Duofold Gray  &  Black  Marble

 
 

Gray  &  Black  Marble

 

 1987年パーカーの創業100周年を記念して制作販売された。1999年には、その生産を打ち切り2000年11月販売を終了した。日本では、「Pearl & Black Marble」しか販売されなかった。

 
     
  「ギフトケースと本体」   「落ち着いたフォルム」   「18金のNib」  


 この万年筆は一世紀以上にも渡って、かたくなに続けられてきたParkerの物作りの伝統が生み出した傑作である。一口で言えば、これは伝説の逸品とも言うべき万年筆である。
1920年代に一世を風靡した筆記具の名品 が誕生した。それは「Duofold」であり、1987年に、Parker Penの創業100周年を記念して復刻された。以後、今日に至るまでに数多くの 「Duofold」万年筆が製造されてきた。それらの筆記具が、世界中から注目を浴びてきた。そのほとんどが世界の最高峰の筆記具として高い評価を得ている。
 今回の、「Duofold Gray & Black」は、以前に紹介した「Duofold Pearl & Black」と対をなすものである。色の背景から落ち着いた、物静かさを漂わせる感じである。しかし、この万年筆のゴールドのキャップリングやクリップが一層高貴さを醸し出している。
 

  「GrayとPearl」   「胴軸とキャップと柄は続く」   「標準装備のコンバーター」  


 ペン先(Nib)は、18Kの延べ板を切り抜いて作られている。素晴らしいペン先 に仕上げるために、Parker社は昔ながらの伝統の工程を取り入れている。それは、切り抜いたNIbを胡桃のチップで56
時間かけて磨き上げる作業である。その結果 、ベルベットの上を滑るような、見事な書き味を楽しむことができるNibとなる。ペン芯は、最新のインクコントローラを導入してる。そのた、気圧の変化する航空機内、高速エレベーター内でもインク漏れを起こさないように配慮されている。
 Parker Penの「Duofold」が、Parker社のフラッグシップモデルである。そして、それは私にとっては筆記具で最高のステイタスであると感じることの出来る逸品である 。しかし、「愛用者は、Duofoldのどこに魅力を感じているのであろうか」と、思うときがある。その答えは矢張り、「良いものには、お客さんが酔ってくる。」と言った創業者魂の伝統 やこだわりが、守り続けられているからだと言えよう。
 

「Gray & BlackのFPとBP」 「天冠は旧タイプ」 「落ち着いた風格」

 一つ上の真ん中の写真を見ると、キャップと胴軸の模様が全ての箇所で繋がっている。このことから、キャップと 胴軸は一本のアクリルから削り出して作られていることが分かる。キャップ、胴軸、首軸をそれぞれ別々に作れば、大量生産が可能となるのを敢えてやっていないのである。一本一本 に心を込め、そして、デザインにも配慮して作り上げられている。丹精のこもった様子が思い浮かぶほどの万年筆であることが分かる。私は、最高のステイタスをこの製造工程をもって、感じたのである。こういう万年筆であるから、誰れが手にして文字を書いても、満足のいく 製品なのであろう。この「Duofold Gray & Black」はそうしたことから最高の万年筆であると思っている。
 このペンのバレルは墨流しのような幽玄さと、黒のアクセントが大変に美しい。その落ちついた東洋的な感覚が好評で、何時までも人気がつづきそうな万年筆である と思う。
 

「BP・FPのセット」 「重厚さの漂うデザイン」 「P&WとG&B」
 主な仕様は以下の通りである。定価については、日本で発売された「Pearl & Black」の販売当時の値段を参考までに記載した。
 
ペ  ン  先 ソリッドゴールド18K(
サ  イ  ズ 太さ直径10mm、長さ163mm
インターナショナルサイズ
イ  ン  ク カートリッジ&コンバーターの両用式
セット内容 商品本体、正規ケース、説明保証書
参考定価 54600円(廃盤)