JACK-KNIFE
 
SAFETY PEN

1912〜発売

「ワシャークリップ」 「キャップのインプリント」 「Jack-knifの機構」


 1912
年からパーカーが製品化して発売下のが「JACK-KNIFE SAFETY」である。当初のもの硬質ゴムの黒色のみであったが、その後より使いやすく、書きやすいものへの改良された。1910年代後半にはデザイン的にも一応の定着した形となった。
 今回、入手できたモデルは25 1/2で、ワッシャークリップのシンプルなスタイルである。バレルはエンタシス調であり、アールデコ調で最も安定した形の万年筆であるといえる。後期の「JACK-KNIFE SAFETY」のワッシャークリップを持った特徴あるデザインは、この後に作られたアールデコ調の「DUOFOLD」に引き継がれた物であるとはっきりと言うことができる。
 

「バレルのインプリント」 「バレルキャップ」 「ボデーの模様」


 今回入手できた「
JACK-KNIFE SAFETY」は、1910年代の比較的後半の(1917年頃のものらしい)製品であり、デザインにも工夫が凝らしてある。通常の万年筆は黒色の万年筆ばかりである中で、セクション(首軸)からバレルの1部と天冠は黒であるが他は茶色で、キャップをはずした状態ではツートンカラーとなっているのである。高級品であったのであろう、前の所有者も大切に使っていたようで、比較的バレルの模様も、インプリントの文字もはっきりと残っている。
 

「ペン芯」 「雫ホールのNib」 「クリスマスツリーのペン芯」


 キャップには
JACK-KNIFE SAFETY PAT.JUNE 4.1912、胴軸にもLUCKY CURVE等が明確に読み取ることができる。またNibにはPARKER LUCKY CURVE PEN 5とインプリントされている。また、バレルエンドにあるボタンフィラーキャップにはモデルのNoの25 1/2が刻まれている。
 「
JACK-KNIFE SAFETY」のNibを後発の「Duofold junior」と比較してみた。「JACK-KNIFE SAFETY」のNibは他に比べて、やや大型のものが導入されており、そのためか書き味もしなやかで柔らかい感じであった。Parker PenのほとんどのNibHeart holePen PointからNibの中央までslitスリットがありハートや円形の穴)は円形である。しかし、この時点では「ハート」「円」「雫」など様々な形状のNibが使われていたようである。
 

「エンタシスなバレル」 「ツートンカラー」 「やや短めなサイズ」


 「
JACK-KNIFE SAFETY」に導入されていたペン芯の形状は、クリスマスツリーと言われる形の物である。これは、この後発売となった「Duofold」にも導入されたものと同じであり、デザインのみならす、機構などもこの「JACK-KNIFE SAFETY」のDNAが受け継がれたのである。
 「
JACK-KNIFE SAFETY」は、キャップを閉じた状態で約120mm、バレルエンドにはめた状態では約160mmである。このサイズは「Duofold JUNIOR」のサイズに近いものである。
 

「15mmの太さ」 「Jack-knifとDuofoid」 「右がJack-knifのNib」