近況:1999.4.17
新学習指導要領についての原稿書き
新しい学習指導要領が出て、それについて今原稿を書いている。400字で50枚くらいを雑誌に二回に分けて書く。ほとんど、半分以上書けているが、つくづく学習指導要領というのは「煮ても焼いても食えない」ものだと思った。詳しくは後述の雑誌を読んで、批判してもらいたい。
この作業で、学習指導要領の考え方の基本となっている、中教審と教課審のそれぞれの答申を再度読みなおているが、言葉に力がまったくないというのがボクの印象批評だ。
例えば、校長がリーダーシップを取るように!と答申で書かれ、文部省が言ったところで現場では、そういう考えの校長はほとんどいないのではないか。つまり、リーダーシップを取れるような訓練も学習もしていない。大体官製研修の報告等聞くと、何も分かっていないで、字句をそのまま読んでいるだけの委員会管理職の指導を校長が聞いてくるんだからまともであるはずがない。
通常、「体験学習」と言えばルソー流の実物教育や、日本の大正デモクラシーの自由教育、戦後の経験学習との比較検討くらいすればいいのに、それすらやっていない。だから「経験」と言っても学校という教育の場での経験が果たして、教員の意図する過程を子どもが追うかどうかという現実的な問題をどう捕らえていいか分かっていない。生活経験と教育的に配慮されている経験の組織論である。
だから、学力が低下するのではないか?という親や世論に現場がきちんと論理立てて説得で無いのである。一方で、開かれた学校をめざしながらも……。
今回の原稿は、そう言う意味で現場で働く自分を対象化しつつ書いている。
掲載雑誌『飛礫(つぶて)23号』飛礫書房1999年6月刊・&・ 078-672-5601
1999.4.17