕上げとなっている。 C Nibの裏面を見ると、「Parker 95」ではNib幅が刻み込まれているので、「Parker Arrow」と区別がつ く。 D セックション(首軸)にもNibの周りに磨き込まれたリングのある方が「Parker 95」である。