(UK:The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

       
 

 

 

「Parker Duofold」
 
Made in England

1953年〜1958年

 

 

 
       
       
  「Gift BoxのUK Duofold」   「UK Duofoldの仲間」   「上 Junior               」
「中 
Duofold (NS)  」
「中 Duofold
 New 
「下 
Maxima             」
 


 Parker Penは、今ではアメリカよりイギリスやヨーロッパ諸国で長い実績を上げてきている。1950年代〜60年代にイギリスやデンマークで作られたエアロマチック(Aerometric)Duofold は、ビンテージ万年筆の中で最も丈夫である。それは最高の品質を持った万年筆であると言える。その万年筆は、上の写真にある一番大きなBodyの
「Maxima」が有名で 、一番大きな Nibを持っている。
 スタンダードサイズの Duofold(NS)は、1950年より前から作られていたのではないかと言われている。その根拠は、下の図にあるようにボタンフィラー・タイプの「UK  Duofold」が見つかっているからである。
 

  「ボタンフィラー・タイプ」   「1953年のNib」   「金メッキのクリップ」  

 「UK  Duofold」はABS樹脂が導入されている。製品に取り入れられた色は、黒、青、赤と、僅かな製造数の緑であった。Nib(ペン先)は、一見するとがっちりしていて、弾力性がなく堅そうに見える。しかし、これまでの
14Kのどの万年筆よりも柔らかく、ソフトな書き味を備えた万年筆となっている。
 キャップには、ParkerのデザインしたGoldメッキされた矢羽根のクリップを持っている。これは、英国紳士を思わせる落ち着いた雰囲気を醸し出している。キャップトップには同系色の宝石の天冠が取り付けられている。また、
zig-zag pattern(ジグザグ模様)の入ったキャップバンドが取り付けられている。キャップバンドに zig-zag pattern があるのは「UK  Duofold」だけであって、standardサイズ のDuofold (NS)には、やや幅広いバンドになっている。ここで紹介している「Junior」や「Lady」のバンドに模様は付いていな い。それには細くて、模様のないバンドが付けられている。
 
  「同系色の天冠」   バーレルのインプリント   「左 Aerometric・Filler」「 右 Filler試用法の説明  」  

 
Parker社が新たに導入したABS樹脂は、これまでの硬質ゴムやセルロイドなどと比べるとやや柔らか い。それは、その反面、割れにくいという利点がある。このため、長い間愛用すると、バレルにインプリントされた文字が摩耗し読み辛くなることがある。
 Aerometric Fillerは、これまでのボタンフィラーに比べると、操作が簡単であ る。インクの流入量がインクサック内に入ってきたことによる変色でわかりやすい。これは又、インクの残量も知ることができるので大層、重宝である。
 
  「上から、Maxima、Duofold、Junior   「左 「N」マーク無し」
「右 ニューヘブン製  」
  Maxima  

 1950年の初期に生産された「UK Aerometric Duofold」は、「ニューヘブン」工場で生産されていた 。その印として、Nibに「N」 とインプリントされている。しかし、「N」マークの入ったものはほんの僅かの期間だけであった。その後は万年筆のサイズを意味する数字が刻印されるようになった。主な数字は、レディー用 は「4」、Slimfold「5」、Junior(ジュニア )は「10」 、 Maximaは「50」であった。さらに、セクションに隠れてしまっていることが多いが、製造年が刻印されている。1960年以降の物には、Nibのサイズの数字の次に第2の(一桁の)番号がついて 、生産された年を表している。
 
  「[5]はSlimfoldの印」   「Slimfoldのインプリント」   「Duofold Junior
「Parker  17     」
「Parker Lady     」
 

 万年筆のサイズを見ていくと、キャップを閉じた状態で
「Maxima」は14センチを超える大きさである。「Junior」 でも13pを超えていてる。この長さ が長時間の使用や、携帯に便利であることなどから「Parker 17」のサイズに引き継がれ、さらに、この長さが現行の「Duofold」のCentennial sizeになっていったのである。
 
「上からMaxima  Duofold Junior  Slimfold」

「上 Duofold Junior」
 
「下 Slimfold          」
 

Maxima


 途中で「Lady」サイズが生産されたが、この万年筆は他とは違ってHooded Nibである。キャップもねじ込み式でなく、差し込み式となっている。この万年筆が名称を変え、「Parker 17 Lady」として登場したのである。
 
「Duofold(NS) 」 「Duofold Junior Slimfold」