『おそい・はやい・ひくい・たかい』No.16
編集後記
- 六月の下旬に雨が続いた。梅雨の時期、洗濯物が乾かない。三日間くらいたまった洗い物を、やっと晴れた朝、ベランダにいっぱい干して学校へ行った。午後に図画工作の研究会を校内で開いて、一生懸命(笑)居眠りしながら紙工作にとりくんでいると、急に雲行きがあやしい。突然、雷と大雨、すごい風! むっむっ。眼が醒めた! 研究会どころではない。三日分の洗濯物が風で飛んで濡れているかと思うと、なさけなくなって、涙がでそうだった。夕方、家へ帰ると、半分くらいがベランダに散乱し、結局、もう一度洗濯する。世の中でこんなにつらいことはそうない。
- 先日、午前三時ごろ、とんでもないことが起きた。昔は、深夜によく足がつった。いわゆる、疲れによる“こむら返り”である。ところがこのときは、こむら返りではない。足を思いっきり、タンスにぶつけたのである。夢の中で、ボクは中学生になっていて、三対二のけんかで、不利なシチュエーションである。うしろから、殴りかかってきた! ボクはうしろを向きながらケリを入れようと、足を振りあげた……つもりだったのだ。それは、夢だったのである。しかし、振りあげて、蹴りだした足と、堅いタンスだけは夢ではななかった。足がまともにタンスの引きだしにぶちあたり、左足の指が脱臼した。つれあいも眼を醒まし、「どうしたのおお?」というので、説明したら「バカみたい」と笑われた。たしかに、バカである。だんだん痛みが増してきたが、見ると出血はしなかったので、しばらくしてまた寝入った。完全に「体育教師的モード」になっていた。続きの夢は……覚えていない。
- 一年生がくっついてくる。おんぶしろ、だっこしろ、膝の上に乗せろ……要求が多い。むろん、ボクはできるだけ接触は避けている。まあ、手をつなぐくらいはする。高学年ではこんなことはないから気楽だった。ところが、一年生は油断していると、四肢にしがみついてくる。で、夏はそれが暑い、熱いのである。ただでさえ暑い教室が、ボクの周囲だけ四度くらいは高い。子どもってほんとうに燃焼している。このエネルギーがなにかに利用できないか? 教室がヒートアイランド化している。ワールドカップのサポーターの「熱い応援」なんてメじゃないぞ! 子どもは熱いだけじゃない、「暑苦しい」のだ。
(岡崎 勝)