Parker 35

 
   

Parker 35

1979年〜1984年発売

 

       
  「FlighterとMatte pen」   「FlighterとMatte pen」   「上からParker 45,35,35,75」  
             
 


 珍しい万年筆が手に入りました。「Parker 35」です。この万年筆を見つけるのは非常に困難でした。日本のみならずアメリカにおいても、発見できるのは本当にまれなモデルです。1970年代の「Parker 75」の売れ行きが好調であった頃、Nib幅が裏表で異なる「Parker 180」とともに「Parker 35」は1979年にリリースされた。「Parker 35」は「Parker 75」のNib部分が回転する機能はなく、Nibも、「Parker 75」よりはやや小ぶりなOpen Nibが取り付けられている。ペン芯もこの万年筆のために開発された。プラスチックを多用したモデルとしが開発されたので、安価な万年筆として開発されてのであろうと思われます。
 
デザインについては、ご覧いただいている写真のとおりで、当時、クリップに「Parker 75」の皿状の天冠を配していることから、「Baby Parker 75」などと呼ばれていた。キャップエンドの天冠は「Parker 75」の形状とは異なり、むしろ「Parker 180」に近い形になっている。
 万年筆のサイズについては、上の左に「Parker 75 Matte Red」と比較した写真を掲載しているのでご覧ください。長さで「parker 35」は3mmほど短く、バレルの太さは手にすると、やや細いと感ずるが、それよりも重さに大きな差がある。双方にインクフィラーのコンバーターを取り付けた状態で「Parker 35」で13g、「Parker 75」は23gでした。プラスチックの大量の導入により軽量化が図られたのです。
 

 
             
       
  「Parker 75と35」   「Parker45と35」   「Parker75と35のNib」  
             
 


 今回入手できたのは、典型的なプラスチックを多用したモデルのMatte Penとステンレス仕上げのFlighterの2本です。「Parker 35」が、バレルの材質の豊かな「Parker 180」と全く同時代に製造されたことから、「Parker 180」に導入された金属バレルも導入されたようです。また、FlighterはParker 45」のクリップや天冠を持っていますが、バレルエンドはプラスチック製のモデルと同じです。
 「Parker 35」は、フランスのメール工場で生産されて、ヨーロッパの市場をターゲットとしたようです。このため、アジアや、アメリカで発見される数が少ないことも納得できます。この「Parker 35」万年筆にボールペンや、シャープペンがセットで作られていたかは、現段階では不明です。このHPをご覧になった方で、万年筆、ボールペン、シャープペンについての情報がありましたらお聞かせください。
 

 
             
       
  「Parker35 Matte Pen」   「Matte Penのキャップリング」   「左から45,35Flighte,35Matte,75の
天冠とエンドキャップ」
 
             
 


  「Parker 35」に関する文献は大変少なく、以下のURL1件詳しい情報が提示されているので、是非、参照されたい。

   http://parkercollector.com/parker35.html (parker collector .com のホームページで「Parker 35」を検索する)

 「Parker 35」は、1986年に「Parker 180 」と同時期に廃盤となってしまいました。