ASCU組合員所属の名古屋市立鳴海中学校へ話し合いをするために数名で出向いた。内容は「予備交渉の開始時刻」についてである。とりあえず校長の見解を聞き、組合の要求をなぜ受けないかという論議をしようと考えていたのである。事前に、窓口の担当であるIさんは、校長に訪問する期日と時刻を伝え、相手も了承していた。しかし、彼は、当日の事前打ち合わせでお茶を飲みながら「本当に、きちんと私たちと話をしてくれるでしょうかね?」と不安な顔でボクに聞いた。Kさんも「ロックアウトして私たちを校舎に入れないとか、逃げてしまっているとか(笑)」と言う。
ボクは「いくらなんでもそんなことはしないだろう。名古屋の場合は一応、フツーの校長なら、きちんと受けてくるはずだから、そんな心配はいらないよ」と言った。ところが、それが、大きな間違いだった。
訪問すると、校長は午後から突然年休を取り、教頭が「代弁」するという。むろん教頭は決裁権も委任されていないから、いわゆる「逃げ」である。校長も「年休の権利」はあるが、一言も組合に連絡はなく、礼儀も何もない。これで「誠実に交渉に応じたい。労使関係を円滑にしたい」というから驚く。ボクは、「校長の誠実」を安易に期待したことの不明を恥じて、委員長として、皆に謝罪した。あの玄関に掲げられた校訓?『誠実』の文字が見えにくかったのはボクの視力低下のせいだけではないようだ。
1999.12.7