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  〜恋は負けない〜
  (Main:ゆうひ Genre:ほのぼの Written by:竹枕)






  負け日、というものがある。


  不幸が折り重なり黒く冷たい一枚の鉄の板のようになって、自分を押しつぶすため後から後から
 倒れ襲い掛かってくる日。


  何をやっても上手くいかない、もがけばもがくほど更に泥沼へはまり込んでいく。そんな自分に
 ぐすんとしちゃうほど悔しくなるそんな日が。


 「……スー……」


  暖かい布団の中で、眠りの海の底深くいびきのアクアラングをつけて潜水しているゆうひはまだ
 それを知らない。


  ピピピピピピピピピ……


 「んー……? ぅ、ん」


  朝。頭上でけたたましく鳴り響く電子音に、ゆうひは僅かに身じろぎすると目をつむったまま、
 慣れた手つきで目覚ましを止めてしまった。


 「うにゃ〜……」


  暫しまた惰眠をむさぼる。この瞬間がまた格段に気持ち良い。


 「……あれ?」


  ツー、ポツポツとモールス信号のように途切れ途切れの意識の中、ふと疑問が湧いてくる。


 「なんでこないな時間に……?!」


  寝惚け眼で再び見上げた短針長針の位置に、思い出したゆうひは慌ててベッドから跳ね起きた。


  今朝は洗濯するために、早めに目覚ましをセットしたのを。


 「た、大変! はよせな」


  ゆうひはパジャマのままドタドタと階段を駆け下りると、抱えてきた洗い物を放り込んで洗濯機
 を回し、その間自分は身支度を始める。


 「む〜」


  歯を磨き、服を着替え再び洗面所へと戻ってくると今度は鏡の前でブラシ片手に寝癖と格闘。


  そうして洗濯機の方へ目をやると電源ボタンが上がっており。すでにその仕事を終えた事を示し
 ていた。


 「あ、もう終わったみたいやね〜♪」


  大人数用の大きな洗濯槽に半ば頭を突っ込む形で、キュッと絞り込まれた洗濯物を次々と赤い洗
 濯籠へと取り出していたその時。


  べちゃ。


 「……べちゃ?」


  一体何が? 起こったのか一瞬ゆうひには分からなかった。ただ冷たいものが通り過ぎていった
 足元に視線を落とすと。


 「なんや脱水が上手くいってない物でもあったかな……ってドワー!」


  そこにあったものに思わずノリツッコミ風に、ゆうひは素っ頓狂な声を上げる。


 「な、なんやコリャー!」


  洗濯され、びしょびしょになった小さなコンビニのビニル袋。何時の間にか洗濯物の中に紛れ込
 んだのだ。


  さすがにビニル袋が完全に脱水される事は無く、中に溜まっていた水がこぼれ着替えたばかりの
 ゆうひの服を汚していた。


 「着替えたばっかやのに……シクシクシクシク」


 「ん? なんだどしたゆうひ」


 「えっ、あ、耕介くん……」


 「うす。おはよ」


  半べそで濡れたスカートとストッキングに包まれた足を拭いていた所に、突然現れた耕介にやや
 戸惑いつつも、ゆうひは簡単に事の次第を説明する。


 「そりゃ災難だったな。ところで時間の方は大丈夫なのか?」


 「あう。結構、やばい」


  耕介から今の時刻を告げられ、顔が曇る。もうそろそろ寮を出た方が良い時間が迫っていた。


 「なんならそれは俺が干しておいてやるけど、どうする?」


 「え、やー、あの、ちょっとそれは……」


 「?」


  気の合う友人。今はちょっと気になる人。


  そんな人に見せるには少し憚られる自分の洗濯物。


 「ちょと……汚れ物やから」


  ゆうひが悪いわけではない。女の子の下着は汚れるものなのだ。


  本当は嬉し楽しいはずの耕介との会話だが、今だけは早く終わってくれとゆうひは何時しか心の
 中で祈っていた。


 「そうか」


  その祈りが通じたのか、他にする事があったのか。


  案外すんなりと耕介はドアの向こうへと姿を消した、かに思われたのだが。


 「はぁ。こーすけくんたらよーやく向こうへ行ってくれたわ……あ」


 「ゴメンゆうひ、俺邪魔してたか?」


 「こ、耕介くん……いや! ちゃ、ちゃうねん!」


  ふとドアの方を見やったゆうひの顔がピキッ、と蝋のように固まる。


  安堵の溜め息と共に思わず漏らした、そんな呟きが聞こえるほど近くに、耕介はまだ居たのだ。


 「ほんまのほんま、邪魔にしてたんと違うんよ?」


 「わかってるわかってる」


 「……はぁ」


  誤解されたかも。ああは言ってくれたが、心配のアリに食いつかれた胸がむずむずする。


  苦笑しつつ今度こそ去っていた耕介の背中を睨みながら、ゆうひはもう一度溜め息をついた。


 「わっ、もうこないな時間!」


  洗濯物を干し終え、耕介の作ってくれた朝食にへばりつくのを何とか諦めた頃には、すでにギリ
 ギリの時間であり。


 「しゃーない、走るかぁ」


  先ほどの事もあって耕介には頼り辛い。仕方なしに一つ気合を入れると、寮を飛び出した。


 「ハッ、ハッ、ハッ……あっ!」


  結局バス停まで走って来たゆうひの叫びも空しく、無常にもバスは行ってしまっていた。


 「いつもは遅れまくってんのに、なんで今日に限って早いんやーっ!?」


  遠くにガタゴトと揺れる四角い後姿が見える。やがてそれも小さくなって消えた。






                     〜◆〜






 「はー、今日は朝からろくな目におうてへんわ」


  昼休み。学食でランチのトレイ片手に、ゆうひはもうこの日何度目かの溜め息をつく。


 「折角息急き駆けて来たってのにねえ」


  隣でケタケタ意地の悪い笑いを上げるのは、ゆうひの友人若菜。


  一限目に遅刻したゆうひは、たまたまその授業の講師が厳しい人で結局欠席扱いとなっていた。


 「まあこないな日もあるよって」


 「そういえばゆうひ、○○学の小林先生のレポートやった?」


 「へ? え、だってあれまだ一週間ぐらいあらへんかった?」


 「やっぱり忘れてるんだー。先生明日から長期出張だから、締め切りが早まって今日までって事に
 なってたじゃん」


 「! せ、せやった」


 「あれ代わりの授業無いから、落とすと留年だよー」


 「あう〜」


  自ら招いた事とはいえ、立て続けに降りかかる不運に頭を抱える。


 「どうするゆうひ?」


 「……とりあえず、センセんとこ行って頼んでみるわ……」


  しかし留年は勘弁したい。しかも何故自分の必須科目にあるのか分からないような授業で。


  ゆうひ達は急いで昼食を終えると、憐憫を垂れて貰うため小林教授の研究室を訪ねた。


 「で、どうだった? ゆうひ」


 「うう、若菜ちゃ〜ん」


 「留年?」


 「……今夜は泊まりで学校から直接出張するつもりだから、今日中にやって出せって〜」


 「よかったじゃん」


  部屋から出た所で待っていてくれた若菜の肩に、覆い被さるようしな垂れかかる。


  しかしゆうひには正直良かったのか悪かったのか分からなかった。


 「だってうち、あんなんチンプンカンプンやもん」


 「だから先生も試験じゃなくてレポートにしてくれてるのに。まあ歌以外からっきしのゆうひには、
 ちょっと難しいかもね」


 「……どーせうちはアホの子よ! ボケでからっきしの三級品よぅ!」


 「そうやって自分を追いこむ言葉で他人追いこむのやめようよ……」


  レポートは専門外の理系科目で、その苦手意識が今回の失敗に一役買っていたのかもしれない。


 「エクセルに打ち込むだけだけど、でも資料集めないと」


  まだ資料集めもしてないよね、と若菜が尋ねると、ゆうひは無言でこくんと頷く。


 「じゃあ終わってからやるとして……今日は5限まであるから、6時近いのかぁ」


 「なんでこんな日に限って……」


 「しょうがないから手伝ったげるって。ほら、元気出して!」


 「わかっち〜」


  そのままギュッと首に腕を回して抱きつくと、ゆうひはポンポンとその背中を叩いてくれる友人
 に心から感謝したのだった。


 「ん〜……っ! はぁ。これでよーやく終わりやぁ」


 「さ、ゆうひはこれからレポート作りだね」


  あの後滅多に当てない授業で突然指名されオロオロする、消しゴムをかけた時にルーズリーフを
 引き裂くなどなど小さな不幸はあったものの、無事に全ての授業が終わり。


  伸びをしつつ窓の外に目をやると、最近とんと短くなった日はすでに落ちていた。


 「あう、せやねんけど。せめてご飯食べてからにせえへん?」


 「いいけど……早くしないと、図書館の方が閉まっちゃうよ?」


 「がーん、せやった」


  大学の図書館は午後九時までで閉まってしまう。仕方なしにゆうひは一人図書館で資料を集め、
 若菜はそのゆうひの恨みがましい視線を振り切り夕食に行ってしまった。


 「なんでこの手の資料って貸し出し禁止やねん」


  書き写す他無い。しかもあまりレポートの内容を理解していないゆうひには、どこまで使うのか
 分からずとりあえず多めに控えておく必要もある。


  そうして何とか全ての資料を写し終えた頃、すでに閉館時間が迫っていた。


 「若菜ちゃん、もうコンピューター室の方に行ったんかなあ」


  一人図書館を出る。何故か帰ってこなかった友人に連絡を取ろうと携帯の電源を入れると、当の
 本人からの着信があった。


  開いて見ると、


 『ゴメン。』


  とただそれだけ。不吉な予感を抱きつつも、とりあえずゆうひは若菜に電話した。


 「はいもしもし」


 「あ、うちうち詐欺、ゆうひやけど。わかっち今どこなん?」


 「あ、あの〜……」


 「……なんやのん?」


  その若菜のバツの悪そうな声を聞いて、ごっつい嫌な予感がますます増しつつも先を促す。


 「実はね、晩御飯食べに行ったら、その先で偶然友達に逢っちゃって……」


 「と〜も〜だ〜ちぃ〜?」


 「ゴメン。彼氏」


 「自白はやっ!」


 「しかもこっちから連絡した」


 「したんかい!」


  一旦話してしまえば気が楽になったのか、ペラペラと回転盤の壊れた蓄音機の如く若菜の口調が
 早まっていく。


  それに対しゆうひもニューオールリンズのディキシーバンドの古株のトランペット吹きみたいに、
 ツッコミを歌のように掛け合う。


 「久々に今日は一緒に居られるって言うからさー。実はもうアパートの方に帰ってきちゃったんだ、
 てへっ♪」


 「……友達を見捨てて、男とかー!」


 「だってぇ、あたしの彼卒論真っ最中なんだもん」


  だから最近時間取れなくって、とすでに悪びれる様子も無く話す若菜。


  恐らく彼氏と居る事で気分が高ぶっているのだろうが、それがまた自分の不幸を浮き彫りにする
 ようで腹が立つ。


 「今夜は帰さないよ……なーんて。ってこれはあたしが言ったんだけどさあ」


 「誰もそんなことは聞いてません」


 「と、いう訳だから。悪いけど一人で頑張ってね」


 「ちょ、うちのレポートはどうなるんよっ」


 「計算式と数字入れたら実行して、グラフ出して後は適当に考察書くだけだって。それじゃね〜」


 「う、裏切り者ーっ!」


  ゆうひの絶叫が届いたかどうか、逃げるようにプツッと若菜との通話は切れた。


 「……はぁ」


  暫く液晶画面を見詰めていたが、がっくりと首が折れ。その拍子に玉突きの要領で溜め息が押し
 出される。


  ずりずりと重い足を引きずるように、自分のパソコンを持っていないゆうひはコンピューター室
 を利用するため、一人教育棟の方へと向かったのだった。


 「ふい〜、よーやく仕舞えたわ」


  それから多大な時間をかけ、レポートはもう真夜中と言っていい時間にようやく終わりを告げた。


  机に突っ伏す。多少内容に不安はあったが、もうどうでもよかった。


 「……ごめん、わかっち」


  途中質問しに何度もしつこく若菜に電話したため、最後にはとうとう切れられてそれっきり。


  友情も失ってしまったかもしれない。


 「おなか減ったなぁ」


  真っ暗な廊下をあるくゆうひの心は、周りを包む闇以上に黒く沈んでいた。


 「こばやしせんせー……へ?」


  それでもこれで終わったんだから、若菜にはまた後で謝ろうと気を取り直し、研究室の前まで来
 たゆうひはえいやっと顔を上げる。


  唖然とした。


 「……は、話が違うやんけー!」


  研究室内は真っ暗、中に人が居る気配がない。ガチャガチャと何度かドアノブを押してみるが、
 当然開く事はない。


 「キ〜ッ!」


  思わず目の前に張り付けられた、紙のBOXを引き裂きたくなる。そこにはこう書かれていた。


 『   ○○学レポート:
  出張から帰ってから見ます。
  ここに入れておいてください。』


 「無理に急ぐ必要無かったんやん……」


  実質まだ一週間以上も猶予があった事になる。忘れていた自分が悪い事は重々承知しているが、
 それでも今まで食事もとらず頑張ったのはなんだったのか。


 「……帰ろ」


  カタン。


  レポートをBOXに入れたゆうひは力無く呟き、のろのろとその場を後にした。


 「うう、さむっ」


  建物から出た途端寒風がその頬を撫でていく。脱力感に包まれ猫背に折れ曲がっていた背筋が、
 アコーディオンのように一瞬伸び上がり、再びきゅーっと縮こまる。


 「あ」


  身も心も寒さに打ち震えながら歩を進める中、視界の隅にあるものが引っかかった。


 「……ねこー」


  せめてもの慰みにと、ゆうひは見つけた野良猫に触らせて貰おうとふらふら近づいて行った所。


 「チョッ、チョ、おいでー……ふげっ!」


  暗闇から来た自転車に気が付かず、轢かれた。


 「だ、大丈夫ですか?!」


  平謝りする相手に怒る気力も無く、ひらひらと無言で手を振って追い払う。


 「うう、こうすけくーん……」


  後からジワジワ襲ってきた、擦り剥いた手の平の痛みに本気で泣きそうになる。


  野良猫はゆうひの叫び声に驚いて逃げてしまっていた。


 「もうバスも無いし、タクシー使うしかないかぁ」


  バスはとうにその日の運行を終了しており、仕方なくタクシーに乗る事に。


  耕介に甘えようかとも思ったが、あいにくと携帯の電池が切れていて。電源入れっぱなしで若菜
 と熱い電話バトルを繰り広げたツケがまわってきていたのだ。


 「今日はなんちゅう日やねん……」


  こんな不幸が煮込まれた佃煮みたいな日が早く終わるのを祈りながら、ゆうひは大学そばにある
 タクシー乗り場へと力なく歩いていった。






                     〜◆〜






 「……はぁ」


  寮の前でタクシーから降りるやいなや、ゆうひはまたも特大級の溜め息を吐いていた。


  乗ってきたタクシーの運転手に、若い娘がこんな時間にふらふらして、などと酷く理不尽な説教
 を受けていたのだ。


  それと喧嘩する元気は、もうとっくになかった。


 「クスン、クスン」


  身も心もボロボロのゆうひ。すでに寮は雨戸も閉められ真っ暗な状態だったが、ただ一つ光る門
 の灯火に少しだけ安心する。


  だが。


 「ひっ!」


  手を伸ばしたその先に、明りに誘われる虫を狙ってヤモリが鎮座していた。


 「もうイヤや〜……」




  負け日、というものがある。


  不幸が折り重なり黒く冷たい一枚の鉄の板のようになって、自分を押しつぶすため後から後から
 倒れ襲い掛かってくる日。


  何をやっても上手くいかない、もがけばもがくほど更に泥沼へとはまり込んでいく。そんな自分
 にぐすんとしちゃうほど悔しくなるそんな日が。




  時計を見る。何時の間にか負け日は終わっており、もう午前一時近かった。


 「……ただいまー」


  キィ、と大きな音を立てぬよう玄関の扉を開けると、ひっそりと静まり返る寮に向かってゆうひ
 は小さく帰宅を告げる。当然応える者は居ない。


 「誰もおるわけない、か……あれ?」


  右手、リビングの方から光が。誰かがまだTVでも見ているのだろうか?


  しかし灯りは更にその隣奥の、ダイニングから漏れていた。


 「なんで電気が点けっぱで――」


 「よっ、お帰りゆうひ」


 「へ?」


  一体誰が、と左見右見しつつ中を覗くと、それに気付き椅子につくねんと座っていた人物が軽く
 右手を上げて。


 「今日はまたずいぶんと遅かったんだなぁ。夕飯……はもう食べてきたよな、だったら何か甘いも
 のでも軽くつまむか?」


  何だか疲れた様子だし、とゆうひの姿を上から下まで眺めると、笑って立ち上がる。


 「そこ座ってろよ、すぐにお茶入れてやるから」


 「う、うん」


  手で椅子に促されるが、呆然とその場から動く事が出来ない。


  ダイニングで一人ゆうひを待っていたのは、耕介だった。


 「……あ、あの〜、こうすけくん?」


 「うん? どうかした」


 「ひょっとして……うちのこと、待ってて、くれはったん?」


 「いや、まぁ」


  テーブルに置かれているくたびれた雑誌。


  背を向けたまま言葉を濁し、頭を掻く。その耕介の態度から。


 「たまたまだよ、たまたま。あ、ちょっと甘いがザッハトルテ切るか」


 「…………」


  待っていてくれたのは明白で。ゆうひは二の句が継げない。


  一方耕介は返事が無い事を否定と受け取ったのか、苦笑してゆうひの方を見ないままこう言った。


 「だってお前さぁ、連絡の一つもよこさないんだもん」


 「……ふ、ふみゅぅぅぅん!」


 「ふごっ! な、なんだ何だ一体?!」


  耕介の胸に光速タックル。


  自分を待っていてくれた。ただそれだけで、昨日一日で砂漠のように渇き切ったゆうひの心に、
 ばらばらと温かなスコールが激しく降り注ぎ満たしていく。


 「耕介くん!」


 「は、ハイ」


 「お願い、うちと結婚してっ!」


 「はあ? なに言ってんのお前」


 「ぴ〜……」


  その雨が涙となって今、さっぱり訳がわからないといった表情の耕介の胸元を濡らしていた。






  恋“だけ”は負けない。






                                       了









  後書き:知佳はいぢめ甲斐があるが、ゆうひはいじめ甲斐があるなぁ。
      流石に雨までは可哀想で降らせられなかったけど(笑
      あ、そうそうタイトルは映画からです。





  04/11/21――UP。

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takemakuran@hotmail.com
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