消火ポンプ



  東郷小学校の正門から校舎に向かって坂を歩いていき、真ん中ぐらいまでのところを右の方に向かっていこう。そこには、なんと古めかしい消火ポンプがあるでは、ないか。当然今では、全く使われてはいない。ただ錆びて、時代を物語っているだけである。しかし、そのポンプを見るにつけ、いったい、なぜそこにあるのかと不思議と興味をそそられるものだ。
 
東郷小学校の校舎を今から30年ほど前に改修するときには、どうもそこの位置に防火用水があったとされている。その水をくみあげるポンプなのではないかと推察できよう。でも、筆者は、この東郷小のポンプを見ると、竜吐水(りゅうどすい)というのを想像してしまう。東郷小の歴史には、ピッタリではなかろうか。



竜吐水(りゅうどすい)とは・・・


  竜吐水は、龍吐水とも書くことができる。竜吐水とは、昔の消火器具の一つで、大きな箱の中に押し上げポンプの装置を置き、横木を交互に上下して水を噴き出させるようにしたものである。または、高所へ水をくみあげる器械としても利用されているし、水鉄砲の役目も果たしている。また、英語でいうと water vomiting dragon ということで、まさに、竜が吐く水ということであろう。