釜の掃除

ミシンの中で一番ごみがたまりやすいのは、釜です。
簡単に取り外しができるものもありますが、取りにくいものもありますので、
必ず取扱説明書を用意して確認しながら行ってください。
(説明書がないと、元に戻せなくなる可能性があるためです。自信の無い方は
専門店にお尋ねください)

   水平釜の場合は、黒い円形の内釜(ボビンケース)を取って掃除します。
   注油の必要性はありません。
   ボビンケース式(半回転)は、半円形の金属の内釜を取って掃除をします。
   後に釜の動く部分にミシン油を1滴さします。
   ボビンケース式(全回転)は、釜が取れませんのでボビンケースを入れる
   ところを掃除します。その後、釜の動く部分に1滴注油します。
   キーキーと金属的な音がする時は、釜の油切れが多いです。
   油は差しすぎると糸に油が付きますので1滴にして、多すぎる時は
   拭きっ取ってください。
 
   油は、必ずミシン油を使います。絶対にその外の油は使わない。
   

動かない場合の確認

・電源スイッチがはいっているか。コンセントに電気がきているか。
・電源コードが古い場合は、途中で断線していないか。コードをいろいろ曲げて
 みて、瞬間的に電気が入ればコードの断線ですので交換します。
・次に、ランプを点灯させます。点灯しない場合は、ミシン本体に電気が
 きていないので、修理が必要です。(ランプ切れを除きます)
・ランプは点灯するが全く動かない場合は、
   1スタートさせてみて、何の音もしない(全く反応が無い)場合は、
    修理が必要です。
   2モーターの回転音がする場合は・・・
        ボビンの糸巻き用の軸が右側になっていれば、
        左に戻せば直ります。
        ボビンの糸巻き時に、はずみ車をゆるめるタイプの
        ミシンは、はずみ車を締めます。
        以上が正常な場合は、ベルト切れ、ゆるみなどですので
        修理が必要です。
   3スタートさせると、エラー音、エラーメッセージがある場合は
        手で、はずみ車を回して普通に動く時は、基板交換、
        部品交換など修理が必要です。
        はずみ車が動かない又は重い場合は、釜に糸くずなどが
        からんでいることがあります。
        この場合は釜の掃除で直ります。釜の掃除の仕方は
        「音が大きい」の項に書いてあります。
      ボビンケース全回転式のミシンで、釜に糸がくい込んだ場合は
      釜が取れませんので、はずみ車を両手で持って逆回転方向に
      強く回すと、糸が取れて一気に軽くなります。  

布を送らない場合の確認

・縫い目の長さのダイヤルが0〜1になっていませんか。普通は2.5位にします。
・針が上にあがった時は、送り歯のギザギザの部分が針板より1ミリ程度出て
 いるのが正常です。確認します。
 ここまで正常でも送らない時は、修理が必要です。
 送り歯が針板の上に出ていない場合は、
   送り歯のギザギザの部分を下げて布を送らないようにする機能がある
   ミシンで、下げた状態になっていませんか。
   送り歯を上げるドロップフィードボタンがあるはずですので、確認して
   上げた状態にします。はずみ車を1回転させると上に出てきます。
   又は、送り歯のごみが原因もありますので、針板をはずして、ギザギザ
   とギザギザの間の谷間を掃除します。。

以上で直らない時は、修理が必要です。

最近のミシンは、注油の必要はありません。そのため、付属品としてミシン油が
付いていません。誤って注油すると故障の原因になります。
取扱説明書には必ず「お手入れ」が書いてありますので、注油もその
指示に従います。
わからない場合は、ミシン本体に注油の穴があれば注油が必要です。
また、付属品としてミシン油がついているものは注油が必要です。
釜や動く部分、注油穴に1滴ずつさします。

ミシンショップイシカワ
  自分で直せる修理 家庭用ミシン


家庭用ミシンの場合

家庭用ミシンは、各メーカーからいろんな機種が販売されており
すべての機種について書くことは不可能ですし、もし書いてもかえって
わかりにくくなると思います。そのため、一般的な機能のミシンを
対象に書きました。ご了承願います。


縫い目(糸調子)関係の難問解決


ミシンは、上糸・下糸・針の3ヶ所が正しければきれいに縫えます。
もちろん、糸調子ダイヤルによる調整は必要です。もし、一ヶ所でも悪いと
糸がつる、糸切れ、目とびなどすべてに関係してきます。
ほとんどの人が自分は正しく掛けたと思い込んでいるのです。
念のため、次の手順で上糸・下糸・針を確認してみてください。
何度も書きますが、この三つすべて正しくないときれいに縫えません。

1.上糸を正しく掛けたか確認する方法

         A順番通り糸掛けして、針穴に通す前の段階で確認します。
          押えレバーを上げた状態で糸を引っ張ります。軽く糸が出て
          来れば正常です。軽く出て来ないときは、どこかに引っかかって
          いるので掛け直して、軽く出てくるまでやり直します。

         B次に押えレバーを下げた状態で確認します。
          糸がきつくなれば正常です。もし、軽く出てくれば糸調子皿にきちんと
          糸が入っていないので、押えレバーを上げた状態で掛け直します。
          
         C掛け直しても変わらない時は、糸調子ダイヤルが弱くなっていません
          か?押えレバーを下げて、ダイヤルを右に回して糸がきつくなれば
          正常です。後は試縫いしながら微調整します。
          ・・・C項は一部の機種には確認できないことがあります・・・

                       


               写真は職業用ミシンの糸調子ダイヤルですが、糸を挟んで
               調節する皿状の金属板が見えます。最近の家庭用ミシンは
               この糸調子皿が中に隠れて外から見えません。


          3針(3回転)位縫うと、ガシャッと大きな音がして止まる場合は
          天秤から糸がはずれているので、掛けなおせば直ります。
          (天秤とは、糸掛け順が4番目位の上下に大きく動くところです)

          以上で上糸の確認は終了です。
          普通地の布2枚で試し縫いをしてください。上糸調節ダイヤルで
          調節すれば正常になると思いますが、ならない場合は原因が
          下糸又は針にあります。
          下記の説明により下糸および針の確認をしてください。

          

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2. 下糸(ボビン)を正しくセットしたか確認する方法

    
水平釜のミシンの場合

       水平釜のボビンはメーカー機種により、形(高さ)が違います。
       
絶対に間違いの無いようにしてください。故障の原因になります。
       釜が磁石になっているため金属製は使用せず、プラスチック製を使うこと。
       高さが正規のものと1ミリ程度違う粗悪品もありますので、ご注意ください。

 メーカー別ボビンの説明  (大きく分けて2種類あります。半回転ボビン=高さ11.5ミリと
         全回転ボビン=高さ9.2ミリです)   

    ★ブラザー   平成14年1月までに購入分  すべて全回転ボビンを使用。
             平成14年2月以後に購入分  全回転ボビン使用と半回転ボビン
                  使用のミシンが平行販売されているので要注意です。
       見分け方・・・ボビンを入れるところのすぐ近くに、ボビンの絵と説明文の
            シールが貼付してあれば、半回転ボビン(高さ11.5ミリ)です。
            シールの貼付が無ければ、全回転ボビン(高さ9.2ミリ)です。

    ★ ジャノメ、ジューキ、ジャガー、ヤマザキなどは、すべて半回転ボビンです。

    ★ シンガーは、半回転ボビンとアポロ釜用、マジックボビン(3種類)などあります。
           種類が多いので、取扱説明書で確認してください。

    
★トヨタは、半回転ボビンですが、形状(肉厚)が他社と違います。糸調子が狂う
            ことがあるので専用品をお使いください。
               

   ボビンを正しくセットしたか確認する方法   

      1 上記のメーカー機種に合ったボビンを使用する
     2 ボビンには糸がきれいに巻いてあるか?
       くしゃくしゃに巻いたものは巻き直す。
     3 ボビンを入れるときの、糸の向きは時計と反対回りになるように入れる。
       この時、
糸の持って行き方が大変重要です。メーカー機種により違います
       ので説明書で確認してください。
     4 数センチ縫ってから、下糸の確認をします。
       糸がボビンの上の手前から向こう側に行っていれば正常。
       機種によっては、ボビンの左側の内釜(注参照)の縁を通っていれば正常。
       失敗の例・・・糸がボビンの向こう側から直接、上にあがっている場合は
               だめです。内釜の手前又は左にある糸調節のバネに通って
               いないためで、ボビンを入れ直してください。
               布裏の糸がゆるゆるの場合は、ほとんどこれです。
        (注)内釜はメーカーによってはボビンケースと言います。


         以上で水平釜タイプの下糸の確認は終了です。


                     
                           

               写真左は、糸がボビンから直接上にあがっているため、失敗です。
               写真右は、糸がボビンの上を通っているので正しい糸調子が得られます。


     ボビンケース式の場合


     ボビンケース式の場合は、ボビンの種類やセット方法はミスが、非常に少ないので
     省略して、糸調節のみ書きます。

    半回転式(ボビンケースに角(つの)がある)
       ボビンをボビンケースに入れて、糸を持ってボビンケースをぶら下げます。
       糸を上下に振ってボビンケースが少しずつ下がれば正常です。
       糸調節バネの小さいネジを左に回すとゆるくなり、右に回すときつくなります
       ので調節します。
       (注)機種によっては、上記説明よりきつくした方が良いものもあります。

    全回転式(ボビンケースに角が無い)
       半回転式と同じ様に調節しますが、糸調節は少しゆるく(弱く)した方が良い
       ものもあります。

        以上でボビンケース式の下糸の確認は終了です。
 
 

ミシンは、長年使用すると糸の繊維が針板の下付近にいっぱいたまります。
針が入る穴付近の金属製の四角い板を針板といいます。針板は通常はネジ
1〜2個を取れば簡単に、はずれますので取ってください。
この時、布押えと針は安全のため、はずしてください。電源も切ります。

針板を取り付ける時の注意
   古いミシンで針板の裏に取り付けの注意が書いてあるものは
   その指示に従ってください。

音の原因が送り歯、釜の場合は掃除と注油で直ることがあります。

以上で家庭用ミシンの自分で直せる修理、難問解決はすべて終わりです。
これはほとんどが取扱説明書に書いてあることです。

このページを読んで直れば本当にうれしいことですが、直らない場合は、
最初にも書きましたが近くに安心できる専門店がきっとあると思いますので、
ご相談されることをおすすめします。

このページに書いてあることは何回も読み返して、できるだけ皆様に分かり易い
様にしたつもりですが、わからないことなどありましたら、ご連絡ください。

最後のお願いは、勝手にネジや部品を取らないでください。大変面倒になります。
ミシンを長持ちさせるには、早めの修理や分解掃除をお勧めします。

音が大きい、変な音がする

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その他の注油

家庭用ミシンの場合

動かない、重い、送らない

動きが重い場合の確認

症状にもよりますが、「大きな音がする」「動かない」項と同じ様に、釜付近の
掃除をおすすめします。

少しは動くがある場所に来ると動かない又は重くなるということが
あります。これは、プラスチック製ギヤの破損が考えられます。
相当古いミシンで発生します。この場合は残念ながら直らないケースが
多いようです。

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   TEL(0562)92−6806  FAX(0562)92−6723

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3 針の確認

    針の種類
       家庭用ミシンには、必ず家庭用ミシン針を使います。
       針の袋又は箱に「HA×1」と書いてあります。DB、DC、TE、BLなどと書い
       てあるものは違います。又、家庭用針は、太い所の裏側が平らです。

    針の太さ
       縫う布の厚さや硬さにより針の太さ、糸の太さを替えないと縫い目が悪く
       なったり針折れの原因になります。下記の一覧表を参考にしてください。
       #11と書いてあれば、11番手ということです。

    針の挿しかた(つけ方)
       ミシン針には、必ず長い溝があります。
       この溝の向きを、必ずボビンを入れる方向を向けて挿します。
       水平釜タイプは、すべて長い溝が手前になります。
       ボビンケース式は、ボビンケースを手前から入れるミシンは
       長い溝が手前になる。ボビンケースを左側から入れるミシンは
       長い溝が左になります。
    
    針の曲がり、磨耗
       針の曲がり確認は、ガラス板などの平面に置いて針が水平になれば良い。
       また、直線縫いの時、針位置が中央になるミシンは、針を穴に入れた時、
       針が針穴の前後の隙間が同じ、さらに左右の隙間が同じであれば正常
       です。(針が針穴の中央が正常ということです)
       針先の磨耗は、縫う時プツプツ音がすれば磨耗しているので交換します。

    聞いた話  あるプロの人のお話ですが、ミシン針にはこだわっていて、洋服
            1着縫うと針を新品に交換するそうです。


     糸について
        あまり古い糸は、糸切れすることがあります。糸を両手で引っ張って
        確認します。
        すぐ切れるようではだめです。折角縫ってもすぐほつれます。
        手が痛いくらいでも切れない糸は大丈夫です。
        又、糸の太さが不揃いな粗悪品もありますので、要注意です。。


        布地による針、糸の太さ関係 一覧表

布地厚 布地 針番手 絹糸・合繊糸 綿糸
薄物 シルク・ジョーゼット・オーガンジーなど #9 #80〜60 #80〜60
普通 キャラコ・ブロード・サッカーなど #11 #80〜60 #80〜50
中厚物 ウール織物・ギャバジン・サージなど #14 #80〜50 #80〜50
厚物 デニム・キャンバス・防水布など #16 #50〜30 #50〜30

     

 以上で縫い目関係として、上糸・下糸・針の確認をしました。
 どこかでミスが発見できましたでしょうか?
 又、文章中でわからないことなど、ございましたらお尋ねください。
 すべて正常でも調子が悪い時は、修理をお勧めします。

送り歯の掃除

送り歯は、布を送る役目です。歯のギザギザとギザギザの間の谷間にごみが
たまると布を送りません。音の原因にもなるので時々は掃除をしてください。

送り歯が磨り減って布を送らないか?というご質問をよく聞きますが通常の
使用では磨り減ることはありません。