Parker Duofold Maki-e

Haru  ran  man

"春爛漫"


 2008年3月 日本限定50本販売
 

 

 
       
  「爽やかな装いの紙箱」   「蓋を開けると---」   「保証書と説明書」  
             
 
 今回紹介するのは、蒔絵で仕上げられた万年筆である。名称は「春爛漫」である。
 2000年から5年間連続して、Parker社は漆蒔絵万年筆11種類の特別限定販売を展開してきた。これらはParker Duofold  蒔絵  (11種類)として紹介してきた。2007年には150本限定で「Duofold  Limited Edition  Bamboo-Panda 」が販売された。
 漆蒔絵技法は日本の各地に根付いた伝統工芸である。これらは諸外国からも人気の高い工芸である。古くは戦前にパイロット社で製造された万年筆が多く輸出されていた。今回の「春爛漫」は日本だけの限定50本の販売である。
 
 
             
       
  「春爛漫蒔絵の説明」   「小型のGift-Box」   「Boxを明けると----」  
             
 
 これまでに販売されてきた蒔絵シリーズは、大層大きくて立派なGift=Boxが用意されていた。今回の漆仕上げが施されたBoxは、これまでのものと比べると 大変小さい。しかし、仕上がりはしっかりとしたものとなっている。
 
この「Duofold  Limited Edition ”春爛漫”」万年筆に施された蒔絵技法は、以下のとおりである。
   ・キャップの銀部分----銀平目による「置き平目」仕上げ
       金部分----粉筒で「疎ら蒔き」にし、梨地に仕上げ
  
・バレル部分----------「研出蒔絵」仕上げ
 ・セクション部分------「平蒔絵」仕上げ
 
中でもセクション(首軸)の仕上げでは、ねずみの毛を使用した貴重な筆を使って桜を描き出した平蒔絵技法が施されている。バレルには、この技法で雄大に枝を広げ咲き誇る桜が描かれている。そこからは春のほのかな風に乗って舞い踊る花びらが見事に表現されている。この作者は 加賀蒔絵を代表する漆芸作家の東藤達也氏である。この万年筆の繊細で上品な仕上げには、蒔絵職人の精魂が込められているといえる。

  
 
             
       
  「目映い程の仕上がり」   「気品あるセクションの桜」   「エースの天冠」  
             
 


 
Parker Penを代表する「Duofold」に、 これまでにない蒔絵が施されている。「春爛漫」と命名され、僅か50本だけの限定万年筆である。金粉、銀粉を万年筆のボディ全体に効果的に あしらっている。「日本の春」を芸術性豊かに表現した蒔絵である。。
 これまで数多くの蒔絵万年筆が販売されてきた。しかし、この万年筆は今までにない斬新な仕上げとなっている。それは様々な蒔絵技法が取り入れられている からである。その技法はすべて手作業で行うため、 同じデザインの万年筆はあり得ない。従って、稀少価値の高い万年筆と言えよう。海外から多くの引き合いがあるのは当然であり、外国にいるコレクターが食指を伸している万年筆である。
 

 
             
       
  「作者のサインとシリアルNo」   「セクションとMニブ 」   「乱舞する花びらか?」  
             
 


 今回の限定品の仕様は以下のとおりである。

  Nib(ペン先)材質   18金ソリッドゴールド プラチナプレート装飾仕上げ  
  Nib(ペン先)幅   M(中字)のみ  
  サイズ 長さ   137mm(センティニアル・サイズ)  
      最大軸径   14mm  
      重さ   31g(コンバーター着装)  
  ボディ・キャップ材質   アクリライト切削成型仕上げ 蒔絵加工  
  クリップ材質   コッパーベース23金ライトゴールドプレート仕上げ  
  トリム   23金ゴールドプレート仕上げ  
  シリアルナンバー/作者名   ボディエンド刻印  
  インクフィラー   カートリッジ&コンバーター両用  
  梱包内容物   専用漆木箱(花びらを描いた、愛らしい仕上げ  
      ボトルインク(ブルーブラック)  
      商品紹介カード及び作者履歴紹介書  
  希望小売価格(税込み)   194,250円  

 この仕様はCentennial size であり、手にした感覚は重厚さと、蒔絵の華やかさが感じられる。書き味の滑らかさはこれまでのDuofoldと同じであるはずである。だが、なぜか普段は感じないのに、落ち着いて文字を書いているという味わいを感ずる。高価な 万年筆で文字をしたためているためなのかも知れないが、それだけの理由ではないように思う。