パーカー 45 (1960年〜現在)

 
     
 

 
  「45Flighterのセット」 「45のバリエーション」 「オクタニウムのペン先」  

 この「パーカー 45」が発売になった頃、小生は丁度高校生であった。パーカーの廉価版ということで、多くの友達がこの万年筆を愛用していた。1ドル360円時代の10ドルがこの定価であったと記憶している。戦後20年が過ぎて、景気も良くなってきたが、この4年後の1964年に「パーカー 75」が25ドル(日本円で9,000円)で発売になった。しかし、高校生の身分では、これには手が届かなかった。この頃は、カメラやバイクにも熱中していて、万年筆まで手をだす暇がなかったと言ったほうが正しい。
 さて、このペンの命名は、「パーカー 61」の後だから、このペンが「パーカー 65」となるはずである。だが、新たなインクフィラーとして、カートリッジとコンバーターが開発された。この取り替えられたり、補充できる仕組みが、、当時アメリカで名を馳せていた拳銃「コルト・リボルバー45」の弾倉が差し替えできるのと似ていることと、ゴロの良さから名付けられたという由来がある。
 
       
       「45のインクフィラー」   「初期のコンバーター」   「球の入ったコンバータ」  
 インクフィラーは、カートリッジ、エアロフィラー、コンバーターとどれも使えて大変便利である点からも。多くの愛用者があり長期間販売も続けられたのであろう。
 更に、これまでは対応していなかったペン先の交換がたやすくできるように配慮されていたことも根強い人気を得ていたのである。(左の写真参照)好みの太さのペン先が購入でき、交換もねじ込みで簡単に交換ができたのであた。この方式は、以後に発売となった「パーカー 75」にも受け継がれていった。


 

 現在もなお、フライターGTの万年筆、ボールペン、ペンシルは販売されている。製品の様子は以下の通りである。
「パーカー45フライターGT」
  「万 年 筆」 ペ ン 先 ステンレス 文字幅:F  
  サイズ/重さ 長さ:139mm 軸径:9mmφ 重さ:18g(キャップをボディエンドに取り付けた状態)
  機   構 カートリッジ/コンバーター(別売)両用式 キャップタイプ
  材   質 ボディ/キャップ:ステンレススチールヘアライン仕上げ クリップ:ベリリウム22金ゴールド仕上げ
  定   価 5,500円
     
「ボールペン」 サイズ/重さ 長さ:131mm 軸径:8mmφ 重さ:16g
  機    構 キャップスライドタイプ、1/4回転タイプ
  材    質 ボディ/キャップ:ステンレススチールヘアライン仕上げ クリップ:ベリリウム22金ゴールド仕上げ
  定    価 3,200円
     
「ペンシル」 サイズ/重さ 長さ:132.5mm 軸径:8mmφ 重さ:14g
  機    構 キャップスライドタイプ
  材    質 ボディ/キャップ:ステンレススチールヘアライン仕上げ クリップ:ベリリウム22金ゴールド仕上げ
  定    価 3,200円
【 追  加 −1】 20種類の「Parker 45」
「左 フライタータイプ」
「中 ゴールドキャップ」
「右 天冠付きのタイプ」
「オーソドックスなカラータイプ」 「3種類のクリップ」

 50年という長期間製造販売されてきていることから「パーカー 45」には様々なバリエーションのペンが作られ、材質も金張りのインシグニア、ステンレス製のフライター、金メッキのものもあ る。50年近くも販売が続いているために、数多くの製品が作られてきた。
 

 手頃な価格帯の商品であり、数多く販売されてきた。しかし、高級品志向にも対応できるように、金メッキを施した物や、ステンレスのNibだけでなく、14金のものなど様々な顧客に対応できるように用意された。
 左の写真はボールペンとセットで販売された「Parker 45」の金メッキ仕様である。
             
  【 追  加 − 2 】 「 PARKER 45」 HERLEQUIN  1980  
「HERLEQUIN のFP,BPセット」 「柄違いのFP」 「エアロのインクフィラー」

 追加の1のところで、「Parker 45」には数々のバリエーションがあることを紹介した。1960年から販売を続けてきたヒットセラー商品であるだけに、様々な図柄、デザインの工夫がなされたのであろう。今回紹介するのは、我が国での販売は無かったものである。バレル、キャップともにステンレス製であるが、様々な柄を導入した斬新さを感ずる万年筆となっている。
 万年筆の構造と緒言は、これまでのものと全く同じである。ただ、キャップバンドに刻まれた文字に違いがある。「PARKER  MADE IN ENGLAND QC」とあり、もう1本の方は最後の文字が「Q1」となっている。本社のイギリスで製造はされているが、インクフィラーには「MADE IN U.S.A」と刻まれている。
  また、別のページで紹介しているが、キャップクリップのない「Parker 45 Lady」がGoldとSilver仕様で製造されている。是非、一度見て欲しい。
 
  「図柄−1」   「図柄−2」   「新しさを感ずるデザイン」  
  
 このParker45 Herlequin の万年筆は、製造されて30年の歳月がたっている。しかし、本体に描かれた模様は全く消えることなく、製造時点と遜色のない美しさを保っている。ステンレスの表面の加工で、これだけの耐久性があるとは信じられない高度な技術が注ぎ込まれていると考えられる。一般の家庭にある調理器具やスプーンなどのステンレス製品にも模様が描かれた物がある。しかし、それらの多くの模様は消えてしまって、見るも無惨な姿をさらしていることが多いことをご存じでしょう。Parker45という廉価版の万年筆であるが、Parker社は手抜きすることなく、結構、手の込んだ商品の開発に力を入れている企業であると理解することができよう。

「陳列ケースの45」 「2種類の図柄」 「2種類の図柄のFP&BP」
「2種類の図柄のFP」 「2種類の図柄のFP&BP」