2015年02月10日(火)                             
特別編 ベランダの星空 

2月の上旬、連日の最低気温は氷点下近くの日々が続き、1年で一番寒い時期だろう。 何をするにも少し億劫になりがち。
その一方、凍てつく冬の空だが、街中とはいえ星のまたたきが綺麗で、珈琲をすすりながら寒空を眺めるのも、ロマンがある。

今宵は、街中で光害が厳しいが、今あるデジカメを駆使して、星景写真を撮ってみることにした。

 
これは随分昔に購入した、<シュミットカセグレン> 20センチ + ビグセン赤道儀 25年前に30万円ほどした。
しかし、当時はデジカメなんてものは無く、フィルムで現像。 準備にも手間が掛かり、もっぱら、望遠鏡を覗くだけであった。
今日は、これに、最新のキャノン7Dと400mm望遠をつけての撮影に試みる。


結果はこれ!  木星とその周りのガリレオ衛星。 400mm望遠とはいえ惑星撮影はこんなことだ。
まして、ピンボケ。 ようは赤道儀の極軸が合っていないということ。 天体を撮影するには、星と一緒に(地球の自転)
カメラを追尾させる必要がある。 その回転中心を北半球では北極星に合わせるのだが、これがなかなかムズイのだ。
特に我が家のベランダからは隣のビルで北極星は見えない。 赤道儀の赤緯、赤経、さらに緯度目盛と
方位磁石で設定する。 これでも結局、目視確認は出来なくて、北極星の年次誤差は未折込なのである。

もちろん肉眼で望遠鏡を覗けば、木星の縞模様や、土星のリングも、鮮明でかなりの大きさで見えるが、
写真を撮るとなると、かなりレベルアップが必要だ。 

そして、ここで出番は最新のデジカメ技術。 こんな七面倒臭いことをしなくたって、惑星写真は無理でも、
星景写真なら簡単に撮れる時代なのだ。

まずは・・

これはカメラのインターバルを利用して撮影。 (15秒間隔で約1時間) 250枚の写真を合成したものだ。
途中で雲が出てきたため、失敗。 実際は僅かの雲だが、刻々と移動するため、うろこ雲のようになってしまった。


次は約2時間、500枚の合成。 地球の自転円弧がはっきり分るようになった。 街中でこの写真が撮れるとは正直
驚きである。  一番上のシリウスは実に明るい。

そして、もう一つ最新技術がある。  それは・・ 


カメラにGPSを使った天体追尾装置を直に付けて、天体写真を撮ってしまう機器だ。 
名前は<アストロレーサー> 小さな箱のような物をストロボ台にチョコンとセットすると・・


<M78オリオン大星雲> 北半球冬の象徴。 羽を広げたような、赤く輝く星雲は、神秘的で、天体撮影の登竜門だ。
そして・・
 

<M45プレアデス> 通称スバルと呼ばれている。 そう、あの谷村新司の歌や、車のスバルメーカーのロゴは
あまりに有名だ。

昔のフィルム時代、こんな写真を撮るのは大変だったけど、今では街中で、私のような、ど素人でも撮れちゃうのだ。  
次は 郊外の山や高原、空気の澄んだところでの撮影が楽しみだ。 これからの時期は、銀河・天の川や、夏のアンドロメダ星雲は
天体写真の醍醐味。 さらに、バイクと一緒に、銀河や一面の星空の写真とか。 なんか夢ばかりだけど、胸がいっぱいだな。


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