Parker Frontier

 
   
 

Parker Frontier


1996年〜発売

 
       
       
 Two-tone red and black  Flighter (Stainless steel) 「ゆったりとしたデザイン」
 
 今回紹介する万年筆は
「Parker Frontier」である。1994年からフランス工場で「Sonnet」の製造が始まり順調に販売実績を上げていた。この「Sonnet」ラインのモデルはParker Penのセカンドラインである 。しかし、それは少し高価である。そこで、広くParker Penを愛用して貰うために新らたなParker Line を設定することになった。1996にParker社は「Frontier」の導入を敢行したのである。「Frontier」には、新たな材質としてABS樹脂が取り入れられた。そのため、色鮮やかなバレルに、ステンレス製のキャップという 素晴らしいデザインとなった。また、価格を下げるために、Nib(ペン先)にはステンレスに23KのGoldメッキを施したプレートを使用した。また、他のペンの部品を共用がなされた。 その結果として、「Sonnet」 の一般的なタイプの半値以下の小売価格に設定することができたのである。
 
 
       
  「2003年の小売価格」   「キャップの刻印」   「ゴム巻きのセクション」  

 製品化された「Frontier」は種類も豊富に用意された。購入者の好みにあったデザインのペンが選べるように配慮されのである。ちなみに1998年には「Frontier」だけで9種類の万年筆が作られていた 。
 
  1  

ツートンカラー

  「red and black」   (stainless steel cap, nib and trim)    
  2  

  「green and black」  

   
  3   金属カラー   「Metallic grey 」  

   
  4     「Metallic burgundy」  

   
  5     「Translucent black 」  

   
  6     「Translucent blue」  

   
  7     「Translucent green 」  

   
  8     「Matte black」  

   
  9     「Chrome」  

   
  10     「Black」  

〃(追加)

   

 

       
  「SONNETと同じサイズ」   「右 FRONTIER」
「左 SONNET   」
  「上 SONNET   」
「下 FRONTIER」
 

 絶大な人気を博した「Parker 75」の後継機種の「Sonnet」の評判も大変に高い。その設計を生かしつつ、安価で高品質の万年筆「Frontier」が作られた。サイズ、全体の形状、クリップデザイン、オープンNib、ペン芯などのどれを観ても「Sonnet」の廉価版であることが分かる。
 セクション(首軸)で比較してみると、「Sonnet」は14Kメッキの金属リングを使用しているが、「Frontier」では、樹脂のリングである。(脇道にそれるが、このセクションリングは「Frontier」の樹脂リングの方が長持ちする。「Sonnet」を2本使っているが、セクションの金属リングはインクにより、数年で腐食してしまった。)
 
       
  「ステンレスのNib」
「樹脂のセクションリング」
  「上 SONNET   」
「下 FRONTIER」
  「上 SONNET   」
「下 FRONTIER」
 

 2003年に「Frontier」のデザインのマイナーチェンジがなされた。メタリックデザインからの脱却と、Nibの直線から曲線デザインの刻印に変えられた。
 日頃「Sonnet」を使用しており書き味を比較すると、万年筆を手にした瞬間、Nibの放つ光沢から堅そうな感じがした。実際に文字を書いてみると「Sonnet」によく似た滑らかな書き味である。廉価品だから書き味が劣るとは言えない。しかし、長時間書き続けてみたことがないので、そのあたりのことは的を得た 批評はできない。
 現在も、黒、緑、青、紫、アンバーなど色とりどりの「Frontier」が製造販売されてる。
 
       
  「左 1996のNib」
「右 2003のNib」 
  「豊富な色合い」   「豊富な色合い」  
追 加   Parker Frontier Black 

「Black」 「上 Black   」
「下 Stainless」
「上 Black   」
「下 Stainless」

 2007年9月に入手できた「Parker Frontier」のBlackである。日本国内では販売されていないカラーで、主に中国、台湾、香港の市場で若者をターゲットにした商品のようである。
 バレル(胴軸)は高級レジンで、キャップはステンレスである。これは一見すると、高級万年筆の様に見え、落ち着いた雰囲気を醸し出している。Nib(ペン先)も上の中央の写真でも分かるように統一的に黒く仕上げられている。キャップの仕上げにも こだわっていて、天冠までブラックで仕上げられている。
 若者をターゲットとした商品として、機能性と創造性の融和を図っている。このペンは安価な万年筆であるが、Parker社の伝統をきちんと踏襲して製造されている 。斬新な現代感覚のデザインと新たな素材の導入が図られた素敵な万年筆であると思う。筆記してみると、意外なほどソフトな書き味である。漢字を常用とする人にはよいアイテムと なると思われる。Blackの万年筆もこれまでの「 Frontier」の規格と同じである。
   

「Black」

「右 Black   」
「左 Stainless」