《 写真は、Parker Victory 初期Type 》

 

 
   

《 写真は、Parker Victory Mk T 》

 
 

 
   

《 写真は、Parker Victory Mk W 》

 
 

 
   

《 写真は、Parker Victory English

 
 

Parker Victory


第1期 1932〜1935年発売

第2期 1946〜1952年発売

 
 

 

 
       
       
  「Victory MKWのGift-Box」   「FPとSPのセット」   「材質はセルロイド」  
  
 今回紹介する万年筆は「Parker Victory」である。「 Victory」とは勝利という意味の言葉である。そこで、 「Victory」と言う名称 から「戦争の勝利を祝ったものである。」と言う人がいる。しかし、その解釈はあやまりである。何故ならば第1次世界大戦は1914年〜1918年、第2次大戦は1939年〜1945年である。そして、 この「Parker Victory」の製造時期を比較すると、それが間違いであることが分かる。初期の「 Victory」(以後、”第1次”と言う)が1932年〜1935年に製造販売がされていた。 だから、世界大戦の勝利でこの名称が付けられたとは言えない。これはParker社の中にその原因が合ったのである。それはParker社の新たな挑戦があったのである。それは、Parker社の画期的なインク供給システムであるVacumatic Fillerの開発の完成があった。そして、その製品の製造が開始されたのである。Parker社はこのシステムの導入で、万年筆の業界で更なる飛躍を確信した 。その記念の意味を込めて、Parkerは「Victory」と命名したのである。
 
       
  「矢羽根でないクリップ」   「{N}マークのNib」   「オープンNib」  
 
 ここでは、1948年製造の「Victory」のMarkWを中心に紹介する。写真にあるように、クリップは未だ矢羽根デザインの導入がされていない。初期のDuofoldのクリップからの変形したデザインである。 (このクリップの元のデザインは剣である。)NibはオーソドックスなOpen Nibである。これは、しなやかな弾力性のある書き味で、漢字を常用とする人に好まれた。14KのNibの刻印は、PARKER 14K PEN  N とある。最後の「N」は、イギリスの
「ニューヘブン」の工場で生産を開始しており、ペン先に「N」を 刻印して区別していたのである。
 
       
  「アルミボタン・フィラー」   「バーレルのインプリント」   「円錐形の天冠」  

 
1932年から生産された第1次「Victory」のインクフィラーは、尻ノックのボタンフィラーであった。MarkWでは、アルミニューム ボタン フィラーを導入して いる。そのため、インクの貯蔵が簡単にできるようになっている。
 バレル(胴軸)には写真にあるように、 [ PARKER  VICTORY ]、[ REG.T.M ]、[ MADE  IN  ENGLAND ]と刻印されている。また、英字以外に、1カ所記号のようなものが刻印されているが、何を表しているのか不明である。
 Tassie(天冠)のデザインは円錐形の同軸と同色のものが付けられている。このtassieのデザインはチャレンジャーなどに取り入れられていたものと同じである。 さらに、「Parker 65」辺りまで同じようなデザインで使われている。 

   


 左の写真は、1946年に製造販売されたMarkTの2種類である。セルロイドの本体で華やかな雰囲気の万年筆となっている。
 右の写真の万年筆は、第1次と言うか1932〜1935年に発売されていたものである。この初期の「Parker Victory」はインクフィラーがボタンフィラー仕立てであった。派手さはなく落ち着いた感じのペンである。

  

   
「MarkTの色違い」 「初期のVictory」