東郷小学校章由来記

 明治39年、日露戦争の勝利に沸く人々は、当時の諸和村、春木村の二村を合併し、濃尾平野の東端三河に接する地形から東の郷、また東郷元帥の偉業を偲びこの地を、東郷村と命名、同時に諸和、春木の二校を東郷尋常小学校と改称、南北校舎での授業が、明治40年1月から開始された。
 大正5年、南北に分かれていた校舎を統合現在地にまとまったのを記念し、当時の校長、長江鎌次郎先生(第9代校長 大正2年〜大正5年在任)は、全国的に校章の改廃が進む時流にいちはやくのり、境川流域の肥沃な水田を見わたす高台にあるこの学校の校章として東郷の二文字を、仲良く手を取り合う児童の姿を表現し、見事に図案化されたものである。郷の文字の両側は、豊に稔る稲穂を象徴し、できるだけ簡略化された中に、気品の高さが感じられる。