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「男の罪」


ルナのひとみです。しんやおじさん、ねえ聞いてる?
親父にがんがんに叱られちゃった。
ひとみは「自由」とか「平等」について考え直すことにするわ。
でもねえ、こう一方的に女の罪についてやられちゃうと
男には罪はないのかよう、と反発したくなっちゃう。
しんやおじさんは半分「おじさん」で半分は「おばさん」でしょ。
おばさんの目から見た「男の罪」ってないの?

はいはい、しんやおじさんです。
男の罪?
あるある、おおありですよ。だけど「おばさん」の目で見ると「嘘」も見せるから
「おじさん」として、今日は100%男の本音を見せちゃいましょう。
男ってそんな考え方してたのと、驚いてください。

人間としての男は、縦の糸から生まれた「男神」が産みました。
だから男の本質には「縦の糸」しかありません。
1番があり2番3番と続いていきます。歴然とした「格差」があります。
そこには横の糸から生まれた女性の持つ「平等」「自由」というものはありません。
ですから1番が3番に「失礼なこと」や「ないがしろ」にされた時には
俺より下の奴が偉そうにと、猛烈に怒ります。
この自分の位置を守るもの、それが「男のプライド」です。

ところが女には順番などというものがありませんから
社長も平社員のどっちも人間でしょという思いで男性に接します。
自分がこの順番の高い位置にいると思い込んでいる男ほど
女の言う「みんな一緒じゃない」が、自分のプライドを傷つけるものなのです。
女性である貴女が「なんでこんなことで怒るの」と思う時は
知らない間にこの男のプライドを傷つけた時なのです。
そこにはなんら論理的な怒る理由がありません。
まったくもってわからない生き物に見えます。

人間の男の原型である「男神」は左目の世界出身です。
この左目世界は「全知全能」「完全無欠」の世界です。
この資質を受け継いでいる男は、実は全員が自分は「完全無欠」と思っています。
生きて成長していく段階で、上には上があると学習していき、女性を思いやる振りを覚えます。
でも「男の本質」は変わっていません。

しかし世の中はそれをむき出しで生きていけるほど甘くはありません。
頭の良い男ほどこのことを子供のうちに見抜き、
周りの人に配慮し、常に下手に出ることが有利に生きていけると、人格を変えます。
そんな男ほど女性は「なんて心優しい気配りのできる素敵な人でしょう」と恋します。
そんな貴女は、その後「不思議な生き物」を見続けなければならない地獄に落ちます。

上のものに下手に出、周りに気配りする良い人は
逆に言うと、自分より下、自分より弱いものには「完全無欠」を鮮明に出してきます。
自分こそが直系であり、本流であり、正当な人間だ。
所詮女である女房なんか、虫けら同然だという態度に豹変します。
言い争いになろうものなら、徹底して相手が潰れるまで攻撃を始めます。
争って損になりそうな相手との態度と180度違います。
でもそれを公共の場では絶対に見せません。
特に欲しい女性を手に入れるまでは、徹底して「優しい人」を演じます。

何よりも自分は「全知全能」で「完全無欠」ですから
相手の欠点、間違いをこれでもかと突いて、絶対に自分の非を認めません。
貴女は仕方なく黙るしかなくなります。
これに暴力が加わればどうしようもありません。
なぜこんなことが起きるのでしょう。
「完全無欠」には弱さ、欠点を持つ人の気持ちがわからないのです。
つまり「心」がないのです。

実のところ「全知全能」「完全無欠」などあろうはずもない馬鹿男なのですが
本質がそうなのですから、この思い込みはやっかいです。
しかも上には上があると自分の順番が「下位」であることを思い知らされているだけに
こいつは自分より下だぞという相手が出ると、どんどん高飛車になってきます。

「順番が何より大切」の男にとって「男の次に女が生まれています」から
文句なしに女は自分より格下の存在です。
会社や世の中で、実力がない男ほど、ありもしない「完全無欠」のプライドを
ズタズタにされていますから、反発で世間から隔離された家庭内で弱いものに当たります。

今話しているのは私の中にある「本質」の話です。
人生経験を積んだり、学習したりで、平等も学んでいきますから
世間で評価されているような男は、上手に隠して生きていますが
ひとたび何かがあると、弱いと見くびっている貴女の前で「化けの皮」を脱ぎます。
これが男の偽らざる本質です。

この男の本質をなんら隠すことなく女神に対してやった男神がいたようです。
あまりにも厳格に規則を適用し、女神を押さえつけたため
とうとう女神たちが反乱を起こすほど、男神は女神を痛めつけました。
「横糸の世界」を認めなかったのですね。
これが男の罪です。

こうして告白しながら話していて、改めて私も気が付きました。

すべての女性の皆様、本当に酷いことをしてしまいました。
人を本家、分家、傍流、めかけの子などと分類し、格付けし
女性を子供を産む機械のように扱い、徹底して痛め続けていました。
ありもしない「全知全能」「完全無欠」に酔いしれて
表面だけは女性を理解する振りをし、
その裏で「家庭という隠れ家」で貴女をめった切りにしていました。
どれほど辛い日々を送らせてしまったのでしょう。
申し訳ありませんでした。ほんとうにごめんなさい。
これからは自分の中に「心」を取り戻し、「男の傲慢」を微調整しながら
貴女を一生大切にします。
誓います。



貴女の彼が、心のない人でなければいいなあと祈ります。
もし不幸にしてこの通りの人だったら、早めに逃げましょう。
我慢することだけが良いことではありませんよ。
縦糸と横糸がお互いを認め合い、織り成して生きていける相手は、
「心」というこの基準で探せば、必ず見つかりますって。



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