2月の上旬、連日の最低気温は氷点下近くの日々が続き、1年で一番寒い時期だろう。 何をするにも少し億劫になりがち。
その一方、凍てつく冬の空だが、街中とはいえ星のまたたきが綺麗で、珈琲をすすりながら寒空を眺めるのも、ロマンがある。
今宵は、街中で光害が厳しいが、今あるデジカメを駆使して、星景写真を撮ってみることにした。![]()
これは随分昔に購入した、<シュミットカセグレン> 20センチ + ビグセン赤道儀 25年前に30万円ほどした。
しかし、当時はデジカメなんてものは無く、フィルムで現像。 準備にも手間が掛かり、もっぱら、望遠鏡を覗くだけであった。
今日は、これに、最新のキャノン7Dと400mm望遠をつけての撮影に試みる。
結果はこれ!
木星とその周りのガリレオ衛星。 400mm望遠とはいえ惑星撮影はこんなことだ。
まして、ピンボケ。 ようは赤道儀の極軸が合っていないということ。 天体を撮影するには、星と一緒に(地球の自転)
カメラを追尾させる必要がある。 その回転中心を北半球では北極星に合わせるのだが、これがなかなかムズイのだ。
特に我が家のベランダからは隣のビルで北極星は見えない。 赤道儀の赤緯、赤経、さらに緯度目盛と
方位磁石で設定する。 これでも結局、目視確認は出来なくて、北極星の年次誤差は未折込なのである。
もちろん肉眼で望遠鏡を覗けば、木星の縞模様や、土星のリングも、鮮明でかなりの大きさで見えるが、
写真を撮るとなると、かなりレベルアップが必要だ。
そして、ここで出番は最新のデジカメ技術。 こんな七面倒臭いことをしなくたって、惑星写真は無理でも、
星景写真なら簡単に撮れる時代なのだ。![]()
まずは・・
これはカメラのインターバルを利用して撮影。 (15秒間隔で約1時間) 250枚の写真を合成したものだ。
途中で雲が出てきたため、失敗。 実際は僅かの雲だが、刻々と移動するため、うろこ雲のようになってしまった。
次は約2時間、500枚の合成。 地球の自転円弧がはっきり分るようになった。 街中でこの写真が撮れるとは正直
驚きである。
一番上のシリウスは実に明るい。
そして、もう一つ最新技術がある。 それは・・
カメラにGPSを使った天体追尾装置を直に付けて、天体写真を撮ってしまう機器だ。
名前は<アストロレーサー> 小さな箱のような物をストロボ台にチョコンとセットすると・・
<M78オリオン大星雲> 北半球冬の象徴。 羽を広げたような、赤く輝く星雲は、神秘的で、天体撮影の登竜門だ。
そして・・
<M45プレアデス> 通称スバルと呼ばれている。 そう、あの谷村新司の歌や、車のスバルメーカーのロゴは
あまりに有名だ。
昔のフィルム時代、こんな写真を撮るのは大変だったけど、今では街中で、私のような、ど素人でも撮れちゃうのだ。
次は 郊外の山や高原、空気の澄んだところでの撮影が楽しみだ。 これからの時期は、銀河・天の川や、夏のアンドロメダ星雲は
天体写真の醍醐味。 さらに、バイクと一緒に、銀河や一面の星空の写真とか。 なんか夢ばかりだけど、胸がいっぱいだな。![]()
特別編 ベランダの星空