1970〜1971年に販売

(「パーカー T-1」T-1は、に宇宙飛行士用にチタニュウムを使って開発された万年筆です。僅か二年間の販売で終了した。)

     
       
  「落ち着いた光沢」   「エアロインクフィラー」   「首軸一体のNib  


 Parker社は古くから航空や航空宇宙に関心を持っていたと言われている。Parker
51を宣伝するときも、広告に「P-51ムスタング」戦闘機を引っ張り出している。あのHooded Nibは、また、「別の惑星からやって来たペン」と呼ばれていたことがある。こうしたことからも容易にうなづけることである。
 
1960年代後半のアポロの月着陸の任務が終わったので、Parkerは、航空宇宙機器の材料(チタニウム)でペンを作ることに着目したのである。その結果、1970年に商品としてリリースされたが、思うように研究開発費の回収ができないことがわかり、早々に生産を中止してしまったのである。
 

       
  「インクフィラー」   「クリップの羽根が細かい」   「天冠と軸尻」  

 
チタニウムは軽くて丈夫ではあるが、 加工しにくい材料であった。しかし、その特性はペンにとってうってつけであるため、Parkerは研究開発に必死に取り組んだ。製品化したものの、 高い製造コストが掛かってしまい利潤を得るところまで至らなかった。
 チタニュウムという特殊な金属の加工のために、製造機器の極端な摩耗や折損などもあったのである。また、材料を不可欠のチタニウムで、ペン先に加工するのも非常に難しかったようである。ペン先(Nib)の修理専門家や、多くのコレクターは、「T-1の価値はこのところ着実に大変高くなっている。」「そもそも、非常に限られた数しか作られていないからだ。綺麗な形で残っているT-1は、ほんのわずかしかないであろう。」と言っている。 本当に
オリジナルのパッケージに入ったものが今の世に出てくる例は殆どないに等しいとまで、言われている。
 
  「Paekerマークの天冠」   「左 ファルコンの天冠」
「右 T1の天冠    」
  「左 ファルコンの軸尻」
「右 T1のバレル エンド」
 


 T-1
万年筆の顕著な特徴はバーレル エンドと天冠(tassies)に透明な赤いシェル が取り付けられている。キャップの天冠では、Parker社のマークが入った透明な赤いシェルが差し込まれている。また、ペン先の裏側には、ペン芯の調整ねじが付いており、「パーカー 50」のファルコンとは異なっている。
 
T-1万年筆は大変高価であったために、生産中止も早かった。しかし、たくさんのチタニウムの多くの部品が残ったので、T-1万年筆の生産が終わった後、その残品を使って新たに「Parker 75」のラインに組み入れられ た。それらが「Parker 75 Titan」であり、万年筆、ボールペン、カートリッジ鉛筆、やrollerballsを製品化したのである。
 

  「上 ファルコンのNib」
「下 T1のNib           」
  「Paeker 75チタン」   「75チタンのギフトセット」