Parker 17 Duofold

(1961年〜1964年 販 売)

 
       
       
「Parker 17の広告」 「紙製のGift Box」 「Parker 17のセット」
 


 今回紹介する万年筆は「Parker 17 Duofold」である。このペンはParkerの他の万年筆と同じように、キャップバンドはGoldメッキされた細い一重のものである。この万年筆は、スリップオン(ねじ込みでなく差し込み式)のキャップである。クリップはGoldメッキされた普通のParkerの矢印のものを備えている。そして、黒いプラスチックのTassie(天冠)でとめられている。バレル(胴軸)には、「
PARKER 17 MADE IN ENGLAND」 とインプリントしてある。キャップとバレルは、緊密な状態でかぶせられるように、精密に作られている。
 格安戦略品であることから、販売に掛かる費用を節減すると同時に、Gift Boxも当時全盛を誇っていた「Parker 51」のものとは比べようもないほど簡易なものであった。
 

 
       
  「初期のオープンNib」   「上 Hooded Nib 後期」「下 Open Nib   初期」   「上 前期のBlack」
「下 後期のRed  」
 


 「Parker 17」は
1958年から製造販売がなされているが、「Duofold」という高級タイプは1961年から製造販売がなされた。その販売当初のものは、Nib(ペン先)がオープンNibであった 。1964年にはフード付きのNib(Hooded Nib)に取り替えられた。
 「Parker 17」は高価な「Parker 51」の廉価版して、やや小振りの規格で登場した。女性や学生をターゲットに開発された万年筆である。しかし、Parkerは品質について妥協しない製品作りに徹した成果として、スマートで、丈夫な出来栄えは高い評価を得た。しかし、「Parker 51」の良さには全く追いつけなかった。
 「Parker 17」のインクフィラーは、
aerometric方式を採用した。万年筆にインクを一杯入れるためには 、RIBBED  BARを4回か5回押せばよかった。こうした簡単な操作で、手を汚すことも無くなった。このことはこの万年筆はじめParker Penの人気を一層高めた理由の一つである。
 初期のオープンNibタイプのペン先には、
14K PARKER ENGLAND」のインプリントがなされている。書き味は弾力性があり、日本語の筆記には好都合なものと感じた。後期のフーテットニブになると、ペン先の堅さがでて、太さが一定になりがちで英文字などに向いていると思った。
 

         
  「左 17 Standard」
「右 17 Duofold  」
      「ステンレスのキャップ」  

 
 「Parker 17 Duofold」の規格はキャップをかぶせた状態で126mm、キャップを外して胴軸に付けると134mmとなり、手の大きな人でも扱える大きさである。
 Black と Red(
burgundy)の2種類の「Parker 17 Duofold」が手元にある 。写真にあるようにステンレスキャップの物も販売されていたようである。