Duofold Marble Burgundy  Centennial  Size

 

 1980年代後半の特注品

(同じ色合いのものが、世界特別限定で、2,000セットが販売されたようである。)

       
  「木製のGift Box」   「下段にカートリッジ」   「矢形の彫刻Nib」  


 今回紹介する万年筆は、センテニアル(
Centennial )サイズの「Parker Duofold マーブル・バーガンディー」である。
 Parker社の万年筆で、Duofoldは最高峰のものであるが、最近では、残念ながらブラックや2005年12月から発売となった「チェック・シリーズ」と「ソリッド・シルバー」「ソリッド・ゴールド」しか作られていない。数年前までは、レッドやブルー、パール&ブラックなど魅力的なカラーを用いたマーブルタイプや、モザイク 、蒔絵などのタイプが製造されていた。
 今回紹介する万年筆は、アールデコ調の「Duofold」の特徴が強い前期のスタイルである。また、そのカラーバリエーションの中でもかなり数の少ないもの のようである。本体の色は、フランスのブルゴニュー地方の紅いブドウの色に似ている。このことから、「マーブル・バーガンディー」と名付けられたものである。この万年筆が作られた頃は、多くの企業からの特別注文でペントップに 社標を付けて制作している。そして、株主や大切な顧客のためにParker社にオーダーすることが多くあったようだ。これはその 中の1つのペンである。
 現に、このペントップには、ダブルA(Anne-Nackwic, Alabama-River のパルプ会社)のマークが入っている。
  ペン先については、写真にあるように首軸のリングも2つあり、ペン先の彫刻は、
1920年代のオリジナルの古典的なParker社ロゴで刻まれている。
 

       
  「ブルゴーニュの紅葡萄色」   「上 Jade Green」新タイプ    
「下 Burgundy 」旧タイプ
  「Amex  Green」  


 この本体は、エネルギシュで、バイタリティーにあふれるパワーある見事な紅色である。固体のアクリルをくり抜き、磨き上げられて、すり傷にも耐えられる輝きを発する 表面加工である。誰が手にしても、書くのが楽しくなり至福の時を過ごすことができるpenである。

 デザインは、キャップリングが太いものと細いもののダブルである。復元初期のDuofoldであると区別することができる。上の中央の写真で分かるように、ペントップはフラット(市販されたものは、バーガンディ色のラッカー仕上げ)キャップ・ヘッドの形などから、1980年代末に発売されたものと思われる。
 この当時は、色々なカラーバリエーションの万年筆がParker社から作られていた。「Amex Green
」 (フラット・ヘッドで同時代のものである。)などは、Amex社がパーカーに注文して作らせたもので、商品名にも「Amex-Green」が使われている。

 主な仕様は、以下の通りである。
 
  ペン先 18Kのオープンニブ・(太さはM)  
  インクフィラー カートリッジ&コンバーター両用式  
  サイズ 全長は136.8o、胴軸は13.0o(センティニアルサイズ  
  付 属 オリジナルのウッドボックス、カートリッジ(2本)  
    コンバーター  

 なお、保証書は通常印刷物が入れられている。しかし、この時代は、木製のギフト・ボックスのふたの裏に「LIFETIME  GUARANTEED」と印字されている。

 市販のものとはかなり違っていたようで、一説によれば、この「マーブル・バーガンディ」の市販品は限定品であったようだ。セットは、本体と外装の紙箱、
特製のギフトボックス、バーガンディ色のParker Penmanインク株式会社のEditionボトルが付いていた。製造販売数は2,000セットで、世界中に売り出され、およそ150セットはUSAで販売されたそうである。その当時の価格は、1200ドルとされている。