The  Parker Duofold  Striped

     (1940〜1945 販売)

 

 
     
       
  「旧のクリップ」   「縦のストライプ」   「胴軸の刻印」  

 縦に黒いストライプの入った
Duofoldである。1936年当初は、インクフィラーが尻ノックのボタンフィラーであったが、間もなくアルミニウムプランジャーのVacumatic充填システムに取り替えられた。(1940年にプラスチックのプランジャーに取り替えられたのである。)
 この縦ストライプ以降は「Vacumatic」という呼び名で呼ばれ、「Duofold」の名はしばしの間、名を隠すのである。
 
       
 

「尻ノックフィラー」

  「アルミボタン」   「14金のオープンニブ」  

 1940年のこの素敵なDuofoldペンの機能は「Vacumatic」のものと同様であるが、スタイルは縦縞であり視覚的にも、スマートである。(万年筆(FP)は131o、シャープ(SP)は130o)実際に
「Vacumatic」より、長さで5o短く、胴軸の直径で1o細い。
 


 当時の万年筆は黒一色から、セルロイドのマーブル系が多くなっていた。そんな中に縦縞の斬新なデザインは目を引くものであったと言われている。
 この頃の保証書は上の写真のようなものが付けられていたようである。この後、全盛を迎えた「Vacumatic」は、キャップのクリップに青いダイヤモンドが取り付けられ、寿命保証を示すパーカー ペンのシンボルマークであったそうである。
 

「FPとSPのセット」
< 追 加 >  (09'  03-10)
「右から4本目」 「長さは135o」 「上 初期タイプ」
「下 後期タイプ」

 今回紹介する万年筆は、「Parker Duofold Striped」の後期タイプである。1930〜1940年代にParker社が販売していた万年筆のインクフィラーはVacumatic 方式であった。先に紹介した「Duofold Striped」は、Aluminum  Plunger のシャープペンとセットであった。その万年筆セットはParker社のインクフィラーの機構の歴史から判断すると、「Duofold Striped」の初期タイプといえる。今回、紹介するのは、インクフィラーにPlastic  Plungerが導入されたものであるから、後期タイプの「Duofold Striped」である。
 
「上 plastic plunger」
「下 aluminum plunger」
「1942年のVakumaticと同じNib」 「バレルのインプリント」

 前期の「Duofold Striped」と後期のものとの違いは、インクフィラーの改良による変化だけではない。キャップクリップが「短剣」から「矢羽根」へ、Nibのデザインも矢羽根に変わっている。又、初期タイプの縦ストライプは透明な部分はなく、バレルのインク残量は見られなかった。後期タイプでは縦ストライプに透明な部分がある。そのためにインク残量が確認できるようになっている。「Vacumatic Pen」が全盛の時代であったことから「Vacumatic」で開発された技術や材質が導入された万年筆である。「Duofold」の名が付いているが、実質は「Vacumatic Pen」なのである。ただ1つだけ言えることは、後期タイプの「Duofold Striped」は、キャップを閉じた状態で全長が135oと大きく、このサイズは[「Vacumatic」の Extra Long Majorの139oには及ばないが、結構大きい万年筆であると言える。
 
「矢羽根のBlue ダイヤ」 「上 初期タイプ」
「下 後期タイプ」
「縦柄の透明バレル」


 「Duofold Striped」の使用感は、日本語などの筆記にはオープンニブの腰のしなやかさは言うことがない。バレルの太さも手頃であり、私の手の大きさにも合うサイズである。個人的な感覚であるが、私は横縞模様の「Vacumatic Pen」より、縦縞の方に魅力を感じており、「Duofold Striped」の方を多用する傾向がある。