US PARKER 51 NEW STYLE  その1  》

 

 

US PARKER 51 NEW STYLE  その2  》

 

「 Parker 51 の偽物 」

製造・販売時期−−不明

製造地−−−−−−不明

 

「Parker 51 オープンNib」

       
  「下から2本目」   「14Kメッキ仕上げ」   「PARKERのインプリント」  
             
  《偽物その1》

 上の左端の写真は、上の3本がノーマルな「Parker 51」である。全体の長さはデミ仕様に近く128ミリで、胴軸の太さは11ミリである。
 特徴をみていくと、キャップは正規のものと大きさ、クリップ、天冠はほとんどそっくりで見分けがつかない。キャップにインプリントされている「Parker」の文字がプレス方式であるために、やや雑な感じがする。
 
 
             
       
  「1部分透明なセクション」   「金属のHooded」   US PARKER 51 NEW STYLE」のインプリント  
             
   
 キャップを外すと、これまでの「Parker 51」とは異なった金属製のフーテッド・セクションと一部透明な胴軸があらわれる。Hoodedのデザインは、嘗ての重厚な戦闘機のデザインではなくスマートな形状となっている。
 透明な同軸部分はインクの通過が見て取れるように工夫してあり、インク残量が分かるように設計されたのであろう。ちなみにインクフィラーにはエアロ方式が採用されている。この透明な同軸部分に「US PARKER 51 NEW STYLE」とインプリントされている。
 
 
             
       
  「Open NibのParker 51」   「金属セクションとOpen Nib」   「PARKER とインプリントされたNib」  
             
  《偽物その2》

 
パーカー社からは、「Open Nibの「Parker 51」は1本も製作していない。これは、社外品である。」という回答をいただいている。しかし、現実このように「PARKER」とインプリントされた万年筆が存在している。
 上の中央と右の写真でわかるように、金属製のセクションにParkerのNibが装着されている。Nibにはっきりと「PARKER 14K MADE IN U.S.A 」とインプリントされている。
 
 
             
       
  「ペン芯もシンプルな構造」   「エアロフィラーのインプリント」   「正規品とそっくりなキャップ」  
             
   
 構造は比較的シンプルで、ペン芯はこれまでのパーカー社のものとは比較にならないほど簡単な構造である。取り付けられているインクフィラーはエアロ方式で、パテントナンバーもインプリントされている。
 キャップは正規品とほとんど同じ規格で、正規品と区別がつかないほど精巧に作られている。ただ、天冠(Tassie)のビスが貧弱な感じがする。

 この2本の万年筆は、ずっと以前に手元にはいったものであった。自分なりにこれは「偽物?」と感じて、引き出しにしまったままであった。 しかし、最近YAHOOのオークションに《偽物その1》と同じ物がビンテージ物として出品されているのを見て、 詳しく調べてみることにしたのである。
 
 
             
       
  「胴軸が2分割できる」   「14Kの薄いメッキ仕様」   US PARKER 51 NEW STYLE」のインプリント  
             
 
 ちなみに、サンフォード・ジャパンにEメールで問い合わせた結果は、明確な回答は得られなかった。

《問い合わせ内容

 オークションで、珍しいParkerの万年筆を入手しました。この製品について、八方調べても、製品名、何時販売されたのかも分かりません。是非、教えてくださいますようお願いします。万年筆の写真を送りたいので、Eメールアドレスを教えて下さい。 

《この回答1》
 平素はパーカー製品をご愛用くださいまして誠に有難うございます。
お問合せいただきましたパーカーのペンの画像につきまして、このアドレスに直接返信していただければ、お調べできるかと存じます。よろしくお願い申し上げます。 今後ともパーカー製品をご愛用くださいますようお願い申し上げます。

《この回答2》
 
 平素はパーカー製品をご愛用くださいまして誠に有難うございます。
お問合せいただきました万年筆の資料がありません。

 そこで、英国のサンフォードの本社へメールで尋ねてみた。

《問い合わせ内容

 珍しい万年筆が見つかりましたので、お手を煩わせますが教えていただきたいのでよろしくお願いします。
 1本目のものは「51New-01」「51New-05」の写真です。胴軸の透明な部分に、「US PARKER 51 NEW STYLE」とインプリントされています。
 2本目のものは「51OPEN-008」「51OPEN-013」「51OPEN-018」の写真の万年筆です。これの胴軸にも、「US PARKER 51 NEW STYLE」
とインプリントされています。変わっているのはOPEN NIBの「PARKER 51」であること、胴軸が2分割できることです。この2本の「PARKER 51」は、どちらも金張りや金メッキされていた高級品のようです。

 教えていただきたいのは、

 (1)この2本の「PARKER 51」はいつ頃作られて販売されたものなのか
 (2)販売当時の価格はどれくらいであったのか
 (3)その他にこのタイプの開発のいきさつ等、この万年筆にまつわる記事や資料がありましたら教えてください。よろしくお願いします。

《この回答》
From: Mary.Boufford@Sanford.com 
I
n checking these pens and showing them to one our employees who has been with the company for many years and is a pen collector we find that these are not authentic Parker pens. There has never been a Parker 51 with a nib of the type of the second pen. All of the Parker 51 pen nibs are hooded with only the very point of the nib visible. Also the feed section and the parts that are transparent on the first pen are not consistent with any of our Parker 51 fountain pens. Our conclusion is that another company made these pens that are somewhat similar to the Parker 51 but not authentic.

I am sorry that I cannot help you with the questions you have since we do not know what company manufactured this pen.

 ということで、偽物であることが判明したのである。