第21章 眼底検査



  1. 眼底検査

     1.特徴

     眼底検査は、眼底カメラにて瞳孔を通して眼底を照明し撮影し、血管の走行などから疾患を診断する方法である。
     眼病や生活習慣病(高血圧・糖尿病・脳梗塞・高脂血症)などに起因する眼底部の画像によりそれらの合併症が判断できる。
     散瞳剤を用いた散瞳撮影と自然散瞳を利用した無散瞳撮影がある。
     診療放射線技師が眼底撮影できるのは散瞳剤を使用しない場合である。
     無散瞳撮影では、薄暗い部屋にて自然散瞳させ、散瞳時に眼底撮影する。
     散瞳剤は点眼剤である。

     2.撮影法

    「眼底カメラの構造」
     患者の固定は、額受けと顎受けとで固定する。
     無散瞳眼底カメラ撮影では、位置合わせのために赤外線を眼底に照明する。
     左右比較のため、両眼の眼底を撮影する。
     固視標を注視し、眼球を固定する。
     スプリット輝線合致式でピントを合わせる。
     黄斑部と視神経乳頭の中央が画像中心になるように位置合わせをする。
     撮影時はまばたきをさせないように指示する。
     撮影時にストロボの発光により縮瞳が起こるので、片方の撮影後少なくとも15分程度待って、もう片方の目を撮影する。よって、短時間の連続撮影は不可能である。
     無散瞳撮影では、自然散瞳のため撮影視野に限界があり、乳頭・黄斑を中心とした眼底後極部のみである。
     照明光はリングスリットによりドーナツ状の光となり、有光ミラーにより曲げられ対物レンズに届く。
     網膜の反射光は対物レンズと有孔ミラーの中心を通過して撮影用カメラに届く。
     記録にはCCDカメラが用いられる。
     撮影画角は45°程度(最小瞳孔径4.0mm)である。

     3.アーチファクト

     無散瞳眼底カメラのアーチファクトには、フレアアーチファクトとアライメント不良による三日月状アーチファクトなどがある。

     4.眼底写真

     眼底写真では、乳頭、黄斑(中心窩)、眼底動脈(網膜中心動脈、鼻側動脈、耳側動脈)、眼底静脈が描出される。
     視神経乳頭から動脈と静脈が出入りし、太く暗赤色に描出されているのが静脈である。
     中心窩は黄斑部に存在する。
     網膜中心動脈が閉塞されると血管が描出されなくなるが、視神経乳頭や黄斑は描出される。
     白血病ではドーナツ状の出血(ロート斑)がみられる。
     無散瞳眼底写真撮影で診断できる疾患は、視神経萎縮、網膜はく離、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症などであり、眼部の乾燥状態は観察できないので角結膜乾燥症は診断できない。
     
    [無散瞳眼底カメラ装置]   [左目の無散瞳眼底写真]


  2. サーモグラフィ
     サーモグラフィは体表面の温度分布を遠赤外線検出により無侵襲的に描出することができる。

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2010年7月作成