Vacumatic Shadow Wave

 
 

 

 
       
 

 

  Black Giant

1905〜1921年 販売

 
       
       
「Big Redとの比較」 「堂々のスタイル」 「平らな天冠」
 

 やっと入手することができました。 長年、日本のみならず外国のオークションなどでも探してきたが、希少価値が高くコレクターの注目の的となっている。eBayでやっと入手しましたが、何と800$オーバーの値段には驚いた。
 「Black Giant」は、名前の通り、黒色のエボナイト製の巨大な万年筆である。
1905年から21年まで販売されたという、Parker Pen の中で一番大きなサイズの万年筆である。Big Redのシニアサイズと比較した写真からも大きさが理解できると思います。しかし、当時の万年筆のインクフィラーは、Parkerが開発した「Lucky Curve」であり、Eye-Dropper(点眼)方式であった。首軸を取り外し、バレル(胴軸)にインクをスポイトで補充するのである。上の写真からも解るように、この巨大なバレルには10ccほどのインクが入る。
 

「15p超のビッグサイズ 」 「19.8mmのキャップ外径」 「16.8mmのバレル外径」


 上の写真に示したように「Black Giant」のサイズは、正しく巨大な万年筆である。全長はキャップを閉じた状態で優に150mm超であり、キャップにおいては外径が約20mm、バレルの外径も約17mmである。 バレルのインク容量も10ccと大量であり、当時、なぜこんなに大きな万年筆が必要であったのか理解できない。

 

「セクション部分」 「Nibとペン芯」 「ビッグなNib」

 上の3枚の写真でインクフォロー部分について紹介します。Parkerによって開発されてインクフォローは、「Lucky Curve」方式である。
 上の中央の写真は、寸胴でどっしりとしたNibとやや太めのクリスマスツリースタイルのペン芯が導入されている。
 Nibは、14kでLucky Curve最大の12番のNibが取り付けられている。

       
「バレルのインプリント」 「バレルのインプリント」 「クリップのインプリント」


 本体へのインプリントは、バレルとキャップのクリップ部分である。ここに彫られている文字や商標のLucky Curveのリボンなどは、この当時に販売されていたものと同じである。
 1900年代の人はどんな思いで、この万年筆を使っていたのか思いをはせながら付けインクで、文字をしたためてみた。やはり平均的な日本人の手の大きさでは、この万年筆を握って文字を書くには辛い感じで、肩が凝ってしまった。日本にも大きく太い万年筆が店頭に並んでいて、試し書きをさせて貰ったことがあった。あのときと同じように”自分には合わないサイズ”であると感じた。