コーチの言うことが「分からない」時は 「コーチに質問」をクリック

エルゴメーターのメーカーが提供している教則ビデをです。是非一見を。

「手はまっすぐ伸ばせ」

●「手を伸ばせ」は、「ボートは足で漕げ」と言うアドバイスとほとんど同じ意味です。
●ボートを漕ぐ動作の中で手を伸ばさない状態になるのは漕ぎ終わり(=フィニッシュ)の前後だけです。
●「フィニッシュ」の後、「フォワード」に先立って手を突き出す動作を「ハンザウェイ」といって、特にやかましく指導するコーチもいます。
●「手を伸ばせ」は漕ぎ手の姿勢の基本中の基本と言えるでしょう。

「手が伸びていない」とどうなるか

●手が伸びておらず、肘が曲がっていると足でストレッチャー板を押した力が、オールに伝わりません。または、手を曲げて居れる程度にしか、足で押していないとも言えます。
●手が伸びていないと、オールを動かす範囲が短くなってしまいます。「漕ぎが小さい」と指摘される状態になるのです。
●肘が曲がっていると、オールを握るグリップがフラフラしてしまうこともあります。

「フォワードをゆっくり」

●「フォワード」は漕手がボートの後方に移動する動作のことです。「フォワード」は"力を抜く"ことがポイントです。漕手はシートに腰掛けているだけで、シートがレール上を転がっていくのです。決して足を使って引き寄せる動作ではありません。ベテラン漕手は「重力に引かれて動いていく」とか「シートの下で、コロコロしているのを楽しむ」などと面白い表現で伝えています。(=ラッシュ・フォワードはやめましょう)
●コーチが強調する「フォワードをゆっくり」にはもう一つ別の意味があります。それは漕ぎ切った状態(=フィニッシュ)で、そのままの体勢をしばらく保持するという意味です。その間に、フィニッシュの姿勢を確認し、左右のバランスを確認し、艇の傾きを正します。ウォーミングアップや練習時には特別に重要なことです。

「フォワードをゆっくり」にしないとどうなるか

●「フォワード」の動作は、どうしても艇を止める"力"を発生します。この影響を上手に逃がしてやることが重要です。「下手なフォワード」(=ラッシュ・フォワードなど)は、艇がガタガタ揺れてスピードが乗らず、漕ぎも力が入らないなどという悪循環に陥ります。
●「フォワード」で力を抜き、"漕ぎ"で爆発的に力を出す"漕ぎのめりはり"が重要で、力を入れっぱなしでは満足な"漕ぎ"が得られません。力を入れっぱなしにしていると、水の抵抗によって水中のオールスピードが知らず知らずに落ちていたりするのです。反対に「ゆっくりフォワード」は、漕ぎの時に水中のオールを早く引く意識を鮮明にします。
●レースでは早いピッチで漕ぐことが要求されますが、「フォワードをゆっくり・力を抜いて」は変わりません。

「キャッチ」で上体を起こすな

●「キャッチ」の瞬間に足はストレッチャー板を押すけれど、上体が残ってオールが引けていない状態が「尻逃げ」。ひどい時には、腰が浮いてシートから落ちてしまうこともあります。
●「尻逃げ」の反対に、上体がオールを引いているのに足が動いていない瞬間がある変な癖のことを、コーチは「キャッチで上体が起きる(立つ)」と言って注意します。
●ひどい癖の人は、「キャッチ」の瞬間にシートが更に前に出ることもあるそうです。
●この癖の特徴は、本人は全力でオールを引いたつもりでいることです。足が動いていないことに気づかないまま、漕ぎ方の"悪い癖"になってしまうことが多いのです。

「キャッチ」で上体が起きるとどうなるか

●「キャッチ」で一番力を集中する時に、足の筋肉を使っていないので、力のポイントが揃いません。
●足を使い始めた時には上体が起きてしまっているため、力が入る漕ぎの長さが不足します。
●長さを稼ぐために、上体をさらに引くので仰向けに近くなる。これでは、ピッチが上げられません。
●更に、この癖の人は「キャッチ」の時、オールのグリップを斜め上に引き上げる傾向があるようです。これはオールのブレードが斜めに水に入ることになり、コーチから「オールが戻っている」と指摘される悪い癖につながります。1ストロークあたり10pの"戻り"でも1000mのレースでは15mものロスを生むのです。