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「Eversharp」 |
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「上 Eversharp」
「下 Parker 45」 |
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「上 Eversharp Nib」
「下 Parker 45 Nib」 |
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今回紹介する万年筆の生い立ちは、これまでのものとは一風変わっている。それは、ダブルネームを持った万年筆であるからだ。ダブルネームで販売された訳は、買収先の企業が開発した万年筆で
あったからである。この万年筆の仕様が改良され、「Pareker
45」となって1960年に発売となった。したがって、この万年筆が販売されたのは、この1960年より前であると言える。
Parker社は、第2次大戦後、「Parker 51」の販売が順調であった。そして、社は万年筆業界では押しも押されぬリーダー企業に成長した。それでもなお、Parker社は、より顧客に満足のいく商品の開発と販売
の推進に務めた。戦後10年を経過した頃になると、軍事目的で開発され
た技術や部材が、日常生活用品に取り入れられるようになってきた。そんな中で、よりよい筆記具の製品開発を進めている企業も多く出てきた。それらの技術や開発のノウハウを取り入れるために企業買収も
盛ん行われた。
Parker社も1957年に「Eversharp 社」を買収した。そのエバーシャープ社で開発が進められていた低価格万年筆を製品化し、「Parker」と「Eversharp」のダブルネームで販売したのが、今回紹介する「Eversharp Challenger」なのである。
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「右 Eversharp 天冠」
「左 Parker 45 天冠」 |
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「クリップの形状」 |
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「Eの字の商標」 |
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外見を見て、直ぐに気づくのは「Parker 45」とそっくりであるということだ。その通り、この「Eversharp Challenger」
は「Parker 45」の開発土台となったからである。
先ず、Section(首軸)は「Eversharp Challenger」にリングが無いだけで全く同じである。Nib(ペン先)の形状とペン芯はほとんど同じ、Sectionへの取り付け方(部品の交換メンテナンスが可能な方式)も「Eversharp Challenger」で開発されていたものである。
キャップ、クリップ、商標などにはっきりとした違いが認められる。しかし、万年筆の大きさなどの規格はほとんど同じである。
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「上 Eversharp」
「下 Parker 45」 |
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「EversharpとParker」 |
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「Parkerの銘」 |
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インクフィラーを見ていくと、「Eversharp Challenger」にはプラスチックに包まれたカートリッジが導入されている。首軸との接点の規格は、上の左の写真にあるように「Parker
45」の規格と全く同じである。ただ外側の材質が耐久性を重視した金属製になっているだけである。
上の中央の写真は「Eversharp Challenger」のカートリッジにインプリントされている部分である。ご覧のようにダブルネームである。一方、クロームメッキのキャップには、当時のParkerのマークがインプリントされている。しかし、クリップには嘗ての「Eversharp
社」の商標の「E」の字が付けられている。このことから傘下に組み入れたが、開発を進めていたのが「Eversharp
社」であり、敬意を表していたのではないかと思われる。
1960年当時「Parker 45」が5ドルであり、「Eversharp Challenger」は、それよりも安い値段であったという。Nibも鉄製で安価な作りであったことから、学生に愛用されたものと思われる。販売から50年近く経っていて「Parker
45」は数多く製造されてきて、多くが未だに流通している。しかし「Eversharp Challenger」は製造数も少なくほとんど流通していないのが現状である。
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「3色が用意されていた」 |
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