Parker Duofold Black

 

  1987年Parkerの創業100周年を

   記念して制作開始し販売中。

       
 

「1928年のDuofold」

  「1987年発売のBlack」   「現在発売中のBlack」  
 1928年代のParker Duofold Black。インクの供給は尻ノック式の万年筆である。サイズは、キャップを閉じた状態で全長約130mm、太さはキャップ部で約12mmである。

 

 

 1996年に製造中止となり、新しいデザインに切り替れられた。伝統のDuofoldの基本のデザインをほぼ100%継承した。現在のものと比べると、キャップリング と天冠に違いがある。

Centennial
【定価50,000円】
 

 

ペン先は18kである。本体はアクリライト切削成型仕上げである。クリップは、ベリリウム合金ベースの23kゴールドプレート。サイズは太さが15mm、長さ170mmである。インクの供給は、カートリッジ&コンバーターの両用式である。

Centennial
【定価58,000円

 

  「18KのNib」   「新旧のブラック」   「上−旧、下−新」  


 
1920年代に一世を風靡した筆記具の名品 は、「Parker Duofold」である。Parker社は1987年に創業100周年をを迎えた。それを記念して「Duofold」を復刻 することとなった。本来の「Duofold」は、アールデコ調の直線的なフォルムであった。そこでParker社は、時代感覚を考慮した丸みを持った柔らかなデザインに変更した。 キャップリング同じ太さのを2本にした。新しい「Duofold」のマークが考案され、それを天冠に取り付けた。「Duofold」はこれにより精悍なイメージ の物となった。
 Parker Penの誕生以来(110年の歴史の中でも)復刻された「Duofold」は万年筆史上に残る傑作品として、今も語り継がれています。このDuofold万年筆は、多くの著名人、文豪が愛用していることで有名である。また、1963年には英国王室御用達 の万年筆に認定された。
 

  「左−新、右−旧」   「上−Duofoldのペン芯」
「下−Sonnet のペン芯」
  「上−Centennial size の黒」
「下−インターナショナルの青」
 


 「これからは人を大切にする時代、物を大切にする時代」であると思う。私達が普段オフィス等でふんだんに使っているのは「使い捨てのボールペン」である。しかし、 欧米の各国では以前から、一生使い続けていけるようなペンが愛され続けている。そして、それが「伝統」となっているのである。
我が国でも、使い捨て時代の終わった今、長く愛し使える物を選んでいくようにすべきであると私は思っている。
 ところで、「Duofold」のデザインや性能について述べてみる。「Duofold」は今日の高い技術の組み合わせで、Parker Penの創設精神が打ち込まれた最高の製品であると思う。また、わたしは、「Duofold」は1920年代からの伝統的遺産を誠実に守るとともに、大胆かつ、劇的に、バランス持って改良を重ねてきた素晴らしい製品であると思っている。高貴なプロフィール、高い性能は、書き手に安らぎと楽な書法を提供してくれる。品質、信頼性、および性能を守るための熟練した技術者の厳密な製造過程を経て「Duofold」は作り上げられていると思う。
 

  「旧タイプのセット」   「旧タイプの首軸」   「新タイプのセット」  

 Parkerが会社を創設したとき、「何かをより良く改良してください。そうすれば、人々はそれを買うでしょう」と語ったという。これが彼の哲学であり、Parker社の伝統となっていると思う。今日の 「Duofold」は、この哲学を生かし続けているのである。 永遠のクラシック、1920年代の最高級品Parker Pen不滅のフォルムと今なお傑出している品質と性能がそれを物語っているのである。
 「Duofold万年筆」を復刻するに際して、書き手が楽に書けることを追求してきた。「Duofold万年筆」はペン 先が丈夫であり、軽くて強いものなっている。それは精度の高いアクリル樹脂を導入し、高い技術を駆使して作り出しているからである。
 意匠登録された「Duofold万年筆」には2つのサイズ、Centennial sizeと、International sizeとがある。ペン先には18Kのプラチナコーティングされ たもので、F、M、Bの太さが用意されている。インクの供給にはカートリッジとピストンコンバーターが用意されている。また、同じデザインでRoller ball
とボールペンも準備されている。
 
追 加

「1998年のGift-Box」 「Boxを開けた状態」 「セット内容」

 1987年のParker創業100周年を記念して「Duofold-Black」の
Centennial sizeが復刻された。1年後にInternational sizeも製造された。小生の手元には、1989年に東京の某百貨店で購入したGift-Boxに収まった物がある。過剰包装とも言える程の装丁であるために、使用せずに陳列してある。
 
「豪華になったGiftbox」 「木製で風格がある」 「堂々たるスタイル」

 「 Duofold」は、1987年に復刻されて以来、現在までに2度のデザイン改良が施されている。元々の「 Duofold」は、ジャズとアールデコが流行した時代 のアメリカで1921年に誕生し ている。(下の中央の写真の下2本の万年筆には、まだ当時のアールデコの直線的なイメージの面影を残したデザインである。)Parker社が社運をかけて作りだした「Duofold」は、機能性、デザイン、強度などに秀でて いた。このために、筆記具メーカーのリーダー的存在に登りつめたのである。それ以来 、常に筆記具のパイオニアとしての着実な経営と、最高の万年筆作りを指向した。そしてさらに、品質の向上と材質の開発に努めたのである。これにより「Duofold」は、パーカーを代表する 最高級筆記具となったのである。
 日本では、2005年12月から新たな「Duofold」が発売となり、「Duofold Check」
イスパルト(ソリッドシルバーとゴ−ルドがある) が販売された。しかし、ここで紹介している「Duofold Black」は2007年 に入ってやっと、国内で販売され始めたのである。
 
「左− 旧の天冠」
「中−現行の天冠」
「右− 新の天冠」

「上 − 新」
「中上−現行」
「中下− 旧」
Centennial size
「下 − 旧」(インターナショナル)

「新のエースのNib」

 さて、この新しい「Duofold Black」は、デザイン、大きさは現行の物とほとんど同じである。天冠と、Nibのデザインが変わった。また、上の写真中央の最上部(新「Duofold Black」)は、中下部の旧「Duofold Black」 の
Centennial sizeのセクション(首軸)やバレルリングは同じデザインとなっていること。あとは、Gift-Box が現行の木製の物よりビニール製の華奢な物となっている。