2. 下糸(ボビン)を正しくセットしたか確認する方法
               
      1 ボビンケースとボビンは必ず職業用、工業用の金属製を使用する
     2 ボビンには糸がきれいに巻いてあるか?
       くしゃくしゃに巻いたものは巻き直す。
       きれいに巻けない時は、糸巻き用の糸案内(円形になっている)に
       きちんと入っていないためです。
       また、上下に均等にならない時は、指で調整しながら巻く。
     3 
きれいに巻いたボビンをボビンケースに入れます。
       糸を手で持ってボビンケースをぶらさげて、軽く上下にゆすってみます。
       ボビンケースが少しずつ下がれば良い。
       ボビンケースの調節ねじで上記のようになるよう調節します。
       薄地で糸がつる場合は、もう少し弱くします。
       職業用ミシンの下糸調節は、家庭用ミシンより弱くした方が良い
       場合が多いようです。

        以上で下糸の確認は終了です。
 
 

3 針の確認

    針の種類
       職業用ミシンの針は、工業用のDB針を使用するものと家庭用のHA針を
       使用するものがあります。
       ミシン本体に使用針のシールが貼付してある場合がありますので確認
       します。
       職業用ミシンだから工業用針を使うという先入観ですと縫えないばかりか
       故障の原因になるので注意しましょう。
       針の袋又は箱には必ず種類が「DB×1」「HA×1」などと書いてあります。

    針の太さ
       縫う布の厚さや硬さにより針の太さ、糸の太さを替えないと縫い目が悪く
       なったり針折れの原因になります。下記の一覧表を参考にしてください。
       #11と書いてあれば、11番手ということです。

    針の挿しかた(つけ方)
       ミシン針には、必ず長い溝があります。
       この溝の向きを、必ずボビンを入れる方向を向けて挿します。
       職業用ミシンは、ボビンケースを左側から入れますので必ず長い溝が
       左になります。
    
    針の曲がり、磨耗
       針の曲がり確認は、ガラス板などの平面に置いて針が水平になれば良い。
       針を穴に入れた時、針が針穴の前後の隙間が同じ、さらに左右の隙間が
       同じであれば正常です。(針が針穴の中央が正常ということです)
       針先の磨耗は、縫う時プツプツ音がすれば磨耗しているので交換します。

    聞いた話  あるプロの人のお話ですが、ミシン針にはこだわっていて、洋服
            1着縫うと針を新品に交換するそうです。


     糸について
        あまり古い糸は、糸切れすることがあります。糸を両手で引っ張って
        確認します。
        すぐ切れるようではだめです。折角縫ってもすぐほつれます。
        手が痛いくらいでも切れない糸は大丈夫です。
        又、糸の太さが不揃いな粗悪品もありますので、要注意です。。


        布地による針、糸の太さ関係 一覧表

布地厚 布地 針番手 絹糸・合繊糸 綿糸
薄物 シルク・ジョーゼット・オーガンジーなど #9 #80〜60 #80〜60
普通 キャラコ・ブロード・サッカーなど #11 #80〜60 #80〜50
中厚物 ウール織物・ギャバジン・サージなど #14 #80〜50 #80〜50
厚物 デニム・キャンバス・防水布など #16 #50〜30 #50〜30

     

 以上で縫い目関係として、上糸・下糸・針の確認をしました。
 どこかでミスが発見できましたでしょうか?
 又、文章中でわからないことなど、ございましたらお尋ねください。

 すべて正常でも調子が悪い時は、修理をお勧めします。

釜の掃除

ミシンの中で一番ごみがたまりやすいのは、釜です。

   ボビンケースを入れるところを付属のミシンブラシで掃除します。
   その後、釜の動く部分に1滴注油します。
   キーキーと金属的な音がする時は、釜の油切れが多いです。
   油は差しすぎると糸に油が付きますので1滴にして、多すぎる時は
   拭きっ取ってください。
 
   油は、必ずミシン油を使います。絶対にその外の油は使わない。

   ミシン油の取扱
     ミシン油を購入したら差口の先をはさみで切らないでください。
     油が一気に出てしまいます。
     差口の先端を細い虫ピンで刺して細い穴をあけるのです。
     そうすれば容器を押えると必要分の一滴ずつ注油できます。
     容器が硬いので怪我をしないように注意してください。
     私は、虫ピンをタオルか布で包んで慎重にやります。
       

動かない、重い場合の確認

・電源スイッチがはいっているか。コンセントに電気がきているか。
・電源コードが古い場合は、途中で断線していないか。コードをいろいろ曲げて
 みて、瞬間的に電気が入ればコードの断線ですので交換します。
・次に、ランプを点灯させます。点灯しない場合は、ミシン本体に電気が
 きていないので、修理が必要です。(ランプ切れを除きます)
・ランプは点灯するが全く動かない場合は、
   1コントローラーを踏んでも、何の音もしない(全く反応が無い)場合は、
        コントローラー不良かと思います。
        また、リセットボタンがある機種では、何かのショックで
        リセットボタンが作動することがあります。、
        そのボタンを押して戻せば直ります。
        使用量の多い場合は、モーターのカーボンブラシが磨耗して
        いることがあります。この場合は一般的には修理に出します。
   2モーターの回転音がする場合は・・・
        ボビンの糸巻き用の軸が右側になっていれば、
        左に戻せば直ります。
        ボビンの糸巻き時に、はずみ車をゆるめるタイプの
        ミシンは、はずみ車を締めます。
        以上が正常な場合は、ベルト切れ、ゆるみなどですので
        修理が必要です。
   3コントローラーを踏むと、エラー音がする場合は
        手で、はずみ車を回して普通に動く時は、基板交換、
        部品交換など修理が必要です。
        はずみ車が動かない又は重い場合は、釜に糸くずなどが
        からんでいることがあります。
   4釜に糸が喰い込んだ場合は、はずみ車を両手で持って逆回転方向に
        強く回すと、糸が取れて一気に軽くなります。  

布を送らない場合の確認

・縫い目の長さのダイヤルが0〜1になっていませんか。普通は2.5位にします。
・針が上にあがった時は、送り歯のギザギザの部分が針板より1ミリ程度出て
 いるのが正常です。確認します。
 ここまで正常でも送らない時は、修理が必要です。
・送り歯が針板の上に出ていない場合は、
   送り歯のギザギザの部分を下げて布を送らないようにする機能がある
   ミシンで、下げた状態になっていませんか。
   送り歯を上下させるドロップフィードのボタンかダイヤルがある筈ですので、
   確認して上げた状態にします。
   はずみ車を1回転させると上に出てきます。
   又は、送り歯のごみが原因もありますので、針板をはずして、ギザギザ
   とギザギザの間の谷間を掃除します。。

以上で直らない時は、修理が必要です。

ミシンショップイシカワ
  自分で直せる修理 職業用ミシン

職業用ミシンの場合

職業用ミシンは、各メーカーからいろんな機種が販売されておりますが
一番多く使われている直線専用ミシン(本縫いミシン)について書きます。
このミシンの場合は、どのメーカーも基本的な操作や機能は、ほとんど同じです。
又、丈夫に出来ていますので長持ちで故障も少ないです。
修理に出す前にここを読んで確認されると良いでしょう。


縫い目(糸調子)関係の難問解決


ミシンは、上糸・下糸・針の3ヶ所が正しければきれいに縫えます。
もちろん、糸調子ダイヤルによる調整は必要です。もし、一ヶ所でも悪いと
糸がつる、糸切れ、目とびなどすべてに関係してきます。
ほとんどの人が自分は正しく掛けたと思い込んでいるのです。
念のため、次の手順で上糸・下糸・針を確認してみてください。
何度も書きますが、この三つすべて正しくないときれいに縫えません。

1.上糸を正しく掛けたか確認する方法

          職業用ミシンは、最初に糸を掛ける糸案内(針金状のもの)を
          必ず上にあげてください。そして、押えレバーを上げた状態で
          順番通り糸掛けして、針穴に通す前の段階で確認します。
          押えレバーを上げた状態で糸を引っ張ります。軽く糸が出て
          来れば正常です。軽く出て来ないときは、どこかに引っかかって
          いるので掛け直して、軽く出てくるまでやり直します。

          次に押えレバーを下げた状態で確認します。
          糸がきつくなれば正常です。もし、軽く出てくる時は糸調子皿に
          糸が入っていないので、押えレバーを上げた状態で掛け直して
          糸調子皿の中に糸を入れます。
          きちんと入っていても、軽く出て来る時は糸調子ダイヤルが
          弱いので、ダイヤルを右に回して強くします。
          
          上糸調節がわからなくなった時は、
          糸を引っ張りながら糸調子ダイヤルを左に回します。
          糸が軽く出て来るところで止めて、今度はダイヤルを右に回して
          きつくなるところで終わります。後は試縫いして微調整します。

          3針(3回転)位縫うと、ガシャッと大きな音がして止まる場合は
          天秤から糸がはずれているので、掛けなおせば直ります。
          (天秤とは、糸掛け順が4番目位の上下に大きく動くところです)

          以上で上糸の確認は終了です。
          普通地の布2枚で試し縫いをしてください。上糸調節ダイヤルで
          調節すれば正常になると思いますが、ならない場合は原因が
          下糸又は針にあります。
          下記の説明により下糸および針の確認をしてください。

          

以上で職業用ミシンの自分で直せる修理、難問解決はすべて終わりです。
これはほとんどが取扱説明書に書いてあることです。

このページを読んで直れば本当にうれしいことですが、直らない場合は、
最初にも書きましたが近くに安心できる専門店がきっとあると思いますので、
ご相談されることをおすすめします。

このページ作成にあたり何回も読み直して、できるだけわかりやすく
書いたつもりですが、わからないことなどありましたら、ご連絡ください。
最後のお願いは、勝手にネジや部品を取らないでください。
大変面倒になります。

ミシンを長持ちさせるには、早めの修理や分解掃除をお勧めします。

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         写真は職業用ミシンの糸調子ダイヤルです。糸を挟んで調節する金属製で
         皿状の糸調子皿の間に糸を確実に入れることが大切です。

  

その他の注油

自分で直せる修理
家庭用ミシンへ

職業用ミシンの場合

ミシンは、長年使用すると糸の繊維が針板の下付近にいっぱいたまります。
針が入る穴付近の金属製の板を針板といいます。針板は通常はネジ
1〜2個を取れば簡単に、はずれますので取ってください。
この時、布押えと針は安全のため、はずしてください。電源も切ります。

音の原因が送り歯、釜の場合は掃除と注油で直ることがあります。

送り歯の掃除

送り歯は、布を送る役目です。歯のギザギザとギザギザの間の谷間にごみが
たまると布を送りません。音の原因にもなるので時々は掃除をしてください。

送り歯が磨り減って布を送らないか?というご質問をよく聞きますが通常の
使用では磨り減ることはありません。

最近の家庭用ミシンは、注油の必要はありませんが職業用ミシンは必要です。
取扱説明書には必ず「お手入れ」が書いてありますので、注油もその
指示に従います。
わからない場合は、ミシン本体の注油の穴と釜や動く部分に1滴ずつさします。
手ではずみ車を回して油を浸透させます。
注油後は必ず試縫いをします。

職業用ミシンの場合

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音が大きい、変な音がする

動かない、重い、送らない