Parker Systemark

Parker's First Roller ball Pen


1975-1983

 
       
「商標とPen」 「商標とPen」 「左        Parker 61」
「右2本 SYSTEMART」

 今回紹介するペンは、万年筆ではなくRoller Ball Penである。
 1960
年代の中頃に、ラベルやパッケージのマーキングやポスターを作成したりするために「Soft-Tip Penが使われていた。Nibの代わりに羊毛で作られたフェルト芯のペン先が使われたペンであ った。Parker社では、1966年に初て「Soft-Tip Pen」を導入した。しかし、このSoft-Tipのフェルト芯は使っているうちにすぐ太くなってしまい耐久性に欠けていた。
 その後、ペン先のフェルト芯を使うことを止めて、
1975年に「SYSTEMARK」ペンを開発し販売することとなった。 このペンはボールペンでの書き味よりも滑らかなタッチである。ゲル状のインクのせいか、濡れたインクのために一層滑らかさを感じる。文字の太さ別にリフィルが安い値段で提供されペンである。通称Roller Ball と呼ばれるペンである。
 
「左        Parker 61」
「右2本 SYSTEMARK」
「4色のSYSTEMARK」 「4色のSYSTEMARK」


 1975
年に導入された「SYSTEMARK」は、キャップ にはつや消しのステンレスを導入した。このキャップのクリップはクロム仕上げの矢羽根を取り付けてある。どちらかと言えばクリップのスタイルは、「Parker 61」のデザインに最も近いものである。バレルは少し 細めで、tassie(天冠)にはバレルと同じ色のプラスチックが填め込まれている。全体にこぢんまりとしたデザインでジョッターの兄弟のように思える。バレルには、ブラック、ブルー、ブラウン、グリーン、ブルゴーニュの5色が用意されていて、米国では 2.98$(日本では2,000円)という安い売り出し価格であった。
 

「キャップのインプリント」 「セクション部分」 「リフィル」

 
1957年に「ボールペン革命」ともいわれたパーカーのボールペンリフィルは、超硬合金の導入をした結果、世界中から絶賛されたのであった。そのボールペンのリフィルで得られた優れた技術をベースにして、ローラーボール・リフィルが開発された。それは毛細管の中のインクの流れをスムーズにすることで、試行錯誤の末にタングステンを使ったり、新しい超硬合金ボールを使用したりすることにより完成をみたのである
 
1980年代にはいると共にローラーボールペンが市場で受け入れられる様にな った。そこで、Parker社はラインモデルを統合して、1981年に 「Vector」に統合し「Systemark」は1983年に廃止となった。
 

「商標」 「Blackと Red」 「Blackと Red」

 今日、パーカー社のあらゆるラインで製造されているローラーボールに使われているリフィルは、30年近くたった「
Systemark」のリフィルと同じ規格であ る。「Systemark」の開発遺産が未だに残されているのである。
 キャップは、インクの蒸発を防ぐために、ピッタリとかぶせられ、まるでスナップ・ボタンをはめる時のようである。また、クリップは最上部まで深く、ポケットにはまるような設計であり、ポケットの奥深くに納めることができるように工夫されている。
 こうした気軽にポケットに差し込んでじゃまにならないことや、計量であることから結構使いかってもいい。油性ボールペンでは時間が経つと油染みがおきるが、水性であることなどの利点から、スケッチにも重宝して使っている。