たけぼんの4歳の頃



ひかりの卒園式
ひかりの家卒園
4歳になり壮流は地域の保育園に受け入れてもらう事になり3月でこれまで通っていた母子通園施設を卒園する事になりました。ここへ通ったのは1年ちょっとですが今でもたびたび訪れる親子で思い出深い場所です。
ひかりの家の保育は障害児の中に健常児もいるといった統合保育です。
週2回の給食はお母さんや子供達も当番で参加したり玄米ごはんだったり・・・ちゃんと掃除の時間もあるし環境保護のためゴミは極力だせないように紙おむつ、ぬれナップは禁止、洗剤だって使わない(洗い物には米のとぎ汁を利用したり、新聞紙で窓ガラスを拭いたりする)です。
何でも売ってる今の世の中、昔の人がしていたように生活していくのには抵抗があったりもします。でも、将来子供達が安心して生きていくためにもひかりの家での取り組みはすばらしいと思います。私も家庭では実行していない事もありますがいつもこの精神を頭の片隅に持ち続けています。
ここへいくといつもたくさんの親子や先生の笑顔があります。
大人達みんなが自分の子もよその子もわけへだてなくめんどうみている姿がとてもほほえましいです。役員をやらせてもらってお母さん達の思いを書いた卒業文集を作ったらどうか、と提案したところ実行される事になり、今でもずっと続けられているようです。
  
おばあちゃんの死  
壮流が市内の保育園に通い初めて、ちょうど1ヶ月が過ぎた頃でした。おばあちゃん(私の母)が亡くなりました。
心筋梗塞で突然の事でした。物事を深く考え込んでしまうおじいちゃんに対してあっけらかんとしたおおらかなおばあちゃんでした。
私が壮流の事で落ち込んでいる時にも「何とかなっていくよ」と励ましてくれました。入院中の付き添いを変わってくれたりもしました。
一緒に暮らしていた家族が亡くなるのはとても悲しくつらい事です。
壮流の中には毎日のようにお風呂に入れてくれたおばあちゃんの記憶は残されていないかもしれませんが、その時にいっぱい愛されていた事は伝わっていると思います。



                           
                           
訓練
初めて入院したあとの生後8ヶ月から機能訓練としてPT(理学療法)を受けました。
その頃は発作もひどくて、せっかく訓練に連れて行っても着いた時にはずっと寝ている事が多かったです。それでも「せっかく来たのだから」と先生に日頃の様子を話したり、日常生活の中での子供と接する時のアドバイスを聞いて帰ってきました。
この頃の私はとにかく必死に訓練に通えば壮流は普通の子として育てられると信じていたのです。3歳になって歩けるようになってPTが終了になった時、先生は「たけちゃんは発作もひどく寝ている事も多かったから歩くのも遅れてしまっただけで、訓練の成果というより本来の歩ける力を今やっと出せたんだよ。」と言われました。
でも、違います。確かに、訓練の時は寝ている事が多かったけど、先生のところへ通って励ましてもらえる事が私にとって嬉しかったし、壮流の力を信じる気持ちが大きな希望ともなっていったからだからこそと思います。
 

PTが終われば、次はOT(作業療法)です。
点頭てんかんの子は手先を使う事が苦手だと言われています。それは、脳性麻痺の子のように身体が不自由で自分の思うように動かせない、というのと違って物事への興味・関心が少ないために脳からの指令がうまく出されないからのような気がします。
こういった場合のOTって難しいのかもしれませんが、本人が嫌がっているのに無理矢理座らせて碁石をつまむ練習をさせても、ちっともおもしろくないだろうし結局身についていかない気がして、4歳半で中断しました。
でも、親としてはどこかへ通っていないとなんだか不安というか親としての役目をさぼっているようで(これ本音です)何かしなくちゃと思っていた時に友だちから大学で行われているプレー(遊技療法)の事を聞きました。
これは、障害教育を勉強している学生さんと遊ぶ中で人との関わりを持って興味・関心を引き出していくというもの。
これなら、壮流も楽しく通えそうという事で週に一回お世話になる事にしました。うちの子の場合はまだ目や手を使っておもちゃなどで遊ぶのは難しいので、身体全体の感覚を使って楽しめるという意味でトランポリンからスタートしました。
毎回、プレーのあと学生さんから子供の様子を伝えてもらい、3ヶ月に一度くらいで担当の先生との話があります。この時に、発達相談ができますし、とってもいい感じで現在でも続けています。
訓練にはいろいろありますが、初めて病名を宣告された時ある先生が「親として、その時そのときで、子供にとって良いと思う事をしていってあげればいいんだよ」と言われて、この意味があの時はよくわからなかったのですが、訓練もそのうちの一つの方法なんだと思います。


保育園の先生と