" Parker 88 " Blue metallic
”Parker 88 ” Parker社は創立100年を記念して 1988年に販売された。
1988年は、Parker社創立100年にあたった。そこで、この周年記念として製作された万年筆が「Parker 88」である。この万年筆は、1984年にリリースされていたVectorをドレスアップしたものである。公式な発売年時期は1988年となっている 。しかし、Parker社内では「Parker 88」が1987年に発表されたと記録されている。これは、自動車の新車発表の場合と似ている。それが実際に販売されるのは4ヶ月先とか、半年先になるのである。社内部文書の日付はマーケティング・リリース年を示していたのであろうと思われる。「Parker 88」の正式なリリース年は、やはり1988年と言うべきであろう。
「Parker 88」は、Vectorとは異なってカートリッジ/コンバーター の両用のペンとして売り出された。そして、細長いスライド式コンバーターが採用されている。上の左の写真でも分かるようにカートリッジの中に入っているバランサーが「Parker 88」では円柱形である。Vectorでは球形である。 また、この万年筆の製造には面白いことがある。その生産ラインは、万年筆とボールペンが同じバレルとキャップを使用していることである。さらに、購入者のニーズに応じて、色々な材質のNib(ペン先)が用意されていた 。この点は、消費者を大事にする創業者の意志が貫かれており、感心させられた。 「Parker 88」はデザイン的に相当なドレスアップが計られた。しかし、Vectorの基本的な仕様は引き継がれている。それは、キャップがぴったりとバレルエンドにはまるようなデザインになっている。
「Parker 88」は1994年に「Rialto」と改名された。デザインは 全く同じである。変えられたのは、以下の3点である。 @金属製のセクションからプラスチックになった。 Aバレルリングからセクションリングになった。 B模様の入ったNibの導入 担った。 万年筆の書き心地は、「Vector」と比較すると、セクション、バレルともに金属である。このことから、「Parker 88」は21グラムあり、ほぼ2倍近い重さで、書き心地もよくなったと言える。この「Parker 88」には、写真の中央の「ファンシー・レッド」、更に豪華な23kゴールドプレート仕上げの「Place Vendome」などが製造された。