ようこそ! ひとみの部屋へ


「欲と心」


おはようございます、ルナのひとみです。
今日のお話は、私もつい最近までまったく気が付いていなかったことです。
はっきり言って女の持つ「浅はかさ」「傲慢」です。
私の中にその本質がありました。
「女であるひとみ」自身のの間違いですから、あからさまに白状します。

貴女が主人公の「例え話」で話を進めていきますね。

「好きはすべてを超越する最高の宝物?」

貴女は女です。
生まれた瞬間から赤い糸で結ばれた男性を捜し求めます。
この人ではないだろうかと、色々な男性と出会いますが、なかなか見つかりません。
最後に今の彼を見つけました。寝ても覚めても頭の中は彼のことでいっぱいです。
ところがその彼には奥さんと息子さんの家族がありました。
常識豊かな貴女は、好きで好きで仕方がない彼の体は望みませんでした。
せめて心だけは通じてもいいのではないかと、メールのやり取りが始まります。

本当に赤い糸で結ばれていたのでしょう。
彼は貴女の「好き」を受け止め、頻繁にメールのやり取りが続きます。
かわいそうなことに彼は「彼の奥さん」とは赤い糸では結ばれていませんでした。
しかし頭脳明晰な彼は、そのことを隠して仲の良い夫婦を演じていました。
でも彼の奥さんは心の底から彼を愛していました。
が、彼は心の底を奥さんには見せていませんでした。仕方のないことです。

貴女の「好き」という感情を受け止めてくれた彼は
貴女には、今まで絶対誰にも見せたことのない「暗い悲しみの気持ち」を見せてくれます。
ああ、この人は私を必要としている。
本当の心の交流は私でしか出来ないの。
体なんか求めない、心だけなら浮気にならないわよね。
私絶対に誰にも後ろ指指されることはしてないもん!

ひとみの中にある「傲慢」はこのことです。
好きになってしまえば、自分中心の目しかなくなってしまいます。
すべてのことを超越して、無制限の自由、それは人を好きになること。
絶対に誰も邪魔をすることが出来ない最高の宝、それは「愛」よ。

でもね、ひとつだけ考えて欲しいことがあるの。
逆の立場で、貴女が愛する旦那様と結婚していると考えてください。
貴女の目の前で「彼」は「彼女」とメールをしあっています。
隠れて会社のパソコンで長い長いメールをやり取りしていることぐらい、わかってしまいます。
肉体関係のない彼は、胸を張って「彼女とはなにもない」と言い張ります。
ひとみは若い子が「肉体関係がないから、どんなに心が通じていても浮気じゃないよね?」
と言っているのを何度も聞きました。
貴女は旦那様と彼女のそんな関係を目の前にして、どう思います?
針のむしろに座らされているようなものでしょ。

「好き」を貫き通すのは、女の最高の勲章と思っている貴女は
そのことが引き起こす悲しみをわかろうとしません。
完全に自分さえ良ければの世界から抜け出るつもりは、さらさらありません。
これがあなたの犯したひとつ目の「罪」です。

ところが彼の奥さんが突然亡くなってしまいました。
彼が独身になってしまったのです。
もう何をしようが「浮気」ではありません。
一生懸命押さえていた「タガ」が外れました。
嬉しいことに、彼は奥さんが亡くなって1年も経たないのに、貴女を求めてきました。
貴女はとうとう「好き」を貫き通して、体を開きます。
ひとみは女です。
貴女の一途な「好き」がとうとう実ったのです。
思わず、良かったねえと諸手をあげて祝福しました。

「月である父」からぶん殴られました。
赤い糸だ、好きを貫き通すだと、色狂いに酔いしれるのもいい加減にしろと。
好きは最高の宝で、無制限の自由があると、本気で思っているのか。
どれだけお前の姉さんたちが「自由恋愛」を主張して、この世を乱したのか知っているだろ!
「好き」を本当の「愛」に高めるのには、ルールがあるのだ。
「好きを貫き通す」ことで一人でも悲しみの世界に突き落とすなら、それは単なる「欲」だ。
相手を何が何でも自分のものにしたいと言う「我欲」以外のなにものでもない。

ひとみ、お前に考えてもらいたいことがある。
この女性が手に入れた彼には「息子」がいただろう。
若干二十歳の男の子が、お母さんを失ったのだぞ。
その悲しみがどれのどのものか、馬鹿なお前にも少しはわかるだろう。
ところがお父さんは寂しさのあまり、1年の経たないのに母でない女のところへ行っちゃった。
こらえ性のないひとみよ、お前なら気が狂っているだろうな。

彼の奥さんが病気の時、それを必死で看病していた人達の気持ちはは何処へ行ったというのだ。
それらの人の思いを、一体お前はどうしようと言うのか。
ひとみよ、お前が諸手をあげて祝福した女性は、
亡くなった奥さんの位牌とお墓の前に行ったのか?
悲しみのどん底の息子さんにちゃんと話をして、詫びたのか?
それどころか、おそらく非難されるのを怖がり、逃げまくっているのだろう?
どこが「愛を貫き通す」と言うのだ。
「我欲を貫き通した」だけじゃあないのか。

「例え話」にしてもだ、この女性を非難するのはやめておこう。
ひとみはわが娘ゆえ、とことん話してあげよう。

ひとみの言う「好き」は「欲」なのだ。
お父さんは「欲」が良くないと言っている訳ではないのだよ。
「欲」と言うのは人間が生きていくためには、生きたいという「欲」がなければならない。
だから私が人間に「欲」を与えた。
だが私の予想外のことが起きてしまった。
「欲」には自らを「制限」するということがない。
ひとみよ、「無制限の自由」は「無制限の欲」でもあるということに気が付いて欲しい。
だが「女神」に「自由」「平等」ということを教えてしまった責任は私にある。
しかし「絶対自由」「絶対平等」はないということを教え忘れてしまった。

私はこの世を「縦糸」と「横糸」を織り成して作った。
縦糸には「順番」という厳しい制限がある。
「横糸」はまったく順番という差のない「完全平等の世界」です。
横糸だけしか見えない女であるひとみに、縦糸を「わかれ」と言うのは難しいかもしれない。
だが「好きを貫き通した」時に起きる、様々な悲しみのことを忘れないで欲しい。

ひとみには「好き」と「愛情」を間違えないで欲しい。
「好き」は「欲」です。
「欲」はほっておけば無制限に大きくなってしまう。
その「欲」を微調整するもの、それが「心」なんだよ。
絶対に間違うな、「好きという感情」「欲」は「心」ではない。
「自」ではなく「他」を思いやる気持ち、それだけが「心」なんだよ。
だから「欲」を「心」で微調整しながら育てれば、それは「愛」さ。

100%女であるひとみにこのことを話しても、まず反発が来るだろう。
「愛」に制限なんかあるはずがない、「好き」という気持ちに制限なんかあるはずがないと。
「隙という感情」は「欲」であり、「愛」ではないことに気が付かなかったことが
女の最大の「罪」だったんだよ。
「犯した罪」は償わなければなりません。
お前の姉さん、途上姫さん達は「犯した罪」を立派に「償った」。
体も無くなるほどボロボロになりながら。
だからこそ言ったんだよ。

「人間さん、今度はあなた方の番ですね」と。


お父さん、ひとみはもう何も言えません。
そして「心」とは何だろう、何処にあるのだろうと考えることもやめます。
ここでいち早くこの問題を「心」でクリアーした
途上姫姉さんのお言葉を掲載して終わりにします。
男神様、女の浅はかさ、傲慢で大変ご迷惑をお掛けしましたこと
改めて心からお詫び申し上げます。

他人をあざむくことの罪ではなく、自分自身をあざむいたという点です。
自分に嘘をつき続ける限り、数限りないものを傷つけ、
なによりも自分を傷つける。

ひとつの関係性が正しくないと判断した自分の声を、
闇の彼方に葬ってしまうことが一番罪深いことだと、私は考えます。
歪みの無いまっすぐな道を、自分の声につけてあげることです。
おどろおどろは、まっすぐな道の先にはありません。



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