PARKER  19

1966年頃カナダで製造された

 

 
       
「上・下 Parker 45」
「中       Parker19 」
「上 Parker 45」
「下   Parker 19」
「左上 Parker 19」
「右下   Parker 45」

 今回紹介する万年筆は「Parker 19」である。この万年筆は、こまどり卵の青色をしたプラスチックを多用している。さらに、金属部分をクロムメッキで装飾して仕上げ てある。「Parker 45」が製造販売されたのが1960年であり、その6年後にカナダのトロント工場で製造された。「Parker 45」の格安シリーズが今回紹介する「Parker 19」なのである。しかし、実際に市場へどれほど出回ったのか、当時の販売価格はどれほどのものであったのかなど詳細についてほとんど不明である。
 したがって、
実物を通して判断したり、推察したりしていくしかない。基本的には上の写真のように「Parker 45」とデザインや規格は同じである。異なるのはセクション(首軸)部分の構造である。

 
「19のペン先の部分」 「上 Parker 45」
「下   Parker 19」
「上 Parker 45」
「下   Parker 19」

 
「Parker 19」のペン先の部分をみると、「Parker 45」は、ペン先とペン芯部分がねじ込みではずし、交換できるようになっている。しかし、「Parker 19」ではバレル(胴軸)側からペン芯にペン先をセットして、差し込む方式となっている。上の右側の写真にみられるように、ペン芯とNib(ペン先)は「Parker 19」と「Parker 45」は全く同じようである。「Parker 19」では、Nibの交換が簡単にできない構造となっている。

「上 Parker 45」
「下   Parker 19」
「軽量な構造」 「キャップのインプリント」

 Nibを拡大してみると、Nibの元の部分に少し違いがあるが「Parker 45」と同じデザインであることがわかる。Nibの材質は
、普及用に開発されたOctanium合金のようである。インクフィラーは、「Parker 45」と同じ規格のカートリッジコンバータ一の使用 ができるようになっている。
 プラスチックを多用し、金属部分の少ない万年筆である。したがって、学生がポケットに差し込んで使うには軽量で便利である。キャップには「PARKER 19」とインプリントされていて、外したときに落としても割れないように真鍮でクロムメッキ仕上げしたリングが取り付けられている。
  正直にいって、これまで目にしたのは、青緑色のものと下の写真のものの2色だけである。もし、新たな情報があったら是非連絡して欲しい。

「 Parker 19色違い」