ボクは名古屋大学の附属高校出身である。と言っても、いわゆる「有名進学校」で
はない。つまり、珍しいが、附属一般のお偉いエリート校ではない。ボクなどいい加
減なので、成績は下から数えた方が早かったし、受験の三年生もずーと、サッカーと
唄で暮れていた。いろんな人間がいたから、ボクはたのしい生活が送れた。
25年から30年ぶり、ひさびさに会って、当時を思い出した。けれど、やはり懐
かしい昔話でなく、今、みんな何をやっているかが問題になっていた。みんなそれな
りに楽しく、苦しく、滅入りながら40代後半を過ごしている。そういう意味からす
ると、同志が集まって、おーーいがんばってるよな!という話が中心になっている。
だから、とても気分がいいし、自慢話をひけらかすのもいなくて、みんな気分が良さ
そうだった。で、結局、みんな当時のままだった。本当に昔のままだった。人はそう
簡単には変わらないのだと、変な核心を持ってしまった。同窓会というイメージがちょ
っと変わった、一夏の経験だった。
2000.8.12