Insignia   (1965 - 1978)
 
          
真鍮のバレルや、キャップに、
              14金や22金の金張りを施した高級仕様の万年筆

 
 
 

 

 この万年筆は、水平と垂直の直線で軽く刻まれた網状線の格子模様である。この正方形のパターンは、一見するとスターリング・シルバーで造られた
Crosshatch gridを思い出されるかもしれないが、刻まれた線は浅く、又、溝に塗装はされなかった。
 
       
  「初期のInsignia」   「後期のInsignia」   「初期は”0”マーク有り」  

 キャップやバレルの材料は真鍮で、初期の「Insignia」は、14金張りで、キャップリングには、「PARKER 14KGF MADE IN U.S.A 」と一列で刻まれている。中期の「Insignia」には、「PARKER」文字の下に小さなポイントで、「14KGF CAP & BARREL U.S.A 」となっている。さらに、後期の「Insignia」では、パーカーのマークと「PARKER」の文字の下に「MADE IN U.S.A」と刻まれているだけである。
 コレクターの中では、製造がかなり少ないと言われている「PARKER 1/11 14KG.F CAP & BARRE U.S.A 」や、「22K GOLDPLATE  CAP  &  BARREL U.S.A」」と刻まれた万年筆を探しているようである。希少価値の高さだけで、美しく、きれいな文字が書けるからではないのである。
 中、後期のキャップの文字にただ「U.S.A」となっているのは、フランス工場で作られていたために、単に「U.S.A」とだけ入れたようである。
 

  「上----初・中期の模様」
「下--------後期の模様」
  「左----後期」
「中----中期」
「右----初期」
  「左----初期」
「中----中期」
「右----後期」
 


 この「Insignia」には、万年筆と油性のボールペンが用意されていたが、ボールペンについては機会があったら紹介する。
 この
「Insignia」モデルにおいてもキャップに小さな変化がある。クリップの形状、キャップリング(バンド)の彫刻、および天冠(tassies)に変化がある。

(1) 初期・中期の万年筆は格子模様の彫刻が浅いが、後期の物は
彫られた格子線は、より深
  くなって、格子柄がはっきりとしてきている。

(2) 
初期のモデルの天冠(tassies) 、平坦なもので、中・後期のものは皿のように中央
  が凹んだオノとなっている。
(3) キャップに着いているクリップの形状が変わり、中期・後期のものでは、羽の部分が長
  くなり、矢尻が大きくなっている。
(4) キャップバンドの「PARKER」名がクリップ側にあったが、中・後期には裏側に移動し
  ている。

 以上が改良変化である。
 

  「上--後期のキャップ」
「下--初期のキャップ」
  「左----後期」
「右----初期」
  「左----後期」
「右----初期」