PARKER 105

 

 

Parker 105

 
 


Parker
105
 

 1979年〜19??イギリスで製造された。

高級万年筆である。

 

 
     
       
  「GoldのFP,BPセット」   「バレルのモチーフ」   「イギリスで製造」  

 この「Parker 105」は、「Parker 75」の全盛であった頃、木樹皮パターンのある高級万年筆として開発された。本体の材質は真鍮で、厚い
18Kのメッキが施されて いて、重厚でありながら気品のある雰囲気を醸し出すデザインである。1980年、フランスで製造された「Parker  85」の樹皮パターン(ここをクリックして確認して欲しい)とは異なった「Parker  105」の万年筆、およびボールペン のセットからは、格調高い英国の長い伝統が感じられる落ち着いたデザインといえる。
 万年筆(FP)は、キャップを閉じた状態で132oあり、現在人気商品となって販売されている「SONNET」と同じ規格である。重さもほぼ同じで、30グラム。胴軸(バレル)の軸径は9oで、概ね「SONNET GT」と同じようである。
 
       
「これまでに無いNib」 「気品あるキャップ」 「ペン芯」左   SONNET
          中       105
          下      75  


 万年筆の命は、ペン芯とペン先(Nib)である。この「パーカー 105」には、これまでに無かった形状の首軸(セクション)にオープンNibが取り付けられている。ペン芯とNibが一体となった構造は、「Parker 75」の構造を引き継いでいる。しかし、Nibの角度を書き手の癖で変えられる機構にはなっていない。

 また、ペン芯の形状は「Parker 75」の後期に円筒状になったものと、似ているが、細かいヒダの間隔は「Sonnet」のものに近い。上の右の写真にあるように、Nibの大きさも大きくなっている。Nibの形も「Parker  75」の扁平であったのから半円形でとなり「S0NNET」のものと似ている。こうしたことから書き味にも、ソフトな弾力性が生まれて漢字の書法にも適した万年筆となったのである。
 
インクフィラーは、コンバータカートリッジの両用式である。
 キャップの天冠(tassies)は大変シンプルで、他の何ものも取り付けたりしていなくて、Goldの無地の円盤が、キャップやバレルの縁取りで押さえられている。シンプルさが一層、この万年筆の特徴を表しているとも言える。クリップは矢羽根をアレンジし、若干デザイン化されているが、派手さはなく、樹皮のパターンに良くマッチしている。
 

       
  「BP,FPのセット」   「キャップにリングが無い」   「オーナー名入れ」  
 


 
「Parker 105」のデザインの特徴は、キャップを閉じた状態では、飾り気が無く、「一見、紳士風だね」と妻が感想を述べた通りであると思う。万年筆のキャップには これまでは必ずと良いほどバンドが付けられている.。しかし、この万年筆には付けられていないのである。これにより、ゴールドプレート仕上げであるが派手さが押さえられているのであろう。キャップを外すと、バレルのバンドが現れて、気品と豪華さが表出されるのである。
 この
 バレルバンドには、「MADE  IN  ENGLAND」とParker社の商標とされる矢と楕円形のロゴが刻まれてある。
 

 
       
「一般販売品」 「PARKER105限定品」 「ステンレス製品」

 イギリスで、
1979年から作られていたこのモデル の限定品が販売されている。それは、1981年のチャールズ皇太子とダイアナ姫との結婚に際して販売された。結婚式を祝う「Parker 105」の限定版 は、1000本用意されたようである。(詳細はここをクリックしてください。)
 「Parker
105」には、また、価格の安いステンレス製のものも販売されていたようである。国内販売も無かったものであるため、表題にも書いたように、何時頃まで販売されたか定かでない万年筆の 一つである。